「二宮神社」の参道。東国屈指の歴史を持つ?下總國二宮神社の参道を辿ってみたら -三山⑸

「二宮神社」。下総地方を代表とする「下総三山の七年祭」が行われる由緒ある船橋の神社。
神社の参道には古くからの建物が並んでいるイメージがあると思い、二宮神社の参道も辿ってみることとした。
成田街道から二宮神社へ
千葉県船橋市三山。
二宮神社へはJR津田沼駅からバス「二宮神社」行きが出ている。今回は、二宮神社までしっかりと歩きたかったので新京成電鉄「習志野駅」で降車。
南下し、国道296号、成田街道へ出た。「二宮神社入り口」のT字路がある。ここから二宮神社へ行けそうだ。その分岐には和菓子屋の建物があった。

ちなみに、成田街道周辺にも古くからのお店が並んでいた。元々、成田山新勝寺へと向かう参拝客で賑わった薬円台宿があった辺り。

今見つけるのはけっこうレア?なブルーチップの看板も!

二宮神社入り口からの道は、かつて成田街道を歩いていた旅人は二宮神社へ行くのであれば通ったであろう道。
由緒正しい二宮神社へ向かう道であれば、元々賑わっていたのでは?と勝手な推測を立てて歩いてみることにした。
二宮神社の参道?
地図を見てみると、二宮神社まで1.5キロ。20分ほどの道のりだ。住宅街のような何もない道かと思っていたら、古そうな動物病院の建物も見えてきた。

その向かい側には、古本買取の看板が見える気になる建物。

古本・文具。ファミコン…店名が覆われていてわからない!わくわくするお店だなあ。

調べたら「古書カンカン」というお店だった。閉業してしまったが、最近まではコミックカンカンと書かれた看板が見えたようだ。しかし、2010年のストリートビューを見ても閉まっているのでだいぶ前から閉業しているのかな。
住宅街が広がっているが、昔はもっとお店が並んでいたのかもしれない。

二宮神社の石碑
左に大きなスーパー、マルエイの姿を捉え、交差点で足を止めると、信号の傍に大きな石碑があった。

歩道が狭いのにさらに石碑が場所をとっている。よく今まで生き残ったなあと感心する。

交通量が多くて文面を把握できなかったが、確かに二宮神社の石碑だった。道標だろうか?
美容室、飲食店
そしてさらに道沿いに進む。

昭和の雰囲気が残る建物。ヘアーサロンと書いてあるが、電話番号は2桁なのでかなり古そう。

隣は「ワタナベ美容室う」。看板がおしゃれ。

中華料理屋のような建物。今は営業していなそうだ。

中華料理屋「福和」だった。夕陽に照らされノスタルジックな雰囲気だな。

奥に見えるのは居酒屋「竹」。

左折して二宮神社方へ。商店街とまではいかないがお店が密集している地帯。なんか古そう。

向かい側にも個人商店が並ぶ。もしかしたら昔は商店街だったのかな。

シャッターが閉じたままの看板建築も。

さらに進む。歩道が狭くなってきた。

蔦に覆われた茶色の建物!これにはびっくり!

そしてさらに進むとまた飲食店が見えてきた。

喫茶店「木の実」。もう営業していないのかな…

この辺りはバスロータリーなのか、道路がとても広くなっている。商店のような建物が残っていた。

二宮神社向かい側の飲食店ビル
二宮神社へたどり着いたが、向かい側にある緑色の建物が気になった。

居酒屋などが多い。参拝客に向けたお店だろうか。昭和を感じる。

外観は鮮やかな緑だが、昔は違う色だったに違いない。

その隣の3階建てビルも存在感強め。上階はアパートっぽいが。

1階には商店が入っていたのだろう。

二宮神社に近いからか、昔ながらの建物が残っている。ストリートビューで2010年の写真を確認すると、商店の向かい側にも居酒屋などが入る古い建物があったそうだ。

3階建てビルの横には理容室の屋根が。

飲食店を裏側から見てみる。

3階建ての方は廃墟なのか、かなり静かだ。

貴風園
さらに住宅街を進むと、古そうな平屋。

壁に「貴風園」と書かれている。これはなんだろう?

盆栽の展示会でも行われていたのかな。

ピーマンが100円で販売されていた。

近くにある住宅地図で確認すると、先ほどの商店は「三山商店」と呼ぶらしい。

下總國二宮神社
お待たせしました、二宮神社へ。

千葉県船橋市三山にある「下総国二宮神社」。平安時代、嵯峨天皇の勅命により創建された二宮神社。
三山は古くは「御山」と言われていたそうだ。

千葉県指定無形民俗文化財にも指定されている「下総三山の七年祭り」は、近隣の船橋市、千葉市、八千代市、習志野市の9神社が参加する大きなお祭り。
今年開催される予定だが、新型コロナウイルスの影響でどうなるんだろう。一度見てみたいな。
鳥居から参道へは谷を横断するように深い森の中を抜ける。

流れている小川は、習志野市の京成津田沼駅近くにある菊田神社へと繋がっているのだとか。

本殿は江戸時代、安永年間に再建されたもの。昭和53年(1978)に船橋市有形文化財に指定。

手水が綺麗になっている。

石碑
タクシー
二宮神社の隣にあるお城のような建物はタクシー会社だそうだ。

二宮神社へ参詣した方のための旅館とかは、なかったのかなあと個人的に思ったが見当たらない。

大久保方面へ
まだ続く。実は京成大久保駅方面への道の途中にも二宮神社の看板が出ていた。こちら側の方がしっかりと看板があるのでメインなのかな?

先ほど辿った参道とは反対側を進んだ分岐の辺り。

周辺にはかつて賑わっていたであろう建物。

曜日が昔の表記なのが珍しい。

たばこも取り扱っていたのだろう。昔のストリートビューを見るとコンビニエンス「あづまや」とかいてあった。

そば処「一茶庵」は現在も営業しているらしい。

中華料理屋「みやま」。京成大久保駅方面からの参拝客も多かったのかな。

二宮神社の参道を辿ってみた。
誰もこの視点では歩いている人はいなそうだ。だからこそ記事の価値があるのではないかと思っている。車で向かうのは楽だが、昔の人の気分で参道を歩いてみると案外発見があるのでおすすめです。
追記:『全国市町村便覧』より
『全国市町村便覧』(1949、全國教育圖書、361ページ)に二宮町の旅館の情報が載っている。(ランクは1が最も高い)
二宮町
5 杉本旅館
5 櫛田屋
6 田中屋
二宮神社周辺にいくつか旅館があったのではないだろうか。少なくても3軒確認できた。どこに存在したのか、追記していきたい。
(訪問日:2020年11月)
-
前の記事
「中嶋商店」レトロな駄菓子屋を辿ったら、今は無き小さな商店街「寿会」を発掘してしまった -三山⑷ 2021.03.02
-
次の記事
「馬橋駅前通り」明治31年に開設された馬橋駅前の商店街の現在は… -馬橋⑴ 2021.03.03
コメントを書く