多古「澁谷嘉助旧宅正門」。現在は「古民家カフェCafe 薫風」に

多古「澁谷嘉助旧宅正門」。現在は「古民家カフェCafe 薫風」に

多古町の煉瓦造りの門「澁谷嘉助旧宅正門」を見に行きたくて、ドライブで向かった。現在は、古民家カフェ「Cafe 薫風」として営業しており、近代建築を見学しつつランチを頂ける素敵な場所だ。

多古町の近代建築「澁谷嘉助旧宅正門」

千葉県香取郡多古町北中。多古町の中心街から東側、周辺にバス停など公共交通機関が見当たらないので車で訪れることをおススメします。

多古町ドライブ

あじさいで有名な日本寺の近くでもある。日本寺もまだ行ったことが無いので、良い季節に訪問してみたいなあ。

途中で見かけた砂山

そして到着した「澁谷嘉助旧宅正門」。駐車場は、右手の門から入って敷地内にある。

澁谷嘉助旧宅正門

澁谷嘉助旧宅正門。想像以上に大きくて写真では収まらない!あまりの美しさと規模の大きさに感動して立ちすくむ。

向かいには渋谷商店。関係者の方かな?

渋谷商店

フルヤ牛乳のレトロなベンチ。「活力が出る生菌スナック」というフレーズは初めて聞いた!

活力が出る生菌スナック?

本題の渋谷嘉助旧宅正門へ。平成11年に国登録有形文化財に登録されている。

渋谷嘉助旧宅正門

千葉県教育委員会のホームページに詳しくまとめられている。

本格的和風邸宅が建つ敷地の入り口に位置する。民家ではめずらしい煉瓦造の門であり、住宅の門としてはかなり規模が大きい。

明治43年(1910)頃の建築で、煉瓦造平屋建。和瓦葺の屋根を載せており、正面左右を倉とする長屋門風の形態をとっている。赤煉瓦の壁面は、1段ごとに交互に小口面と長手面とが現れるイギリス積みで構成。外壁はバットレス(壁の倒壊を防ぐために設ける壁から張り出した控壁)により正面を3間に区切っており、中央には半楕円形アーチの出入り口が設けられている。また、側面の上部にある2連の丸窓も特徴的であり、建築当時の進取の気風を感じ取ることができる。

正面右側
正面左側

そもそも、こんなに立派な邸宅に住まわれていた「渋谷嘉助」さんってどんな方なのでしょうか?

多古町のまちづくりテラスの会の記事に詳しい歴史がまとめられていた。逆にそれ以外はネット上に情報が少ない…

日本で初めてダイナマイト用の火薬を輸入したことで有名ですが、実業家としてばかりではなく国家や故郷にも大きく貢献されたようです。

日本で初めてダイナマイト用の火薬を輸入…?

赤茶色の素敵な色味

大正14年、渋谷財団法人を設立。基金10万円の利子は疲弊している村財政予算に組み入れられ、村民税の軽減に役立ったし、村出身の青少年育英資金としても多額の寄付をする。

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また教育委員会発行の多古町名所百選には次の様に紹介されています。
「北中91番地にあるレンガで覆われた長屋門は一際目立っている。この屋敷を造った渋谷嘉助翁(1849~1930)は、北中村谷津集落に生れ、後に江戸八丁堀で鉄砲商を営んでいた叔父忠兵衛の養子となった。そして、日本で初めてダイナマイトを輸入する等業界に大きな足跡を残し、故郷中村に大正11年(1922)「財団法人中村基本財団」を設け、その基本金の利息によって村の教育費を賄い、慈善事業を興した。」正門については「明治43年頃建造。煉瓦造の門で住宅の門としてはかなり大きい。」
ただ商売に没頭する訳でなく、社会に大きな貢献をした偉大な方だったようです。

邸宅がある北中村谷津集落で生まれ、江戸(東京)で養子になり業界に貢献、故郷の中村に「財団法人中村基本財団」を設けて慈善事業に。現代でこういう足跡を残す方はどれくらいいるだろうか。百年近く前に活躍した方だが、本当に尊敬します。

また、この建造物で特徴的な点が側面の丸窓。

丸窓

今までも煉瓦造りの門は見たことがあるが、丸い窓が二つ並んでいる造りは見かけたことが無い気がする。良いアクセントになっており、周囲の自然と合わさって映画の世界に迷い込んだような…

お気に入りの一枚

敷地内から門を眺める。周辺には臺や井戸?

敷地内から撮影
庇が付いている

外から門に入ることはできないが、敷地内から門の内側を見学することは可能。

渋谷嘉助旧宅正門 内側

保存状態も良く、煉瓦の積み方も美しくてうっとり。ただ、説明看板等は設置されていないので訪問時に参考になる看板があると良いのにな~と思ったり。

閉じている

門の内側は一部白く塗装が残っていたが何かの名残?現在は正門としては使われていない。

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古民家カフェ「Cafe 薫風」

現在、邸宅は古民家カフェの「Cafe 薫風」として営業中。正門右手の門から入っていく。

Cafe 薫風

リノベーションされた「澁谷嘉助旧宅」。五右衛門風呂?が雨桶に使われている。

現在の邸宅

2017年頃に現在のオーナーさんが愛犬と一緒に住みたいと思い、この建物が気に行って購入されたそう。そして2021年頃に現在の古民家カフェとしてオープン。土地も購入し、ほぼリフォームしない状態で以前の持ち主の方の状態だという。

まだそこまで知名度は高く無さそう?発信してほしいとのことで名刺交換もさせていただきましたが、1年も経ってしまって申し訳ないです!

入ってすぐに天井の高さに圧倒される。犬二匹と猫がのんびりとくつろいでいた。

玄関

ちなみにこの邸宅は古くなく、元々の材料を使用して元オーナーが改築したものだそう。それが売りに出されていたところを購入されたというが、素敵な邸宅で羨ましい…

縁側やテラス、多人数で座れるソファー席が2部屋。広い。

玄関横
キッチンの隣

家具も建物の雰囲気を壊さない控えめかつ華やかな装飾でおしゃれだった。母とテンションが上がっていた。

欄間

2階への階段も。本当に広々。いつか私もこういう古民家で自然に囲まれながら暮らすのが夢~

調和した家具

夏涼しい古民家。また、床暖房もついているらしい。

手摺付き

古民家カフェとしてのメニューはこちら!

メニュー

フードメニューも数種類あり、父は海老カレーを注文。

海老カレー

母と私は豚めしを注文。塩焼の豚をお茶漬けのように出汁をかけながら具材と合わせていただきました!

豚めし

豚めしは沖縄のレシピなんですね!初めて食べたけど、旨味を直接感じながらさらっと完食できて美味しかったです。店主のお母さんがとても可愛らしい方で最後に一緒に記念撮影も♪

猫が上から

台風の被害は周辺の竹林のおかげで大丈夫だったとか?自然に囲まれた古民家カフェで時間を忘れてのんびりと過ごしました~

 

営業時間

火・水・金・土・日:午前11時~午後3時
​定休日:月・木​

​年末年始、お盆時期はお問い合わせください。

千葉県香取郡多古町北中86

090-2220-9584

 

(訪問日:2022年3月)

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