大原の酒蔵「木戸泉酒造」『わくわくぞくぞく! 木戸泉バル』試飲会参加 -大原⑼
- 2023.12.12
- 醸造所(酒・味噌・醤油など)
- 千葉県, 江戸時代, 老舗, 近代建築

いすみ市にある「木戸泉酒造」へ。千葉県内の酒蔵巡りをしている私ですが、まだまだ全制覇とはいかず地道に巡っています。
2022年夏。木戸泉バルという『わくわくぞくぞく! 木戸泉バル』イベントが開催されていたので参加してきました!
いすみ市「木戸泉酒造株式会社」
千葉県いすみ市大原7635−1。最寄り駅は、JR外房線「大原駅」。西口から北へ徒歩数分の街道沿いにある酒蔵「木戸泉酒造株式会社」。大きな杉玉が目印。

明治12年(1879)創業。現在5代目。
ホームページによると、屋号が「木戸」で酒を表す「泉」で銘柄を「木戸泉」としているそう。元々は酒造は新規事業として始めたようだ。そして商号も今とは違っていた。
明治12年 初代が醤油、味噌、食品等のの卸、塩の元売り、漁業等の事業に加えて酒造業を始める。当初の商号は「泉藤」。
その後、茨城県に「藤泉」というメーカーがあり紛らわしいとのことで、現在の「木戸泉」に改める。
昭和 7年 二代目が家業を受け継ぐ。各事業を親族や従業員に暖簾分し、酒造業と漁業権のみを継承。
昭和14年 三代目が27歳という若さで家業を受け継ぐ。終戦後、漁業権を大原漁業組合に譲渡し、酒造業に専念。
昭和27年 株式会社として発足。
平成28年に新しく5代目の方が継ぎ、SNSやイベントなど新しい取り組みが行われているが、県内の酒蔵も昔に比べると減少しているのが現状ではある…
若い世代、私も含めて飲酒量が少なくコロナ禍でさらに減少している。しかし、その分クラフトビールなどこだわりの一杯にお金は惜しまない人も多いので、酒蔵のこだわり、魅力をもっと発信して若い世代にも親しみが持てるように私も伝えていきたい。
また、隣接した建物も近代建築好きにはおススメで以前まとめた記事↓
https://deepland.blog/oohara-syuzou/
そして今回はイベントが木戸泉の敷地内で開催されているので普段は入ることが出来ない?主屋も外から見学することができた。もちろんお酒目当てではあるが、近代建築好きとしてはこちらの建物も一目見たく…

創業の明治期から変わらない主屋かな…立ち入り禁止。昭和時代の包装紙やポスターも展示されていた。

通常も酒蔵見学は行っておらず、蔵内併設売店があり試飲しながらのお酒の購入が可能。年に一度3月か4月頃に酒蔵開きを行っているそう。興味がある方はぜひ。※新型コロナウイルスの影響で変更可能性あり
わくわくぞくぞく! 木戸泉バル(2022年7月)
2022年7月17日。木戸泉酒造の敷地内で開催された「わくわくぞくぞく! 木戸泉バル」。房総特急「しおさい」「さざなみ」運行開始50周年と木戸泉アフスの発売開始50周年にちなんでコラボ開催されたイベントということで、県内のJR駅構内にて告知を発見。
このたび、房総特急「わかしお」「さざなみ」運行開始50周年と、木戸泉酒造㈱の代表作日本酒「afsア フ ス」発売開始50周年を記念して「わくわくぞくぞく!木戸泉バル」を開催します。当日は、10種類の日本酒「afs」からお好きなものをお選びいただき、飲み比べをお楽しみください。また、より多くのお客さまにご参加いただけるように「第1部」と「第2部」の2部制といたしました。日頃、房総特急の運転士・車掌として乗務する社員が、木戸泉酒造㈱の自然醸造にこだわった「旨き良き酒」を、
お客さまにも味わっていただきたいという想いをこの企画に込めています。この機会にぜひご参加ください!
2部制で各部100名ずつの定員。参加費用は一人4000円だが、試飲チケット15枚とおつまみチケット5枚+お土産で盛沢山の内容でした。

ココがポイント
その1 木戸泉酒造㈱の日本酒「afs」の飲み比べ
日本酒「afs」は全部で 10 種類、お好きなものをお選びください。
その2 地元の美味しいおつまみ販売
お酒によく合う地元のおつまみ(地ダコ串焼き、乾物等)が購入できます。
その3 特急わかしお号をご利用の方にちょっぴりプレゼント!
当日、特急わかしお号をご利用の方にはちょっぴりプレゼントをご用意しています
特急わかしお号を利用している方も多く、大原駅前で待ち合わせてスタッフさんが木戸泉酒造まで案内してくれた。私たちは勝浦に一泊していたので利用していないが、東京から1時間ちょっとの移動時間でプチ旅気分が味わえるとあって多くの方で賑わっていた。(写真にお客さんは写さないようにしている)

そして、手前と奥に机が並ぶコーナーがあり、酒のケースが椅子というのも風情があって楽しい。
地元の美味しいおつまみも、試飲コーナーの向かいに沢山種類があり選びきれないほど。おつまみチケットも足りなくなったので追加で購入したり。
特にタコのお刺身が美味しかった… 大原でタコは美味しいと有名らしいが、こんなにとろける美味しさだとは…


10種類の日本酒から好きなものを選び、飲み比べ。説明書きもあるので初心者の方でも安心。

と言っても私も詳しくは無いので調べると、お酒の開発に携わった3名の頭文字から綴ったものだそうです。
◉木戸泉の看板商品
アフスという変わった商品名。これはこのお酒の開発に携わった3名の頭文字を綴ったもの。【a】安達源右衛門
新潟県住乃井酒造の先々代社長
【f】古川董
千葉県醸造試験場(現千葉県産業技術支援研究所)初代所長、当時の木戸泉技術顧問
【s】荘司勇
木戸泉酒造先々代社長名前も変わってますがその味わいも日本酒ばなれした新感覚!甘味と酸味が特徴的で日本酒よりは白ワイン?そんな感覚になる日本酒です。日本酒ビギナーの方にもお勧めの一本。

確かに日本酒というよりも熟成されたブランデーを飲んでいるような感覚で斬新。「ワインのような日本酒」という表現も納得… https://www.syokuraku-web.com/column/7166/


イベントの時間は2時間20分ほど。ちょうど良く、今回初めて会った周りの参加者の方々とも少し話したり。1つ1つの特徴を学びながら、古き良き酒蔵の建物を見ながら、同じく酒が好きな方と飲む時間は楽しく、大盛り上がりの会になりました。


曇ってたのにいつの間にか青空が。
くじらジャーキーをお土産片手に大原駅へ。たまにはこんな贅沢な休日もあって良いのかなと思う一日でした。

(訪問日:2022年7月)
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木戸泉は明治12年の創業当時は酒造業以外にアワビの潜水器漁業も営んでいて、明治18年に荘司藤吉、藤治郎父子が所有するアワビ潜水器船の潜水夫が運良くアワビが大量に採れる岩礁を大原沖に発見し、これは今でも器械根と呼ばれている。(房総のカジメとアワビで成った新財閥:崙書房)
しかし終戦後、漁業権を大原漁業組合に譲渡し、酒造業に専念。
器械根は今でもイセエビ、タコ、サザエ、アワビなどが採れる根なので、譲渡は漁業組合としては有難い事だったと思われる。
現在アワビは過去の乱獲が祟って不漁だそうだ。
豊漁なら木戸バルではタコの刺身でなくてアワビだったのかな?