京成西船橋「葛飾商店会」門前からの歴史。 歴史スポットを訪ねて
西船橋、今度は京成線へ。JR西船橋駅からも徒歩圏内で、乗り換えにも便利だろう。
京成西船橋駅前の「葛飾商店会」は歴史深く、昭和の面影が残る商店街だった。
京成西船橋駅が綺麗に
千葉県船橋市西船4丁目。京成本線「西船橋駅」である。大正5年(1916)に開業したときは「葛飾駅」という駅名だったそうだ。
以前、この辺りは東葛飾郡葛飾町だった。その名残として、葛飾小学校などの名前に葛飾の名前が残っている。
以前の駅舎は青い外観で、昔ながらの駅舎だった気がするが、現在はスタイリッシュな雰囲気になっていて驚いた。
船橋市郷土資料館にて、昭和10~12年頃の写真が展示されていた。足袋店などがあり、自然豊かな駅前だったことがわかる。
歴史深い「葛飾商店会」
京成西船橋駅から南北に伸びる商店街「葛飾商店会」。
My Funa「葛飾商店会/ 歴史に彩られた葛飾の地でさらなる発展を続ける」に歴史が紹介されている。
商店会は昭和42年に発足、当初は北方に位置する八坂神社の参道がルーツであったといわれる。八坂神社は江戸時代の享保年間(1716~)に疫病が大流行した際、多くの人を救った霊験あらたかな神様で、今でも7月下旬に行われる例祭は御神輿も繰り出し大変な賑わいをみせる。
八坂神社の参道がルーツだったという歴史が興味深い。江戸時代から門前として賑わっていたのだろう。駅北側の八坂神社は行くのを忘れたので、また行かなければ。コロナが流行している今だからこそ、行くべきかもしれない。
「船橋市商店会連合会」のホームページに地図が載っているのでわかりやすい。
脇道に昭和の面影が見えた。魚屋だろうか。
鮮魚店「魚善」。棚は魚屋だが、売っている商品がお菓子や調味料、飲み物など雑多なので商店に近いのかも。
西船橋周辺で一番昭和色が濃いお店だった。裏道にあるのがまた良い雰囲気。
表通りは道幅がとても広い。私の予想では、だいぶ前に道幅拡張されて建物が撤去されたのではと思う。
2018年頃まで木造の小さな建物が残っていた。すべて撤去され、道幅が広がったようだ。
葛飾商店会の南側の街灯。
古そうなお店は、千葉街道沿いにも少しだけ残っていた。
無線電信所道の石碑
千葉街道から「みずほ銀行西船橋支店」の北側の住宅街の角に、庚申塔の石碑が保存されている。壁に囲われていて、地域で大事にされているのがわかる素敵な場所だ。
私は手前の比較的新しい石碑が気になった。「無線電信所道」と書いてあるのだ。
右面に解説文があるのだけれど、読みにくい…以下のブログで解説されていた。
「従是北八百餘間至無線電信所
大正六年行啓ヲ奉迎ニ付國縣郡費補助ヲ受耕地會沿道民ノ寄附並村費等金四千餘円ヲ以テ葛飾村ニ於テ大改修工事ヲ施行セル記念ニ建之」とあります。
薄学での勝手な解釈だと、「この道標より、北に約1.5km行けば無線電信があります。
(この道標は)大正6年に天皇陛下のご訪問を迎えるにあたり国県群費の補助を受け耕地会沿道民の寄附並びに村費等を合わせ約4,000円の予算で葛飾村に於いて大改修工事を施行した記念に建立しました」
詳しい解説があったので助かりました。以前は千葉街道沿いにあったものを移築したみたいだ。
左は、東 船橋方面二至ル、西 市川方面二至ル
無線電信所とは、船橋市行田に存在した「船橋海軍無線電信所」。以前紹介したが、西船橋からも良く見えたのだろう。
とんかつ山道
今度は、京成西船橋駅の北側へ。線路沿いに昭和レトロな飲食店が目立っている。
とんかつ屋さん。豚のイラストがキュートだ。
地元の人からの口コミの評価も高い。準備中だったが、今度ランチで訪れたいな~
葛飾商店街の北側
葛飾商店会の北側へ。手前はバス停があり、広い道だが、奥は昔からの道幅のまま。
シャッターが閉まっているが、自転車屋と商店。道路拡張が進んだら、建物が撤去されるのではと心配だ。
セオサイクルの屋号から、「サイクルタナカ」として営業をつづけると書いてあった。
遠くから建物を見ると、ブリヂストンの昔のロゴが残っていて良い。
ゆるやかな上り坂。居酒屋や美容室が並んでいる。
葛飾小学校の向かい側にある元商店のような建物。勝手に想像するに、文具店とか駄菓子屋だったのかなと。
街灯は並んでいるものの、商店街の面影は少なかった。昔はもっと多くのお店が並んでいたのかな…
葛羅の井
葛飾小学校の西側。西船橋6丁目4-5。住宅街の中に、史跡「葛羅の井」がある。
船橋市のホームページに紹介されている。
葛飾明神の御手洗の井といわれ、平忠常の父忠頼の産湯を汲んだという伝説があります。文化9年(1812)、大田南畝によって書かれた「葛羅之井」と銘文が碑に刻まれています。
戦後、永井荷風が随筆『葛飾土産』で紹介したことにより、再び世に知られることとなりました。
私も前から知っていたので訪れたいと思っていたが、思っていたよりも小さく、奥まった場所にあるのでびっくり。
直径180mの井戸。昔はこの井戸の水脈が竜宮界まで通じているといわれていたらしい。
永井荷風が紹介したという話は興味深いな。西船橋は駅前についつい注目してしまうが、歴史深いスポットもあるのでまた訪れよう。
(訪問日:2021年2月)
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