大原の近代建築。木戸泉酒造「ギャラリー泉(旧千代田生命)」 -大原⑺
今回は、大原駅から近くに残る近代建築。「木戸泉酒造」の隣と正面に2つの建物が現存しています。どちらも文化財登録はされていませんが、必見です。
インテリアショップ木戸
千葉県いすみ市大原7635−1。外房線「大原駅」から北へ徒歩5分ほど、「木戸泉酒造」の隣にある二階建ての白い近代建築。
なんてモダンな建物なのでしょう…正面と横で庇の高さが違っていて、角度によって表情が変わる。中央のガラス看板も存在感がありますねえ…
入り口も木製の扉が残っており、趣深い。現在は「インテリアショップ木戸」の店舗として利用されているようだ。
裏側を除くと立派な瓦屋根…手前だけ看板建築のようにコンクリートで覆っているのかな?
隣は「木戸泉酒造」。明治12年創業、入口には大きな杉玉と煉瓦造りの煙突が歴史を物語っている。
今回は探索の途中に持ち帰ることができなかったので、日本酒はまた別の機会に…!
隣の建物の外観、よく見ていたら「株式会社木戸」の文字が2階の中央に描かれている。
ガラス看板には、かつて「木戸の醤油」と描かれていたらしい。薄れてしまい見えなくなっているのが残念…
2014年のストリートビュー
酒だけでなく、醤油も造られていた時代があったのかな。
ギャラリー泉(旧千代田生命)
木戸泉酒造の向かいにある建物は、昭和4~5年頃に建てられた木造建築とのこと。千葉県立現代産業科学館の「千葉県近代建造物実態調査報告書」にまとめられている。
現在は「ギャラリー泉」として保存されているが、元々は「旧千代田生命社屋」だった建物だそうで、その後、専売局、1989年に一部焼失し、1991年に改装して「ギャラリー泉」として再生したとのこと。
元銀行のような佇まいだが、旧千代田生命社屋。日本橋兜町にあった建物をモデルに設計したらしいが、そのモデルの建物は現在存在しないだろうな…
一部焼失とあるが、どこが焼失してしまったのだろうか。1階の窓が完全に塞がれているのが気になるが…
建物内は入る事は出来なかった。詳しくは、木戸泉酒造の方に今度伺ってみよう。
追記:地元の方より
ギャラリー泉の火事自体はボヤのレベルだったと思います。 1階部分の窓を埋めたのは最近の話で、中は以前絵画展で入ったことがあります。 改装で板張りのスペースになっていましたよ。ボヤは建物裏の炊事場が燃えたそうで、ギャラリーになっている部分は全く被害がなかったそうです。
(訪問日:2021年9月)
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