大多喜「商い資料館」「釜屋」を無料で見学!レトロな「尾高屋」も気になる -大多喜⑻

大多喜の観光施設を見学!旅館に宿泊し2日目の昼間は、城下町通りにある建物を見学することに。
すべて無料で見学できて、かつ優しいガイドの方がいるので歴史に詳しくなくても楽しめる施設だった。
「尾高屋」車庫とレトロな看板
千葉県夷隅郡大多喜町久保151。城下町通りに面した「商い資料館」へ行く前に、手前にある車庫?が気になったので立ち寄ってみた。

昔は手前の空きスペースに建物があったのかな?と思うのが自然な場所。壁には「良いお酒」とあるので、酒屋だったのかな?

車庫を覗いてみたら、もっとすごい!渋い広告やらポスターやら…

店名は「尾高屋」で決定だろうか?フォントが独特だ。

おお、昔のサントリーの瓶など昭和の瓶が置かれている。
右手にカルピスソーダのシール?イラスト?とても立体的に見えるものは一体なんなんだ。

奥に見える黄色い看板はバスの時刻表とかかな?

ヤマザキの看板。酒屋だと思ったけど食料品も扱っていたのかな。

ん?明治21年?大多喜旅人宿取締りと記載があるが、ちょっと内容が読みづらい。

こちらは「明治28年 ロシア…」と書いてある。何でここに貼ってあるんだろう。

調べてもよくわからなかった。このレトロな車庫は私にとっては文化財レベルですよ~
追記:『全国旅館名簿』(旅館研究会、昭和16年発行、111ページ)に「尾高屋旅館」と記載されている。
もしかして、ここは旅館だったのか!?食料品も合わせて扱っていたとのこと。先ほどの旅館組合の紙はその名残なのかもしれない。
「商い資料館」で大多喜の歴史を学ぶ
ここから、本題の隣の「商い資料館」へ。見学は無料!

商い資料館のホームページ
商い資料館は「商いと城下町のくらし」をテーマにした資料館です。土蔵造りの建物を大改修し、1階は昔の商家の再現、2階は昔の暮らしがしのばれる生活用具や遊び道具を展示しています。屋外は日本庭園となっております。(陣座公園)
商い資料館の建物は、下の写真の左側。土蔵造りの建物が綺麗に改装されている。

ちなみに右に映っている「嶋村金物店」の建物は、現在は表側が壁になっていて見えづらい。昔は旅館も営業していたのだとか。

大多喜の昔の街並み。現在の城下町通りには、土蔵造りの建物が並びまさに「商人の町」だったのだ。

こちらは大屋旅館の辺りの写真。この時代にタイムスリップしてみたいなあ…

当時利用されていた道具がそのまま展示されている。帳場に座って商人気分に浸ってみては?

資料館は1階と2階。ガイドの方が常駐していて、大多喜の歴史について教えてくれた。地域のことは地域の人に聞くのが一番早い。

昭和15年の宿泊者名簿。どこかの旅館で利用されていたものだろう。実際に手に取って閲覧することができる。

昭和5年に松井天山が描いた「千葉県大多喜町鳥瞰」。

昔の大多喜と今を比較するのが楽しい。

写真ではどうしても見づらいので、今度図書館で鳥瞰図を探しにいこう…

2階には昭和のおもちゃが展示されていた。

懐かしい方もいるだろうか?最近、昭和の瓶にハマっているのでこうしたビー玉は集めたくなってしまう。

カラフルなお札のおもちゃ?昔も今もおもちゃは、あまり変わらないんだな~面白い!

無料で見学するのにちょうど良い資料館だった。電車の時間を気にしていたので、ちょっと急ぎ足になってしまったのが残念だ。
土蔵造りの商家「釜屋」
次は同じ並びにある「釜屋(旧江澤邸)」。明治9年(1876)に建てられた土蔵造りの商家だ。

平成18年に大多喜へ寄贈され、2020年3月に改修工事が完了。6月から一般公開された、新しい見学施設。

火事の多かった江戸時代には、こうした耐火に優れた土蔵造りの町屋が防火建築として推奨され、広まった。建築当初の姿に近づけて改修工事が行われたというのが嬉しい。

釜屋は、質屋から金物屋に。質屋だったため、泥棒が簡単に入れないようにかなり頑丈なつくりとなっている。
ガラス戸の内側には上げ下ろしする板戸。

実際に下ろす手順を見せていただいたが、とても重そう。女性一人の力では大変だという。
しかし、現在も毎日施錠をする際は板戸も閉めているというので管理が大変そうだなと思った。

こちらは蓄音機?

ビクター犬がプリントされた素敵な蓄音機。

中央にはケヤキの太い大黒柱。この建物は大多喜市に寄贈される前、民家として利用していたという。どのように生活していたのか気になるな~

2階は二間つづきの蔵座敷。急な階段なので気を付けよう。

電車の時間が間に合わなそうで、2階は一瞬しか見学できなかった…来客のおもてなしの間だからか、豪華なつくりだ。

天井も青家柄が凄い美しい。ここから大多喜城を眺めることができるのだが、特等席だなと。

ガイドの方が一つ一つ丁寧に解説してくれる。
もっと見学の時間を十分にとるべきだったなと後悔した。
大手通りを通って大多喜駅へ
大手通りを通って大多喜駅へ向かっている途中。「房総中央鉄道館」という鉄道博物館に遭遇した。

いすみ鉄道の支援のために2004年に開館したそうだ。鉄道模型や常設展示があり、入館料は大人200円。
訪れた日は休館していたが、鉄道も元々興味があるので立ち寄りたかったな~!いすみ鉄道の元となった「木原線」のことも知りたいし!
博物館の向かい側の小さな建物も見逃さなかった。

「緑の館」という店名が素敵な喫茶店!JCBの看板の上の電話マークの小さな看板も可愛い~

そういえば、大多喜で純喫茶は見かけなかったな。ここが唯一かも。営業していなそうだけど…

大多喜駅前のガス灯の看板。前日は気づかなかったけど、ガス灯が設置されているんだ。

日本では明治27年頃からガスマントルを利用したガス灯が現れたが、石油ランプや電球の普及によって姿を消した。
しかし、近年はレトロブームで復活している地域があるらしい。

ガス灯は電球とは違った、温かみのある灯で個人的には好き。
大多喜で1泊2日。
観光ガイドの人々も優しかったし、時間を気にせずにゆっくりと見学することをおススメしたい。
(訪問日:2021年3月)
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