成東「山武市歴史民俗資料館」と「伊藤佐千夫の生家」を見学 -成東⑺

成東「山武市歴史民俗資料館」と「伊藤佐千夫の生家」を見学 -成東⑺

成東駅に降りたら行きたかった博物館へ!「山武市歴史民俗資料館」と「伊藤佐千夫の生家」を訪問しました。以前から気になっていた博物館では、郷土本の販売も充実していて楽しかったです。

山武市歴史民俗資料館

千葉県山武市殿台343−2。総武本線「成東駅」から海側へ徒歩15分。今回の目的地である「山武市歴史民俗資料館」へ。

山武市歴史民俗資料館

成東の中心街からは外れ、東金線を超えた場所にあるので静か。ゆっくり歴史と向き合うにはピッタリだなと思った。

近くには「伊藤佐千夫記念公園」へと向かう「野菊路」。

野菊路なるものが!
消防センターの右手が野菊路

館内は撮影NGだったが、伊藤佐千夫の資料がメインで1階・2階に展示品がある。

山武市教育委員会による「歴史民俗資料館 施設案内」を引用します。

当館は昭和47年に歌人・小説家伊藤左千夫の生家に隣接して建設されました。当初は成東町歴史民俗資料館でしたが、平成18年の町村合併により、山武市歴史民俗資料館と改称しました。資料館の奥に伊藤左千夫生家、茶室「唯真閣」、土蔵があります。資料館前庭には「牛飼いの歌碑」があります。
敷地内にはもとからあった樹木の他、短歌雑誌「阿羅々木」や「馬酔木」、小説「野菊の墓」にちなんで、イチイ(アララギ)やアシビ、ヨメナ(野菊)などもあります。
また、資料館前の「野菊路」300メートル程先には左千夫記念公園があります。

入館料:
学生、一般  1人140円  団体(20名様以上)1人110円
小、中、高生 1人 90円  団体(20名様以上)1人 60円

個人的に訪れたかった目的は、「成東館物語」を購入したかったからである。成東館は、成東に存在した鉱泉旅館…→成東「浪切不動尊」の懸崖造り。麓には鉱泉旅館「成東館」の歴史 -成東⑷

2002年に出版されたが、ISBNがついていないため、一般に流通していない。

成東館物語

山武市歴史民俗資料館で購入できることを知り、直接訪問。在庫はまだあるようだったので気になる方はぜひ。1冊1000円くらいだった。他にも気になる郷土本があったのでまた買いに行きたい。

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伊藤左千夫生家を見学

資料館の隣には「伊藤佐千夫生家」がある。

伊藤佐千夫生家の看板

千葉県指定史跡に昭和25年に指定されている。説明看板は古いものと平成27年に設置された二つある。

平成27年の看板

なぜか英語版の看板には間取りが詳しく説明がある…日本語でも知りたかった。

千葉県教育委員会の「歌人伊藤左千夫の生家」のページより。

伊藤左千夫は、江戸時代末期の元治元年(1864)8月18日に上総国武射郡殿台村(現在の山武市殿台)に、農家であった伊藤重左衛門家の末子として生まれた。

若くして東京に出て、牛乳搾りをするかたわら短歌を学び、37才の時に正岡子規の門に入った。子規の没後は、雑誌「馬酔木」、次いで「アララギ」を創刊し、特にアララギ派の初期の推進力となった。歌風は万葉集を尊重して雄大であり、東洋的な諦念が底流するといわれている。門下からは島木赤彦、斉藤茂吉、土屋文明、古泉千樫(第1巻88頁)など近代短歌史を彩る優れた歌人を輩出している。

殿台の生家は、約200年前の建築で、この地域のごく一般的な中農の家構えで、約400坪の敷地には、茅葺平屋建ての母屋やと土蔵が残っている。

また、敷地内には茶室も残されているが、昭和16年(1941)現在地に移築され、生家とともに保存されている。これは東京本所茅場町の自宅の傍にあったもので、同じ山武郡出身の友人であった蕨真(けっしん=蕨真一郎(わらびしんいちろう))から贈られたものであり、唯真閣とよんで終生愛着をもっていたと伝えられる。

伊藤佐千夫生家

伊藤佐千夫生家を見学する際も資料館の見学料を払って見学する。まずは江戸時代中期に建てられた生家の母屋から。

茅葺屋根が美しく維持されているのが印象的だった。

広々とした土間

座敷は関係者以外立ち入り禁止。

伊藤佐千夫が、生まれてから上京するまでに過ごした生家。奥の部屋の先に見える緑が青々しい。

囲炉裏

生家は座敷に上がらなかったのでお手洗いを確認できず。外観だけ撮影した。

母屋の裏手にあるのが土蔵。

土蔵
庭から見る母屋

母屋の向かい、庭と茶室がある。茶室は昭和16年に現在地に移転。

茶室

こちらも建物内は入れないので、外から撮影。

精巧な彫刻

茶室は、明治33年に伊藤佐千夫宅を訪れた正岡子規によって「さすが茶を好める人の庭『塵一つもない』」と褒められたというエピソードも残っているとか…

正岡子規のエピソードも

現在も、塵一つもない…のかはさておき、東京の江東区にあった伊藤佐千夫の自宅から山武市まで移築保存されているのは凄いなと思った。

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成東「さくらや旅館」と近代建築

資料館を見学後、成東駅へ戻る途中で見かけた旅館。

旅館!

県道121号沿いにある「さくらや旅館」。木製の縦看板が素敵なのだが、現在も営業しているのだろうか?

県道121号

調べてもほとんど情報が無い…誰かご存知の方がいたら教えてください。

ついでに、以前も訪問した成東駅前の近代建築!→明治開業「成東駅」周辺の商店街は再開発…病院、近代建築が現存 -成東⑴

スクラッチタイルが印象的♪

スクラッチタイルが垣間見える

現在は全体的に壁で覆われているが…昭和初期築の近代建築が残っていることが嬉しい。

何気に塀が好き

また、成東駅前には食堂が併設されている「成美旅館」がある。いわゆる駅前旅館だ。

成美旅館

看板に昭和23年創業、とあるので戦後に創業したのかな?成東駅から次は安房鴨川を目指します!

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(訪問日:2022年1月)

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