「野田市郷土博物館」文化財登録・山田守氏設計した唯一の博物館 -野田⒂

「野田市郷土博物館」文化財登録・山田守氏設計した唯一の博物館 -野田⒂

2021年10月、国登録有形文化財に登録された「野田市郷土博物館」。博物館が有形文化財に?!

野田市には文化財が多数ありますが、今回紹介する博物館も忘れずにチェックして欲しいです!

野田市郷土博物館

千葉県野田市野田370−8。「野田市郷土博物館」へ。
「野田市市民会館(旧茂木佐平治家住宅)」の隣に博物館があるのは知っていたが、今まで入ったことが無かったので文化財になると聞き、見学してみようと思った。

外観はよくある郷土博物館の雰囲気なので、まさか国登録有形文化財に登録されるとは思ってもいなかった。びっくり。

野田市郷土博物館

野田市のホームページに施設の紹介がある。

昭和34年(1959)、県内に初めて造られた本格的な博物館です。主な展示・収蔵品は、醤油関係資料、郷土に関する歴史民俗資料などがあります。
なかでも、醤油関係の資料の豊富さは他に例がなく、全国的にもユニークな博物館として知られています。展示室は2階建ての吹き抜けの構造になっており、1階は企画段階から市民の皆さんに参加していただく企画展として市民公募展や市民コレクション展、学芸員の調査・研究成果を皆さんに還元する特別展が開催され、2階は醤油関係資料が常時展示・公開されています。

昭和34年、今から60年近く前に千葉県内で初めて本格的につくられた博物館だという。初めてできたのが野田っていうところにも野田の歴史深さを感じる。

正面入り口

設計は、京都タワーや日本武道館などの建築家として知られる山田守。外観は正倉院の校倉造りをイメージした鉄筋コンクリート造2階建だという。

野田市内では52件目の国登録有形文化財の登録。おめでとうございます!

入り口のガラス戸に描かれた、野田市立郷土博物館の丸っこいフォントも素敵…薄い昭和ガラスがそのまま残っているのも感動した。

フォントも可愛い

野田市郷土博物館以外にも、山田守氏が携わった建築が野田市内にはあるという。→野田の山田守建築

(今回参考にした「学芸員コラム」、分かりやすく研究結果が報告されていて嬉しい。)

1つは、「野田市立第一中学校講堂兼体育館」。昭和30年に完成した木造平屋建スレート葺き。講堂兼体育館は、産物共進会など地域の行事の会場としても使用されていたが、昭和54年に改築された。

2つ目は、「北部小学校校舎」。昭和33年に木造2階建てスレート葺きの校舎が完成。平成6年に老朽化のため解体されている。

郷土博物館の館内

山田守に関する市内の他二つの建物が解体された現在、野田市郷土博物館は国登録有形文化財に登録されるに相応しい建築であることがわかる。

山田守の展示会
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博物館の展示

1階と2階の展示、野田市に関する資料が豊富で面白い。見学は無料。

特に気になったのは、昭和8年に作成された「商売繁盛双六」。

商売繁盛双六

野田町有名商店街買い物廻り。正月用の広告だという。戦前の広告は見ているだけでワクワクするな~

左側にはカフェーの広告も。

あと、新収蔵資料として船橋市に関する手ぬぐいが気になった。

手ぬぐい

「ふなばし 駅前魚市場 魚半」
昭和29年以降、金子寿司が贈答品として受け取ったものの一つ。開店当初、毎日東武野田線で船橋の魚市場まで仕入れていたそうだ。

現在、船橋駅前の魚市場も存在しないので貴重な資料である。

また、野田市郷土博物館のホームページを見るとデジタルアーカイブとして収蔵資料が掲載されているので自宅にいながら資料を拝見することができる。こうした取り組みが各地の資料館にも広がると嬉しいなと感じた。

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旧茂木佐平治家住宅も合わせて

資料館の後、隣接している「旧茂木佐平治家住宅」も合わせて見学した。以前詳しく記事にまとめたのでぜひご覧ください。→「旧茂木佐邸」ロケ地にも!大正13年建造の国登録有形文化財の美しい邸宅 -野田⑷

旧茂木佐平治家住宅

大正13年(1924年)に建設された邸宅は、ドラマや映画などのロケ地としても知られている。

季節によって異なる景色を魅せる美しい邸宅…

夏は涼し気

昭和ガラスの揺らめきが、太陽に照らされて美しい。ずっと見てられるなあ。

七夕飾りがあった

野田には魅力的な建物が大切に守られている。何度訪れても好きだ。

 

(訪問日:2021年8月)

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