日蓮宗浄国寺の煉瓦造り「浄行殿」/元旅館鈴木 -佐原38

佐原探索編。今回は、中心街からは少し離れた場所にある浄国寺にある煉瓦造りの建造物に注目した。近代建築…?
古き良き佐原の街並み
千葉県香取市。佐原は古き良き街並みが残る街としてメディアでも度々取り上げられていて観光客も多い。私が小学生の頃に訪れた時とは明らかに違う賑やかな観光地に生まれ変わった。

私のブログでも佐原は見逃せない。既に25本の記事を書いている…なのにあまりにも魅力的な建物や歴史が各地に残っていてまだまだ記事数が増えそうな予感…

忠敬通りから細い道、新道が南へ伸びているが新道沿いの佇まいも良いなあ。脇にも広い入口、壁にも勝手口のような面影。どんなお店だったのかな。

そういえば、佐原小学校に至る新道はしっかりと歩いたことが無かった。2019年のストリートビューしか確認できないが古い建物が残っていそう。次回リベンジ。



また、忠敬通りから南へ逸れた細い道沿いに気になる空き地と建物があった。
Googleストリートビューで過去に遡ったら、2012年時点で「旅館鈴木」の看板が出ていた。そうか、やはり旅館でしたか…!「宿ネット」には情報があるので最近まで営業していたのかな?
日蓮宗浄国寺の煉瓦造り建造物
千葉県香取市イ1973。メインストリートの忠敬通りから南東方向に位置する日蓮宗浄国寺へ。

西側の山門から墓地の広がる境内へ。ホームページによると、明治期の火災によって諸堂は焼失したものの、天明年間の山門が現存しているとのこと。撮影し忘れた!
中央に赤レンガ造りの建造物が建っているのが気になる。
本堂の近くにあるこちらの建物は「浄行菩薩殿」と呼ばれているらしい。明治23年建造。
本堂そばの赤煉瓦造りの浄行菩薩殿は、明治23年に酒造家簑輪氏寄進の病気平癒に霊験あらたかとされる浄行菩薩石像が安置され、多くの人々が参詣し洗い清められています。

浄行菩薩殿は東を向いている。「浄行殿」と扁額が掲げられている。
イギリス積みの煉瓦。屋根は入母屋造りの瓦葺きで、あまり話題になっていなさそうだがこちらも立派な近代建築だ。

酒造家簑輪氏…現存している酒蔵のことか、それともまた別の方か。「市民のひろば – 香取遺產」に詳しく記載されていた。近世の佐原の有力商人とのこと。
「浄行さま」と親しまれてきたそうで、現在の像の奥に火災によって壊れてしまったものを修復した古い像が安置されているとのこと。
また、山門から本堂までの間に小さな石橋を見かけた。こちらは、江戸時代の人工用水路にかかっていた橋だそうです。

佐原東部の水源から浄国寺境内を流れ、日本初の全国測量で有名な伊能忠敬旧宅の敷地を経て、佐原西部に水を供給していた水路の名残です。
伊能家旧宅前を流れる小野川の上に、この水路の水を通すために「樋橋」がかけられ、樋橋から小野川にしたたり落ちる水音から通称「じゃあじゃあ橋」と呼ばれるようになり現在では佐原の観光の目玉のひとつとなっています。残念ながら近年になって水路は埋め立てられ、浄国寺境内の石橋と伊能家旧宅前のじゃあじゃあ橋が当時の面影をを残すのみです。
思わぬところに近代建築や水路跡が残っているものだな~と驚きの連続。
余談ですが、浄国寺のお手洗いに展示されていた掲示物が素敵でした。
(訪問日:2022年4月)
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