「新町通り」銚子街道沿いの宿場町として栄えた商店街 -小見川⑼
小見川、北側にある「新町通り」を歩く。この道は、千葉市と銚子を結ぶ銚子街道の宿場町として栄えたエリア。現在はひっそりとしていますが、面影を探して歩いてみました!
銚子街道「新町通り」
千葉県香取市小見川47。以前紹介した、明治創業の割烹旅館丸山からスタート。
丸山旅館の並び、元文具店らしき建物。
新町通りを黒部川方面へ進む。駅前も閑散としているが、新町通りはさらにひっそりとしている…車通りも少ない。
右手にある谷屋呉服店。こちらは土蔵が国登録有形文化財で、現在見学ができるので次回の記事で詳しく紹介予定。
店舗の右側にある門も良い雰囲気だな~
呉服店の並び、駐車場を囲むように建つ壁が気になった。これ、建物は解体されたけど、壁だけ昔のまま残っているのではないか…
2012年、ここは新町通商店会の無料駐車場だったようだ。
壁は奥に続いている。昔の住宅地図を探して、この場所にどんな建物があったのか調べたいな~
新町通り商店街
新町通りの左側、かろうじて昔の街灯が下半分だけ残っていた。「新町通商店街」とある。新町通商店街の唯一の名残だ…
現在の新町通商店街。営業しているお店はほとんどない…ここが銚子街道沿いの宿場町として古くから賑わっていたとは想像もつかないな。
2012年の時に営業していた金物店「ホスミ」。閉店したようだ。
右側手前から、衣料品店、旭旅行店、旭チャームストア(化粧品店)。
交差点の角にある六葉は元飲食店?地元の方々が談笑していた。
六葉のそばには川沿いに民家が並んでいる。かつては、この大橋脇に旅館などがあったらしい。
六葉の反対側、北側の川沿いの細い道。こちらの左手は既に解体されていて空き地。
少し進むと川沿いに並ぶ古民家の姿が。板で覆われているが、軒下の照明から古い建物であると確信。
さらに2012年のストリートビューを見ていたら、奥に古い倉庫らしき建物があった。看板から文字が消えているのでよくわからないが今は無い。
黒部川沿いの木造建築
黒部川に架かる大橋。
香取市のPDF「小見川の町並みと祇園祭に見る歴史的誘致」によると、
大橋脇には油屋旅館、その対岸の河口寄りには林屋旅館といった旅館があった。
しかし、残念ながら小見川は明治13年(1880)、明治20年、21年の大火によって多くが焼失してしまったらしい。
町並みとしては多くは残っていないが、かつての面影を想像しながら歩くと充分楽しい。佐原のように観光客もいるわけではないので、のんびりと歴史を感じる建物と向き合うことができる。
新町通りから大橋を渡った目の前にある建物。小見川で一番印象的だった。
現在は完全に戸も閉まっていて使われていない様子。しかし、この無言の建物から何かのパワーを感じる。素晴らしい建物だ。
2階建て。川沿いに建つ立派な建物は元旅館では?と想像した。2階からの眺めも良さそうだ。
2012年で既に現在と同じ様子。綺麗に保存されているのは嬉しいが、元々どんなお店だったのだろうか。大橋脇にあったという「油屋旅館」なのだろうか?
大橋一帯の銀座通りには、かつて何軒もの大きな料亭が立ち並び、大勢の芸者さんが出入りしていました。(小見川散歩MAPより)
花街の面影としてこの建物が紹介されているので、元料亭?文化財登録などはされていないが、放置されているだけだとしたら勿体ないくらい素敵。調べてもあまりネットに載っていない…
隣は更地になっていたので、この建物もいつまで残っているか不安になってきた。
黒部川沿いの弁天宮
黒部川を北上する。
川沿いから西側の住宅街にも街灯があるので、商店街?川沿いを歩いた後に歩くことにした。
川沿いの道に面して奥まった場所に蔵が残っていた。手前のお店の建物は取り壊し、蔵だけ生き残ったようだ。
蔵の入り口が開いているのが心配…老朽化も甚だしい。
川沿いで気になった建物。米のポスターが見えるので米屋さんだろうか?
青銅の戸袋が美しい…
また、建物の隣には水神社があった。この風景、後世にも伝えたい…
さらにその先には、弁天宮の説明看板。
松尾芭蕉の句碑から、弁天宮は江戸時代文政末から天保初期に建立されたと考えられているらしい。詳しい説明があるのは有難い。
弁天宮の先には新開橋。橋を渡ると、くろべ運動公園や小見川スポーツコミュニティセンターなどが見えてくる。
また対岸にも水神宮が見える。水神をまつる神社が点在しているのも、小見川らしい。
黒部川から分岐した小川沿いを歩いて西へ。現在もボートがあり、かつての水の都の面影を感じるような…
とりあえず小川沿いを歩いて、1周しようと思ったら、国道の手前にウナギ料理店、割烹春本の建物が見えた。川沿いにある割烹って…歴史がありそうだ。
創業は昭和29年、現在の若女将で3代目になる老舗割烹だという。建物はそんなに古く無さそうだが、地元の方に人気があるお店のようだ。
(訪問日:2021年7月)
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明里さん、こんにちは!
いつもブログや Instagram を拝見しています。 何度も読み返したくなる記事ですよね。ホントにこのような活動をしてくださり、ありがとうございます!
2年前の記事なのですでにご存知かもしれませんが…。もしご存知なかったら参考までにと思い、情報を提供させていただければと思います。
・六葉(ろっぱ)は、かつて定食系の飲食店でした。ここの路地は通学路でもあったのですが、店角にショーケースに、日本ならではの食品サンプルがいくつか展示され、いつも美味しそうだなと子供ながらに見つめていた記憶があります。
・そしてこの六葉を道路挟んだ向かい側に建つのが「油屋旅館」でした。もうだいぶ前に閉業されたようですが、大橋を渡った対岸側からは「油屋」の看板の文字が大変目立っていた記憶があります。かつて小見川駅裏が花街だったことや、油屋旅館のそばには黒部川のダシがあったことを考えると、かなりアクセスが良くランドマーク的な旅館だったのではないかなと思いました。
・ちなみにホスミスポーツはわたしの幼なじみの実家です(笑)おじいさんの代から創業し、今は幼なじみのお母さんが後を継いでいます。地元の小学校や中学校の体操服やユニフォーム、スポーツ用品を卸しています。
・丸山旅館のとまりの元文具屋さんのような店は、おっしゃるとおり文具店でした。「鈴木紙屋」という名前だったかと記憶しております。すずかみ という愛称で知られ 地元でもとても愛されていましたね。
取り急ぎ思い出したのは、こんな感じです。
明里さんの活動のサポートになれば嬉しいです!
これからも応援しております。