文豪の街の「八重垣謝恩会」根津の商店街めぐり

文豪の街・根津。不忍通りに面した「八重垣町会」の商店を中心として商店街が「八重垣謝恩会」と名付けられている。
根津神社から西側に位置し、茶色のレトロな街灯が目印。
八重垣謝恩会
東京メトロ千代田線「根津駅」で降りて、根津神社の参道の反対側を見渡すと茶色の街灯が並んでいる通りを発見。

「八重垣謝恩会」とある。「八重垣(やえがき)」は旧町名の「八重垣町」から由来しているものである。現在は東京都文京区根津2丁目辺り。

つつじまつりや下町まつりなどイベントも開催されているようだ。調べていたら、11/3~11/30には「八重垣謝恩会スタンプラリー 文豪の街を歩こう」というイベントが開催されている。Facebookに最新情報が載っているので気になる方はチェック。

八重垣町は、かつて門前町とも呼ばれ根津遊廓も広がっていたことは前回の記事で書いた。そして様々な文豪のゆかりの街でもある。

古着屋のマネキン。スタイリッシュなマネキンに釘付け。古さと新しさが融合し、根津らしい風景が広がっていると感じた。

根津の看板建築
八重垣謝恩会の通りで一番見てほしいのが、この看板建築!

文字が外れてしまっているが「榊原商店」の建物である。根津周辺で残っている貴重な看板建築。明治28年創業の染物屋「丁子屋」の建物は取り壊されてしまっており、看板建築のみが新しい建物に挟まれて寂しそう。

「ぼくの近代建築コレクション」というブログに昭和62年の写真が載っている。どうやら榊原商店以外にも木造建築や看板建築があり、商店街の街灯も傘の大きなものが並んでいたようだ。
大正8年の建物がそのまま残っているのは凄い。いつまでこの綺麗な緑色を見ることができるか…
ギャラリー・マルヒ
看板建築とは反対側の細い路地が気になり、入る事に。

大きな柳の木と看板。ええ、何この場所…隠れ家みたい。

月曜日はこの商店街がお休みなのか、ここも閉まっていた。
「ギャラリーマルヒ」として展示会やイベント、ワークショップに使われている有名な場所のようだ。ホームページもある。
大正6年(1917)に建造された元質屋をリノベーションしたらしく、和室六畳間に隣接した「座敷蔵」が素敵らしい…見てみたい。

古民家をギャラリーとしてリノベーションし、新しく活用する試みがとても良いなと思った。根津にはこうしたギャラリーとしての再活用が多く感じられる。
ウサギノネドコ東京店・丁子屋
交差点を右折。住宅街が広がっているが、面白いお店も発見。あさの葉治療院の1階。何も看板は無いが…

「自然の造形美を伝える」をコンセプトにした「ウサギノネドコ東京店」というお店。鉱物や標本など美しいものが展示されていた。根津のオシャレなお土産に良いかも。
路地を覗くと下町感が残っている。

こちらは老舗の染物屋「丁子屋」。明治28年創業であり、最近まで築118年の古い建物が残っていたのだが2014年にリニューアルオープンしたようだ。

さらに注目したいのは旧町名・藍染町ということ。丁子屋はかつて藍染側が流れていた区境の通りにあり、染物屋が川で染めた布を洗っていたことが藍染川と関係していることを見ると、暗渠好きにもたまらない場所かもしれない。

丁子屋の前にあった川は、関東大震災後に暗渠にしたらしい。八重垣謝恩会、新旧が融合する素敵な通りであった。
(訪問日:2020年9月)
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