佐倉「寺子屋 吉田書店」幕末創業の書店を見学すると驚きの発見 -佐倉⒂
成田参詣が盛んだったころ、佐倉の成田街道沿いもメインストリートだった。その名残が、令和の現在も残っている。
佐倉の歴史深さを実感する探索だった。
佐倉、街道沿いの古い町並み
千葉県佐倉市並木町。京成本線「京成佐倉駅」からは徒歩10分ほど、佐倉市役所がある通りが「成田街道(国道296号)」。
私が中2で成田街道を歩いた時、通ったはずなのだが、あまり覚えていないので改めて歩いてみることに。並木町は、武家屋敷だった辺り。今回は、海隣寺の近く「ヤマニ味噌」から探索スタート!
元商店?
コカ・コーラの自動販売機が見える元商店らしき建物。
Coke…いつ頃の自動販売機かな?2012年のストリートビューを見ても今と変わらず。
三角屋根、上から覆われているけど、相当古いものなのでは?
鈴木洋服店
歩道が狭い成田街道。街道沿いは住宅街になっていて、あまり個人商店が無いが…
これは好きだ!と直感的に思った2階建て木造建築。
ドアが美容院風だけど、よく見たら「鈴木洋服店」と書いてある!
和の佇まいの洋服店。昔の姿が気になるな~
この建物の右側、昔は和菓子屋「今月堂?」だったらしく、屋根にうっすらと文字が残っていた。
街道沿いの古き良き
T字路に構える平屋。トタン板で全面覆われていて、建物本来の姿が全く見えない。
「大津屋のピーナッツ」。ナッツ専門店らしく、佐倉のお土産に最適という口コミも。
佐倉に訪れても、メイン通りである新町通りは歩くが、成田街道を歩く人は少ないと思う。
「寺小屋 吉田書店」が渋い
そしてこの日、最大の魅力的な場所を見つけた。
吉田書店の過去の写真
以前、成田街道を歩いた時も撮影をしていたが、1階の雨戸が閉まっていた気がする。
あと、横の白塗りも綺麗になっている。
せっかくなので、外から覗いてみた。すると「ご自由にお入りください」との看板。
吉田書店の店内へ
恐る恐る入ってみると、誰もいない。
店内は照明がついておらず、暗いので本当に入って良いのだろうかと不安になる。
棚には食器などが並んでいる。ここは一体?すぐに状況が掴めない。
左側は三菱鉛筆の棚があり、文房具が販売されていたのかなと想像できる。
販売しているものは
入ってすぐ、ビニールシートがかかっているところに商品が置かれていた。在庫処分と書いてある。
肖像画は、初代の吉田さんらしい。
中学生の辞書、ペン…代金入れが右上にあるので、普段から無人販売なのかな。
吉田書店について
この場所に関する説明があった。良かった~
寺子屋 吉田書店
市内に残る古民家で佐倉ゆかりの書物をみんなで読み、地元のゆかりの地を歩きながら先人の跡をたどっています。
最初のテキストは明治4年(1871)に書かれた「三峰山道中記図絵」芝本久兵衛著。約150年間の変遷に驚くばかりです。築150年の旧家
10年前まで書店として営業
急な階段を上がるとこの2階で寺子屋開業
現在は、寺子屋として市民に利用されている建物なのだろう。テキストの道中記も気になるな~
幕末に創業した吉田書店は、約10年ほど前までは学校の教科書販売などを行い、書店だった。
急な階段を上がる2階で寺子屋を開講していると書いてあったので、いつか寺子屋体験してみたいな。
昭和の本屋というよりも、江戸時代にタイムスリップしたかのような歴史を感じる店内。
千葉県書籍雑誌商組合員のホーロー看板。書店だったことの証。
棚の一番上には書籍があるが、どんな本があるんだろう。
しばらく店内にいたが、人の気配がなかった。できれば店主にお話を伺いたかったのだけれど…
「書肆」木製の看板に描かれている文字、読めますか?
書肆(しょし)。意味は本屋・書店。初めて聞いた言葉だが、昭和の言葉?
横の物置のところには、吉田書店の大きな看板が放置されていた。
2015年に書店に訪れている人が、店主に話を伺ったようだ。
お店の裏手には歴史のある土蔵があったが、東日本大震災で被害を受け、解体。現在はその土蔵から出てきた貴重な絵葉書を販売しているのだとか。
まさか、先ほどの絵葉書?買っておけばよかったなあ。
太陽の色ではじまる1週間…
最後に、吉田書店のガラスに貼ってあったヤクルトの広告。
「太陽の色ではじまる1週間…」
なんのことかわかりますか?
Twitterで質問をすると、答えてくださる方がいた。
日曜日は赤、月曜日がオレンジ…日替わりで変わる色。今は赤が定番だけど、昔は曜日ごとに色が違ったんだ。知らなかった。50年ほど前の話。
(訪問日:2021年3月)
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