昭和初期築「日本キリスト教団上総大原教会」、駅前の源氏食堂は閉店 -大原⑷

今回は再びの大原駅へ!大原駅周辺、何度か立ち寄ったことがあるのですが、見逃していた近代建築を撮影するため、半年ぶりくらいに下車しました。まずは教会建築から堪能しましょう~
「源氏食堂」大原駅前は閉店
千葉県いすみ市大原。外房線「大原駅」で下車。駅を降りて南の線路沿いの道を歩いていると、レトロな薬局の広告看板を発見。たまらない…

大原警察署前の「備前屋薬局」の広告。大原警察署は現在無いが、備前屋薬局は駅の東側、伊南房州通り往還沿いに現在も存在するようだ。
ぜんそく薬、大草胃腸散、ぢとヒフ病…

そして、線路沿いの「源氏食堂」。ここは『孤独のグルメ』でも紹介されていた有名店だったが、2021年2月、ちょうど1年近く前に閉店となった。

精肉店が営む老舗の食堂。私も行きたいなと思っていた矢先に閉店してしまったので、大ショック…外観だけでも記録に残しておきたいと思い立ち寄った。

行きたいと思ったお店は、行ける時に行かなければ…
大原駅前には昭和元年創業の「ふじや食堂」も営業中なのでぜひ。

踏切を渡って大原駅の東側の地域へ。

こちら側へ行くのは初。

県道175号から奥に見えた二階建ての建物が気になった。現在は個人宅のようだが、元病院では?

特に注目したのが入り口の柱。そしてタイル。普通の民家にしては凝った外観ではないか…窓も多いし、部屋数も多い気がする。旅館や病院かな。

踏切を東へ進んだ県道175号沿いにも商店がいくつか並び、昔は商店街だったのかなと思われる。松戸酒店のコカ・コーラの看板が味わい深い。

こちらは、干物などの製造販売を行っている水産会社。看板はあるが現在も営業しているのかは不明。

隣は自転車屋さん。

今回は行かなかったが、さらに東へ行くと大原漁港、八幡岬にたどり着く。駅周辺とはまた違った風景があるので、今度は海側まで足を伸ばしたいと思っている。今回は次に紹介する教会が見たかったのでここまで。

日本キリスト教団上総大原教会
千葉県いすみ市大原9696。県道から少し南側へ入ったところにある、「日本基督教団上総大原教会」。近代建築として有名なので一目見たくて訪れた。

外観は上から新しい壁で覆われているが、元々は下見板張りで木造平屋の教会建築。
「千葉県近代建造物実態調査報告書」に詳しい。昭和6年の竣工、昭和30年代に火災で焼失し現在の形になったとある。

内部は外観よりも保存状態が良好らしく建設当初の姿を良くとどめているらしい。この日は開いていなかったが、いつか見てみたいな。


入り口。改装はされているものの、レトロな照明が素敵。

2014年頃は木製の扉が健在だった。
先ほどの資料によると、「幼稚園を併設し、竣工当時より礼拝堂が遊戯室として使用されている。」とある。現在は見当たらないので、昔は裏手に幼稚園が存在したのだろうか。
茂原の教会とは違って、国登録有形文化財には登録されていない教会建築。
大原には改めて、名も無き近代建築が多いなと感じた。
追記:地元の方より
教会の横、お墓の前に園舎があったそうです。
(訪問日:2021年9月)
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