習志野”陸軍御用達商店”京成大久保の老舗時計店、精肉店を探る -京成大久保⑾

習志野”陸軍御用達商店”京成大久保の老舗時計店、精肉店を探る -京成大久保⑾

習志野市の大久保の街は以前にも紹介したように、軍郷として知られており、現在も老舗が残っています。

今回は、ある展示会で見た資料をもとに、以前紹介しきれなかった老舗を紹介する予定です。

習志野市大久保の昭和の資料

昭和3年、松井天山が描いた津田沼町の鳥瞰図の裏に、鳥瞰図に掲載されたお店の名前が記載されている。これらのお店は鳥瞰図に掲載するための広告料などを払っていると聞いたことがあり、街中にあるすべてのお店が鳥瞰図に載っているわけではないという。そのため、鳥瞰図に載っていないからといって、営業していないとは限らないので注意。

昭和3年、1928年なので現在から100年近く前。

昭和3年

カテゴリーは、大久保、久々田・谷津、停車場通藤崎、鷺沼、御料理・旅館、特志家。

写真に黄色で囲っているのが、現在も営業しているお店。張替酒店、間中時計店、紅谷商店など…他にもあるかもしれない、見落としているかも。

見覚えのある名前も

追記:左上の「大和屋書店」は現在も営業中とのことです。

大久保の左の張替酒店に「陸軍御用達商店」と書いてある。

騎兵学校の模型

大久保は以前にも紹介したように、「騎兵の習志野」と呼ばれた街。大正5年、第一次世界大戦の頃に習志野騎兵学校が移設し、商店街は軍隊御用達のお店で賑わいを見せた。

京成大久保駅周辺の歴史。軍隊の街と商店街の「カフェ」の関係性 -京成大久保⑴

他の地域では見られない、馬具などの職業も多数。陸軍指定旅館もいくつか存在した。現在は廃業し、面影もないが、現在も営業しているお店が数軒あるので歴史好きな方にぜひ訪れて欲しいと思って記事を作成した。

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張替酒店

千葉県習志野市大久保1丁目9−8。御成街道沿いに面した木造二階建ての建物が印象的な軍御用商店。こちらは大久保の歴史に触れる方は必ず訪れてほしいお店。

明治38年(1905)創業。現在の建物は昭和6年(1931)に建てられたもの。

騎兵隊の方々がよく利用していたエピソードが残る老舗酒屋で、現在は4代目の方が引き継ぎ、趣のある店内は必見です!以前詳しく取材したのでご覧ください→「張替酒店」明治創業、軍隊御用達の老舗に残る昭和初期の洋館付住宅 -京成大久保⑿

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マナカ時計店

千葉県習志野市大久保3丁目12−21。おおくぼ商店街の北側、旧騎兵学校の近い立地にある時計店「マナカ時計店」。

マナカ時計店

先ほどの資料には「時計商」と書いてある。当時、時計店は重要な存在であった。

SEIKO 看板

正確な時間を知るために。現在のようにスマホが無かった時代、腕時計が必須。そして、壊れたりしたらすぐに直してもらわなければならない。そのため、商店街には数軒時計店があったという。

マナカ眼鏡部

マナカ時計店は数少ない陸軍御用達店の名残として、知る人ぞ知る名店。以前新聞で取材されていたのを見たことがあるが、店主はかなりの腕利きで、時計を直したい人が訪れている。

外観

店内には歴史を感じる金庫も。

店内にある金庫

さすが陸軍御用達店。この金庫はいつ頃の製品なのだろう?

時代を感じる

撮影は許可済みです。

東京金庫製?と書いてある

店主は高齢なので閉店するのではと心配なお店。お客さんもあまり見かけないし…
今回は、覚えている範囲で大久保の商店街のお店を教えていただきました。もう何十年も前の話なのに、記憶が鮮明でお話が楽しかったです。

めがねの暖簾

最後に記念撮影もしました!

楽しい時間でした

現在も営業中のマナカ時計店。お困りのことがあれば皆さんもぜひ!

外観
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紅谷商店

千葉県習志野市大久保1丁目29−9。商店街の真ん中あたりを東西に伸びる県道69号、御成街道沿いにある精肉店「紅谷商店」も老舗。

御成街道

遠くから見ると看板建築のように見えるな…

先ほどの資料には「陸軍御用朝鮮牛直輸入販売」と書いてあった。

現在の紅谷商店

現在も営業中だが、注文してからカットするらしいので店頭には少なめ。企業向けに卸している製品の方が多いのかもしれない。

営業中

商店街からは少し離れた場所なので、気にしていないと素通りしてしまうかも!?

店頭

また、昔の地図を見ると紅谷牛舎が南側の広がっており、現在の住宅街の辺りも敷地だったことがわかる。

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広田米店

同じく御成街道沿い、西側の張替酒店の向かい側にある「広田米店」へ。

広田米店

なかなか米店に話を伺う機会が無いなと思っていたところ、米を買う用事があったので母と入店。どのお米が美味しいのか、お店の方と相談しながら購入できるのは個人商店の魅力。

価格表

訪問したのが2021年3月頃だったので随分前の話になってしまうが、ちょうどその頃、習志野市とd払いのコラボが行われており、加盟店に登録してみたという話に。

ペイペイで払うと50%還元されるというので、若い人もこれを機会に訪れるようになったと喜んでいた。

ペイペイのキャンペーン

お米屋さんって話しかけづらいイメージがあったが、店主の男性はとても穏やかな人で大久保の歴史について教えてくださった。「今度はお茶をしにおいで!」とまで言ってくださったのは嬉しい。

店内の様子
お米の販売

新型コロナウイルスの影響で学校給食、飲食店へ卸す量が減ったので大変だと仰っていた。少しでも力になれると良いなと思って購入。

購入~

以前は西側、順天堂大学習志野キャンパス(現パークグランディエデナ ガーデンコート‎)があったため、御成街道沿いにも飲食店などが多数存在し賑わっていたという。

元中華料理店

昭和63年に現在地に移転。習志野騎兵隊当時の木造建築、兵舎がそのまま利用された校舎だったとか。マンションには現在も門柱が残っている?というので今度確認しに行かなければ!→昔、むかし、その昔・・・・

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元銀行の建物を再利用?

最後に、そこまで年代ものの建物ではないけど元銀行と聞いた建物を紹介。

商店街の中心辺りにある交差点の角、さくらビル。

さくらビル

かつては銀行として使われていたという。現在営業しているジンギスカンのお店が、金庫内でお食事ができるというキャッチコピーを謳っているのは当時の名残を見ることができるのかもしれない。

 

(訪問日:2021年3月)

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