【激渋温泉】習志野に眠る昭和初期の秘湯「鷺沼温泉」かつてロケ地にも(廃業) -津田沼

千葉県習志野市。実は銭湯マニアの間で噂になっている秘湯「鷺沼温泉」が存在するらしい。高校野球で名前が知られている習志野。かつて昭和映画のロケ地としても利用されてことがあるという、レトロ温泉は、一体どんな風貌なのだろう?
※2022年4月、廃業、解体され更地になりました
国道14号(千葉街道)沿いにある鷺沼温泉

国道14号、幕張インターからも近い国道14号沿いにその秘湯がある。
気にしていなければ通り過ぎてしまいそうな、奥まった路地にある建物が銭湯だ。遠くから見ても目立つ銭湯の煙突。煙突がしっかりと残っている銭湯も珍しくなった。
また、目印は赤い「営業中」と書かれたのぼり。鷺沼温泉の駐車場もあるため、車での訪問も安心だ。

電車では京成津田沼駅から徒歩でも行くことができる。が、少し遠いため地域の人々の憩いの場になっているのだろうか。15時の開店と同時に多くの客が訪れていた。
京成津田沼駅から商店街を抜けて銭湯へ向かうのであれば京成津田沼駅商店街の記事も→京成津田沼駅前に伸びる商店街「ワイがや通り」。もう一度ワイがやを取り戻せ!

鷺沼温泉への道には、様々な看板が立てかけられている。新しめのものもあれば、木製の看板も。
鷺沼温泉入り口にある隣の建物も、当時からありそうな佇まい。魚屋だったのだろう。現在は看板も外されてしまっているが…

2010年のストリートビューを見ると「魚新」という看板が出ていた。
その隣に街灯と「津田沼商店街 協同組合」と看板が!2018年頃に閉店し、街灯も撤去されてしまっている。千葉街道に沿って商店街が広がっていたのか…?どこからどこまでが範囲かわからないが…
鷺沼温泉へ

大人一人430円。子ども170円。
外観からはそんなに感じることができないが、昭和感満載のタイルの壁画。この場所で映画の撮影が行われたとの噂も納得がいく。

千葉県第一号の鉱泉であり、約30種類の含有成分ともあって効能もバッチリ。地下3000メートルからくみ上げているのだとか。

昭和の鳥瞰図を見ると、習志野のこのあたりは海岸線が近く、温泉がぽつぽつと建っているのがわかる。海岸線、漁師、鷺沼温泉もその当時から営業していたのだろう。創業は昭和25年(1950)、70年近く営業を続ける銭湯である。
裏手に回ると…

鷺沼温泉の全貌がわかる。大きな大きな銭湯の煙突。

バラック小屋のような建物だなあ。昭和初期の建物だそうだが、この場所だけ時代錯誤している。廃材置き場も確認できた。

向かい側にあった謎の煙突も気になるが…何かの工場だろうか?銭湯の煙突と、向かい側にある四角い煙突が気になる。

2001年に廃業の危機があったそうだが、現在のオーナーに引き継がれているという。

昔ながらの銭湯が各地で閉店するニュースを聞く。銭湯離れの若者も多いのかもしれない。
京成津田沼駅前の商店街にも、みはし湯という銭湯があったが、東日本大震災の影響で煙突が折れてしまい、廃業に。
→京成津田沼駅前に伸びる商店街「ワイがや通り」。もう一度ワイがやを取り戻せ!
習志野市には他に昭和からの銭湯は残っているのだろうか?廃業してしまった場所も多く、スーパー銭湯はあるのだが、もしかしたらこの場所だけかも。
たまには温泉で一息ついてみるのはどうだろうか。
追記:休業中の鷺沼温泉
2020年12月25日現在、鷺沼温泉が休業している状態である。今年の8月1日から10月31日が工事期間とあったが、それ以降も何も情報が無く休業状態だという。

気になったので、行ってみたが以前のような賑わいはなく休業中の看板が掲げられている。

表の看板も倒れており、鷺沼温泉の今後が気になるところ。最近千葉県内でも銭湯が廃業、休業が相次いでおり、とても心配な状況である。

もし何か知っている方がいたら教えてください。また情報が入り次第、追記します…
追記(2021年2月21日)
詳しい事情を知っている方にお話を伺うことができた。実際、色々な事情で休業せざるを得ない状況らしく、コロナが収束しないと再開はできないだろうと考えられる。しかし、廃業とのことではなかったので一安心。
追記(2022年5月)
廃業、建物は解体されて更地になっていると聞きました。習志野市最後の銭湯だったので残念です…
コロナの影響なのか分かりませんが、もし気になっている銭湯があれば思い立ったが吉日。ぜひ行ってください。銭湯の文化はこうして次々と消えてしまうのでしょうか。私にできることは発信することしかないのでしょうか。まずは周りの若い同年代の友達を誘って、銭湯文化の灯が少しでも長く続くように、尽力していきたいです。
(訪問日:2020年5月)
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鷺沼温泉…心配ですよね。近くを通る度に見ていますが、まだ営業してる様子がありません。せっかく近所にあるから、近々行ってみようと思っていたのに。これからも再開を願いながら、様子を見てみたいと思います。
キムタクが撮影で訪れたとか、湯の色が黒くて、温度がかなり高め、美容効果もあるとか気になる要素が満載なんですよね。コロナが収まるまで一時的に休止してるだけならいいのですが。
ここと交差点の対角線上にある、中華百番という店がおいしい上にリーズナブルで、お気に入りだったのですが、今は営業してません。国道14号線を少し谷津側に行ったところにあった、ちんらい軒という店もなくなってしまいました。いずれも歴史ある感じで、家族経営の優しい雰囲気の中華料理店だったので、こういった店がなくなってしまうと、余計寂しく感じます。
津田沼のアーバンな雰囲気とはまた違う、京成津田沼の昭和な雰囲気は、なるべく残ってほしいですね。
鷺沼温泉、情報収集したら廃業の雰囲気では無さそうだったので、一安心できそうです。私もずっと気になっていました…再開するのが楽しみですね!
中華百番に、ちんらい軒、名前だけでも美味しそうですね!知らなかったです~町中華もだんだんと減っていますね。京成津田沼周辺の雰囲気は開発されないで残ってほしいです笑
木村拓哉が出ていた『南極物語』とかいうテレビドラマを見ていた知人が銭湯絵を見て「あれは鷺沼温泉だったわ」と言ってましたね。
裏手の小路は菊田川の暗渠。銭湯が暗渠サイン、を地で行く構図といえましょう。
そうだったのですね!コメントありがとうございます!菊田川の暗渠なのですね~面白いです
そう言えば同じ菊田川沿い、習志野市役所前の十字路にも銭湯があったようですよ
そうなのですか!どこだろう。気になりますね~