野田「野田醤油発祥の地碑」と文化財「キノエネ醬油」の近代建築、直売所オープン!

野田「野田醤油発祥の地碑」と文化財「キノエネ醬油」の近代建築、直売所オープン!

今回は、商店街の裏にひっそりと佇む「野田醤油発祥の地碑」と合わせて、国登録有形文化財に登録されているキノエネ醬油の建物を見に行きました。

「野田醤油発祥の地碑」本町会の裏

千葉県野田市野田688ー10。流山街道である「野田本町通り商店街」。この商店街については、以前歩きました→「野田本町通り商店街」”近代化産業遺跡のまち”商店街を歩く -野田⒄

野田本町通り商店街

野田を探索するのは、この日で4回目ほど…既に20記事以上あるのですが、まだまだいけてない場所があるので野田の記事は続々更新されますよ~

寝具のヤマダ、文字が良いな

今回の目的地は、本町会の裏にある。

現在は閉業している、自転車の専門店「アライサイクル」の店舗の裏を覗いてみると…

元自転車屋さん

少し奥まった場所に、鳥居と碑が建っている。以前は知らなかったので素通りしてしまっていた。正直、商店街沿いには看板は無いのでひっそりとしている。

野田醬油発祥の地碑

史跡由緒に、ここがなぜ野田の醤油発祥の地とされているのかが分かる。

この地に室町時代永禄年間に飯田市郎兵衛家が始めて野田で醤油を醸造した飯田家亀屋蔵の遺跡である
昭和四十六年一月二十七日の山車文化財に指定されている

野田醤油発祥の地由来

飯田家の亀屋蔵がこの場所にあったのだという。現在は奥はマンションになっていて面影はない。

野田市のホームページに詳しく歴史がまとめられている。亀屋蔵というのは、工場跡を指すのですね!

野田で醤油作りが始まったのは、伝承によれば永禄年間(1558から70)に飯田市郎兵衛の先祖が甲斐武田氏に溜(豆油)醤油を納め、川中島御用溜醤油と称したとされていることから、野田市において最も古い醤油醸造は飯田家と言われております。
その旧飯田家の工場跡(亀屋蔵)に記念碑が残されています。
しかし、近世の野田の醤油が商品化されはじめるのは、寛文元年(1661)に髙梨兵左衛門が醤油醸造を開始してからと考えられます。

古くから、醤油が野田の産業の中心であり、醤油醸造家によって野田の町は発展してきたといっても過言ではないという。

明治32年(1899)、野田人車鉄道の設立、明治33年(1900)、野田商誘銀行の設立、また、明治44年(1911)、千葉県営鉄道の開通、大正3年(1914)、野田病院の設立や大正12年(1923)には水道施設の敷設等…

その醤油の歴史がこの裏辺りから始まったと考えるとしみじみするなあ。

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国登録有形文化財「キノエネ醬油」

そして、醤油関連でキノエネ醬油の建物を見学に。醤油発祥の地碑の北側の通りにある。

キノエネ醬油㈱

天保元年(1830)創業のキノエネ醬油㈱。野田に存在した醤油工場は、共同出資によってキッコーマンを設立したが、現在まで唯一独立を保ってきた醸造工場とされている。

黒板塀が情緒を感じる

長い黒板塀が奥まで続く。

2020年8月、野田市中野台字久保之内157にある「事務所兼主屋」「旧火入れ場及び変電室」の2軒が国登録有形文化財に登録された。

事務所は、明治30年築、主屋は明治36年築。旧火入れ場は大正10年築で、関東大震災前、さらに市内で最初期の鉄筋コンクリート造だそうだ。貴重!

下の写真、右側がキノエネ社屋、左側に旧火入れ場と変電室がある。旧火入れ場と変電室は門の奥にある建物なので、外からはなかなか撮影できない。

奥に見える白い建物が、大正期の鉄筋コンクリート造3階建ての旧火入れ場。窓を遠くから見ても古さを感じる。

キノエネ醬油㈱入り口

「文化遺産オンライン」に載っている写真を見ると、洋風な応接間が現在も使われている。外観とのギャップが素敵。

「千葉県の近代産業遺跡」のページに、びっしりと詳しくまとめられている。

様々な年代の建築と設備があり,最古のものは本社社屋で,敷地の東南隅に位置し,西に面して建つ。建物は1897(明治30)年に社主の住宅として建設され,町家風の主屋と離れの二つの部分から成り立つ伝統的木造建築である。主屋は2階建て切妻造,棧瓦葺,正面1階に廂付きの建物である。妻側は道に面している。内部は,事務所に利用するために,改造されており,また,殆どの間仕切が取られている。裏の離れの部分も2階建てで,屋根は入母屋造の形式になっている。1階は改造が多いが,2階には座敷が残っている。明治時代のキノエネ工場の全体的な様子は明らかでないが,「千葉県博覧図」のなかに見られる,社主の住宅と並んで建つ土蔵群と作業場から成り立っていたと思われる。

増築された主屋

社屋以外には,明治時代の建物が残っていないが,古い道具類はかなり残っており,その多くは野田市「もの知り醤油館」に保管されている。また,明治,大正,昭和初期に造られた巨大な杉材の桶が現在でも使われている(乾燥させると利用できなくなるため,常に使い続けている)。

野田市「もの知り醤油館」は、キッコーマンの野田工場内にある博物館。令和元年9月から施設改修のため、休館中。再開したら行きたい。

道を挟んで両側に工場があり、醤油の香ばしい香りに誘われる。

しかも!2022年6月6日に本社屋直売所コーナーがオープンしたらしい。私が野田を訪問した後だ…

向かいにある工場

本社屋にも入れるってこと?貴重な資料もみることができる!!

でも、土日祝日が休み。社会人にとっては死活問題だ…ショック。
営業時間は9時~12時、13時~16時とのこと。皆さんぜひ。

キノエネ醬油のホーロー看板
至る所に

テレビでも紹介された、白ポン酢なども販売しているらしい。平日稼働できる方はぜひ……

 

(訪問日:2021年10月)

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