竹林の名所「ひよどり坂」佐倉城址公園から武家屋敷通りへ。-佐倉⑵

歴博の見学を終えたので、次は周辺の佐倉城址公園から武家屋敷の通りを探索。
佐倉は、武家屋敷の街並みが今も残る街。ここを見ずには帰れませぬ。ひよどり坂、武家屋敷を中心に探索しよう。
姥が池
歴博を出てから、南側へ。「姥が池(うばがいけ)」が気になるの行くことにした。

江戸時代は、かきつばたの名所として知られた池。
姥が池の由来は、天保年間(江戸時代)の悲しいお話から。池の周りで家老の娘をお世話していた姥が誤って娘を池に落としてしまい、娘は池に沈んでしまった。そして姥も困り果てて池に身を投げたということから、姥が池と呼ばれるようになったという。

ちょっと悲しい気分に。
佐倉城址公園は、天守台跡も残っていて、1日探索できそうなくらい。子供たちが夏休みの遊び場としても楽しんでいた。

くらしの植物苑・佐倉書院跡
「くらしの植物苑」は、歴博の付属施設。植物を育てているらしいが、料金は大人100円とのことなので今度立ち寄りたい。

佐倉東高校を右手に進んでいくと、「藩校 成徳書院跡」の石碑。現在は市民体育館になっている。その手前に大手門があったらしい。


寛政4年(1792年)に第16代佐倉城城主、堀田正順によって創立された藩校佐倉学問所。その後、1836年にこの地に移転。1901年には千葉県立佐倉中学校に改称され、1910年佐倉市弥勒町に移転した。

特にこの道は、何か商店があるわけでもなく静かな通り。

「済生病院」という私立病院が存在したという看板。明治13年(1880年)に浜野昇によって開設された。病院に学校、かつてはかなり栄えていた通りだったのだなあ。

ひよどり坂
ひよどり坂へ向かうため、市民体育館の駐車場の脇にある坂を下っていく。ちょっとわかりずらいが、かなりの急勾配。佐倉は高低差があり、探索は大変だ。

ひよどり坂にたどり着いた。江戸時代とほとんど変わらない竹林に囲まれた古径。「サムライの古路(こみち)」とも呼ばれているそうだ。SNSでも少し話題になっており、インスタ映えを求めに訪れる人も。

真夏にぴったりの探索スポット。京都に行かなくても、千葉県で壮大な竹林のパワーを全身で感じることができる。

季節が変わると見え方も変わるそうだ。今にもサムライが現れそうな雰囲気。


緩やかな坂道を上ると、レトロな街灯が見えた。竹林、夜は真っ暗なのだろう。江戸時代と変わらぬ景色を堪能できる。


武家屋敷通り
ひよどり坂を抜けると、武家屋敷が並ぶ通りに。関東最大規模の佐倉市の武家屋敷、と呼ばれるように観光スポットとして取り上げられている。昭和57年(1982年)当時は24棟の武家屋敷が確認されており、その数が全国一だったというのだ。凄い…
三か所の武家屋敷を見学しよう。

一般の民家のようだが、ここも武家屋敷。「堀江家住宅」は、内部に武家屋敷の名残があるらしい。見学は不可。

今回は、探索の時間が無かったため、2011年、成田街道を歩いていた時の写真から紹介する。
旧河原家住宅
入館料は大人210円と手ごろ。駐車場も10台完備されている。
旧河原家住宅は千葉県指定文化財。とても貴重な建物だ。

廃藩置県後は、城跡に陸軍の兵営が設置され、武家屋敷は軍人屋敷として転用されたとのこと。
旧河原家住宅は佐倉市内で最も古い武家屋敷と言われ、展示されている調度品からも当時の武士の様子を知ることができる。

年に5回行われる特別公開の日は、建物内を見学することができるらしい。

テレビドラマの撮影も行われているようで、私が江戸時代を好きになったきっかけのJINの撮影もここで行われたとか…

今にも武士が蘇りそうな静寂。
旧但馬家住宅
続いて隣の旧但馬家住宅。こちらは佐倉市有形文化財。

茅葺屋根が立派。これを綺麗に維持するのは大変だろう。

千葉県佐倉同協社全図と書かれた鳥瞰図のような資料。これはいったい何を表しているのだろう。9年前のことなので覚えていないが。

同じものが千葉県立中央博物館のデジタルミュージアムに載っていた。
https://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/special/hakuranzu/shohen/1216.html
明治4年につくられた会社の地図。描かれているのは広大な茶園と、製茶場。火事などで大正9年に会社は解散したらしい。当時中学生の私は理解できなかったであろう資料。今になって理解できてよかった。

武家屋敷
開館時間:午前9時~午後5時
休館日:月曜日
入館料:一般(210円)
学生(100円)
佐倉城周辺の解説↓姥が池、広小路、大手門のある道を今回歩いた。

ひよどり坂は、若い方にもおすすめした写真スポット。京都旅行へ行けなくても、この場所で素敵な写真が撮れるはず。佐倉は見所がたくさんあるので商店街も合わせて見てほしい。
(訪問日:2020年7月)
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