「旧野田商誘銀行(現:千秋社)」語呂の響きが良い元銀行建築。野田の近代化産業遺産 -野田⑽

「旧野田商誘銀行(現:千秋社)」語呂の響きが良い元銀行建築。野田の近代化産業遺産 -野田⑽

野田市駅周辺を代表する近代建築「旧野田商誘銀行」の建物を紹介。

2007年に経済産業省の「近代化産業遺産群」としても選ばれている野田市駅周辺の歴史的な街並みは、近代建築が好きな方にとっては楽しめる場所だと思います。

近代化産業遺産

野田市に現存する建物などが、2007年、経済産業省の「近代化産業遺産群33」の醸造業に関連して取り上げられている。2か所に分散しており、東武野田線野田市駅から流山街道約1㎞の範囲と、駅から約3㎞ほどの距離にある江戸川の近くにある。

今回扱う「旧野田商誘銀行」は東武野田線野田市駅から徒歩で探索に向かうのが良い。
その途中にも、茂木本家美術館、第一給水塔、キッコーマン本社など、広くない範囲内で野田の醤油産業の歴史を感じることができる。

旧野田商誘銀行

旧野田商誘銀行は、千葉県野田市野田、流山街道沿いにある。東武野田線野田市駅からも徒歩10分ほど。野田市駅から西へ進むと流山街道が見えてくる。

流山街道

この建物は大正15年に完成したもの。明治33年に設立された「野田商誘銀行」本店として利用されていた。

ここで気になった方もいるかと思うが、商誘という名称。もしかしてと思って調べてみたところ、やはり!

醤油の語呂にちなんで名づけられたのだとか。銀行を設立した設立委員会のほとんどの方が醤油醸造家だったため、自然の流れだったのでしょう。

その後、野田商誘銀行は「一県一行主義」といった金融統制が強化された影響によって昭和19年に千葉銀行と合併した。

そして昭和45年まで千葉銀行野田支店として利用され、現在は清水公園を管理運営している「千秋社」が使用している。そのため、建物の内部は一般公開はしていない。

清水公園

大正15年の野田を誇る近代建築

ここまでしっかりと銀行建築が残っているのは本当に珍しい。かつては街の中心部に存在していたものの、現在は建替えられているものが多い。

同じ千葉県では千葉市の千葉市美術館や、佐倉市の佐倉市美術館などが美術館として整備されている。

旧野田商誘銀行

2階建ての鉄筋コンクリート造り。外観はアールデコ様式となっている。

建物の側面には事務所の入り口。

側面
脇道は奥に続いている

入り口や窓のシャッターは閉まっていた。

シャッターが閉まっていた

平成19年度、近代化産業遺産のプレートも確認。

近代化産業遺産のプレート
会社のプレート
柱の装飾

なぜ、ここまで状態が良く残っているのか、とても不思議なくらいである。流山街道があまり再開発されることなく、当時の様子を残しているからであろうか。

下から見上げる
細かい装飾

現在見学は行っていないようだが、内部も当時のままなのかとても気になる。

中村商店

角にある「中村商店」の建物と倉庫も古いのではないかと注目した。

中村商店の倉庫

中村商店は石炭・肥料の販売を行っていたようだ。現在は、角にあった建物は取り壊されて駐車場に。裏にも蔵があるのが見える。母屋は残っているようだ。

駐車場に

駐車場になったことで、煉瓦の壁が露わに。とても貴重なものを見た。

煉瓦の壁

野田に来たら、「旧野田商誘銀行」の建物は必見。野田はあまり知名度が高くなさそうだが、かなり多くの遺産が残っており、1日観光するにはぴったりの場所だと感じた。

 

(訪問日;2020年9月)