【レトロ電柱沼】船橋で見つけた11本のレトロ電柱(コンクリート街灯) ~総集編~

「レトロ電柱」って知ってますか?私もこれが正式名称なのかはわからないのだが、花街の歴史が存在したところではよく見かける。装飾がとても美しい電柱だ。
今回は船橋駅周辺、海神新地から玉川旅館、山口横丁を散策している中で見つけたレトロ電柱を一気に紹介!レトロ電柱だけでなく、木製の電柱も含めた11本。船橋海神新地の赤線探索、船橋駅前の歴史探索のお供に。
人々に忘れ去られたレトロ電柱の現在の姿をご覧ください。
【レトロ電柱】
①玉川旅館

「玉川旅館」は太宰治ゆかりの割烹旅館。しかし、100周年を目前にして2020年4月廃業してしまった。登録有形文化財が年内に取り壊されるとなって、署名運動なども活発になり、連日多くの人が見学に来ていた。
私も玉川旅館の姿を記録に残そうと訪れたのだが、まさかのレトロ電柱と遭遇する。
玉川旅館の取り壊し前の記事はこちら↓
太宰治ゆかりの船橋「玉川旅館」いよいよ取り壊し。登録有形文化財玉川旅館、最後の記録
裏の入り口から入ると、建物の近く、茂みにそっと建っているレトロ電柱。

なんと現役のようでしっかりと電灯がついている。
玉川旅館の建物ももちろん大事ではあるが、レトロ電柱も貴重な文化財。ほとんどの人はその存在に気づいてもないだろうが…
今後の玉川旅館の行く末と同時に、レトロ電柱の行く末も気になる。
②海神新地遊郭跡
船橋には遊郭があった。「海神新地」と呼ばれる場所だが、唯一現存していた「吾妻屋」の建物も2009年に焼失。現在はアパートになっている。

海神新地の名残は、「ソープランド ミネ」のみか…と肩を落とすのはまだ早い。
レトロ電柱があるではないか…!

旧吾妻屋の前に一本だけではあるが、当時のレトロ電柱が残っている。
上部は装飾が何も残っておらず、プレートもはがされている。無惨…
遊郭があったこの道は、今ではすっかり住宅街になってしまい、電柱にカメラを構えている私の姿を指さす子どもがいるだけ…
吾妻屋が存在した歴史も忘れ去られるのだろう。この1本のレトロ電柱だけが最後の妓楼が残っていたことを示す。
③郵便局近くの路地
海神新地のレトロ電柱は、「吾妻屋」の前だけだと思っていた。
が、ある路地にも現在の電柱に隠れて潜んでいた。

郵便局の近く、大沼デンキの隣に細い路地がある。道路からはレトロ電柱の存在に気づきにくいかもしれない。それほど、電柱の影にすっぽりとハマるように建っているのだ。

プレートなどは残っていないが、上部の青と白の装飾は残っている。

海神新地の一帯は、こうしたレトロ電柱が多く建っていたのだろうか。
レトロ電柱が建っているこの細い路地も飲食街だったような痕跡が残っている。
④山口横丁
海神新地からは離れ、船橋駅の東側の方面へ。山口横丁と呼ばれる飲食街が広がっている通り。その山口横丁の南、コンビニストアの近くの細い路地への入り口に立派なレトロ電柱がある。船橋で見たレトロ電柱では、最も立派なデザインだと思う。

上部には、珍しい曲線の趣向を凝らし、錆びついているもの、とても美しい。
山口横丁にも、花街の香りが漂っているとの話は以前の記事で書いたので気になる人は合わせて見て欲しい。
⑤山口横丁の通り
④の近くにある街灯も、レトロ電柱に比べたら劣るかもしれないが、古いものだと推測できる。
⑥病院の敷地内

山口横丁から山崎医院へと入る道を何気なく通ったが、山崎医院の敷地内にもレトロ電柱を見つけた。道から山崎病院の敷地内に建っているレトロ電柱の上半分を見ることができる。

こちらも年代的には新しめだが、若干白い装飾が残っているようだ。
山崎医院自体が昔の地図にも載っていることから歴史ある病院であることがわかった。
【木の電柱】
①玉川旅館の近く
玉川旅館からNTTのビルを右手に千葉街道へ向ける途中、左手に目を向けると木の電柱が建っていた。本来はレトロ電柱しか眼中になかったのだが、木の電柱の美しさに気づいてしまった。

緑のコケと木の組み合わせが綺麗だ。ずっと同じ場所でどんな時も耐えてきた姿は美しい。

②船橋仲通りの路地
山口横丁から仲通りへと入ると、飲食街が並ぶ通りがある。仲通りから一歩、住宅街の路地へと足を踏み入れると、木製の電柱が現れる。

木の電柱はそんなに珍しいものではないかもしれないが、現存している姿を見かけるのは少なくなっている。当たり前だからこそ、残さなければいけないものもある。

この木の電柱は、下部がげっそりと削られており、スリムになっている。どうしてそのようになってしまったのか…そして削られてもなお頑丈な姿に励まされる。
③鑑札がある通り
山口横丁から、④のレトロ電柱を抜けた細い道にも木の電柱が建っている。
この電柱が建っている近くの建物はとても古そうだし、料理店の鑑札も見つけた。

もしかしたらこの辺りが花街としての名残があるのではと思っているのだが、だとしたらこの木の電柱は当時から残っているものだろうか。
※追記:2020年7月9日現在、木の電柱は撤去されているとのこと。跡形もなく、何も残っていない。この一か月程の間に一体何があったのだろうか。
④沿線
山口横丁を北上し、JR総武線の沿線を目指す。沿線に東西に伸びた細い路地があるのだが、その途中に木の電柱がある。現在の電柱と馴染んでいる。

木の電柱と、木の塀…
⑤銭湯の近く
折れてしまっているので、カウントするのもどうかと思ったが、一部でも現存するので記録しておこう。

松の湯のと近く、住宅街にまたしても電柱に隠れて折れた木の電柱がある。
どういうわけか、バッサリと折れてしまったが、撤去されるまではいかなかったようだ。
【番外編】
ソープランドミネの向かい側に、何やら怪しげな跡が残っていた。
ソープランドの近辺は、最近まで古いラーメン屋などがあったが綺麗に整備されてしまった。その時に、一緒にこの場所にあったなにかも無くなってしまったのかもしれない。
丸い部分に、銅線が少し見えることから、レトロ電柱だったのではないかと淡い期待を抱く。
ソープランドミネ、海神新地について↓
船橋遊郭から海神新地への歴史。伝説の「ミネ」をはじめ、ストリップ劇場も【船橋散策①】
レトロ電柱は注目されないが、よく見てみるとお洒落な装飾が楽しめる。
船橋にもまだまだ眠っているかもしれない。もし見つけた方がいらっしゃったら情報交換したい。(そんなマニアックな趣味の人少ないか…)
【船橋レトロ電柱MAP】

松戸のレトロ電柱について↓
【レトロ電柱沼】松戸で見つけたレトロ電柱13本~総集編~
松戸、平潟遊郭のレトロ電柱について↓
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(訪問日:2020年5月)
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