森永牛乳・エンゼルマークも発見!大多喜のレトロを探し求めて -大多喜⑷
大多喜の老舗旅館「大屋旅館」のある通りを探索。牛乳店に残っているエンゼルマークを探し歩いているのだが、ここにも綺麗に残っていて嬉しい。
旅館周辺の城下町通りの魅力を紹介します。
大屋旅館のある通り
千葉県夷隅郡大多喜町新丁64。明治中期に建てられた旅館「大屋旅館」は、大多喜観光では外せないスポット。
江戸期まで、交通の要衝で政治に中心だった大多喜。その面影を現在に伝えている価値の高い旅館だ。今回は旅館に宿泊したので、次回詳しいレポートを更新する。お楽しみに!
旅館が面している通りは「城下町通り」。かつてはメイン通りだったそうだが、バイパスがつくられたことで、交通量は激減。
昭和初期の写真がこちら。夷隅神社の鳥居と大屋旅館の姿は変わらない。
昭和5年、松井天山が描いた大多喜の鳥瞰図が「商い博物館」に展示されていた。
小さくで読みづらいと思うが、中心に「割烹旅館 大屋」が描かれている。右隣には「大屋自動車部」(現在はない)。
鳥居の向かい側にある「三井呉服店」は江戸時代創業(天明六年)なので、鳥瞰図にも「ゴフク店」として描かれている。
他に変わらず残っているものは、どれほどあるのだろう。
もう一つ。
ストリートビューで、大屋旅館の向かい側に映っている近代建築がある。
銅板のファザードに、凝った造りの窓。
これは鳥瞰図を見ると、理髪店のように見えるが…奥に細長い建物なので違うかもしれない。どちらにせよ、現在は取り壊されて更地に。ああ、無念。悲しい。
夷隅神社
大屋旅館に隣接している「夷隅神社」。
夷隅神社は房総の小江戸と言われる、城下町千葉県夷隅郡大多喜町の総鎮守として鎮座する縁結びの神社です。
縁結びの神社だったのか!記事を書いている段階で知った。ホームページにも、知名度が低いと嘆きが書いてある。
確かに、もっと多くの人に知ってもらえたら良いのに。
また、5と10のつく日に朝市(午前中)、開催されるとのこと。
夷隅神社境内で7時30分頃から11時30分頃まで開催されます。約6~9店舗ほどが出店し、大多喜町で採れた新鮮な山の幸や、近郊の海の幸が並びます。
値段も通常の2から3割安とあって、開催日には地元の人はもちろん、朝市目当ての観光客や近隣の人たちでにぎわいます。
朝市を狙って訪れてみるのも良いかも。旅館でいただいた山の幸・海の幸が本当に美味しかったので、朝市も期待できるな~
森永牛乳のエンゼルマークに注目
大屋旅館の隣に、注目してほしい建物が残っている。こっちは残ってい良かった(歓喜)
中心にエンゼルマークがあるのだ!私は密かにこれを探している。
森永製菓のホームページによると、このロゴマークは昭和26年から昭和61年まで使われたマークのようだ。
同じマークを、成田の方で見かけたことがあるが、今回で2つ目。各地を探索していても現存しているのが少ないのが現状。
東京の看板建築で残っている写真を見たことがあるが、今も残っているのかなあ。
成田で見つけたエンゼルマークはこちら
城下町通りを北へ歩く。賑わった道も、今は空き地が多くて面影がほとんどない。
建物の裏にちらっと見える、洋風な建物が気になった。
鳥瞰図を見てもわからなかったが、かつてはこの辺りに「旅館カフェー 清水館」などがあったので、ハイカラな建物も多かったんだろうなあ。
御菓子「司津知家」
角にあるのは和菓子屋「司津知家」。
営業時間が17時までだったのと、次の日の水曜日が定休日で、購入できず。後で調べたら、駅前の観光案内所でも販売していたとか。知らなかった~
看板にもあるように「十万石」という最中が人気らしい。
「豊乃鶴酒造」国登録有形文化財
和菓子屋の向かい側にある日本酒醸造所「豊乃鶴酒造」。
豊乃鶴酒造の母屋が、平成11年に国の登録有形文化財に登録されている。また、赤レンガの煙突や酒蔵、元精米所も平成23年に国の登録有形文化財に追加登録された歴史深い建造物。
豊乃鶴酒造は1781から88年頃に創業し、明治時代に現住所に移動しました。 現在蔵を構える大多喜町は、緑豊かな自然に囲まれ、伝統が根付いた町です。格子戸と蔵造りの家屋など歴史的な面影を色濃く残し、ドラマの撮影にも度々利用されています。
昭和5年の鳥瞰図に載っている母屋を間近で見ることができるのは幸せ。
城下町通りの名もなき建物
城下町通りの名もなき建物たちも記録しておこう。角には庭内無料休憩所。昔は骨董を扱う陣屋というお店が奥にあったらしい。
城下町通りは蛇行しながらメイン通りへ。
営業していなくても、建物が残っていれば想像することができるので楽しい。
覗いてみたら、ロッテの看板が。「井上菓子店」だったことが判明した。
向かい側の建物は、鳥瞰図では「浅久呉服店」とある。前は銅板だったが、茶色に塗り替えられたようだ。
ここから先は見所が多いので、次回の記事で。
引き返し、城下町通りの裏道へ。裏道の入り口にある建物は鳥瞰図から元書店と推測。
その先にある「三上写真館」も鳥瞰図に描かれている。
老舗が残っている大多喜の街。名もなき建物からも歴史を知ることができるので一つ一つが見逃せない。
(訪問日:2021年3月)
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こんにちは
>建物の裏にちらっと見える、洋風な建物
>要塞みたい
私は2018年に大多喜を訪ねたんですが、この建物、別の位置から見るとパラペットを立ち上げていて、洋風の蔵みたいですね。
洋風の蔵ですか!素敵ですね~今度は別の位置から見てみます!