成田「桐之家旅館」明治創業、東参道沿いの旅館。甲冑や大名籠など骨董品の展示に興奮! -成田23

成田「桐之家旅館」明治創業、東参道沿いの旅館。甲冑や大名籠など骨董品の展示に興奮! -成田23

成田、東参道沿いにある「桐之家旅館」は明治創業の老舗旅館。

現在は、外国人観光客にも人気な甲冑や大名籠といった、歴史的に貴重な骨董品の展示も!しかも安く、成田山新勝寺からも近い穴場のおすすめの旅館です。

成田の老舗旅館「桐之家旅館」

千葉県成田市田町58。成田山新勝寺から徒歩10分弱、東参道沿いを東へ進むと、成田高等学校の隣に旅館が見えてくる。

成田高校の隣

こちらが「桐之家旅館」。明治37年創業。

桐之家旅館

 当館は成田山参拝や海外旅行にお出かけになる時、又はご帰国の際にご利用するのに非常に便利です。
当館には大名よろい・大名カゴ・大名ひばち・火なわ銃等の歴史的にも貴重な展示物がございます。日本の中世武士道を偲びながらお泊りになれます。
当館は心のこもったおもてなしと家族的な雰囲気でお客様をお待ちしています。(ホームページより)

宿泊だけでなく、昼間は食事処としても営業中。現在は、長期滞在者の利用も多いそうで、ビジネス旅館である。

長期・団体割引あり。

1泊2食6500円税込
1泊朝食5500円税込より

成田山新勝寺からも近くて二食付き6500円は安いのでは…!

看板

個人的には看板の、そばとうどんの製造販売も気になる。今はやっていなさそう。

製造販売もしていたんだ
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客室・館内の様子

旅館内に入ると、1階はお食事処になっている。手前がテーブル席、奥が座敷。

1階

右手に受付があり、階段で靴を脱いで二階へ。

階段

ちなみに昭和期に火災があり、建物は新しく建て替えている。だが、館内は木のぬくもりを感じる和の雰囲気で落ち着く。

一部昔の建具も?

案内された部屋は階段を上がってすぐのNo,2の部屋。

宿泊した部屋

二間で広々。青や緑の鮮やかな壁と欄間の木彫りが印象的だった。これは外国人観光客に人気が高いのも分かるな~

欄間
欄間

エアコン、テレビ、冷蔵庫、ポット、浴衣、タオル等、一通りそろっている。歯ブラシだけなかった気がする。

備品

客室は13室。部屋によって意匠も異なるそうだが、今回は見れなかったのでまた今度見てみたい。

2階 廊下

2階の奥にお手洗いと洗面所。洋式の現代トイレで快適。

お手洗い
洗面所

廊下にも甲冑が展示されている!本物。夜見たら怖いかも。

廊下の展示品

こちらは、江戸時代のひな人形だとか…!

昔のひな人形

階段は二つあり、もう一つの階段を降りると浴室がある。

もう一つの階段

浴室は二つ。今回は貸切で利用することができた。シャンプー等完備。

浴室1

ピンク系と青系の浴室。タイル張りでレトロな雰囲気。木製の蓋が良い感じ。

浴室2
タイル絵
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千葉氏との関係と歴史展示品

1階は土間と座敷、見渡す限り歴史的に貴重な資料が展示されている。ホームページで写真を見ていた以上に数があって嬉しい驚き。こんな旅館、見たことが無い!

博物館のような旅館

大名かご、間近で見るのは初めて…意外と小さ目なんだなと思ったり。

大名かごが天井にぶら下がっている

なぜ、この旅館に多数の展示品があるかというと…

この旅館、桐之家旅館が房総で一大勢力を築いた千葉氏一族の関係者だからである。左のガラス戸に見づらいが、千葉氏の分家の九曜紋の家紋が描かれている。

九曜紋

関ヶ原合戦では豊臣方についていたため、ガラス戸の手前には「桐紋」が描かれているのだとか。周辺住民からは「殿様」と呼ばれ親しまれていたという。

本物の甲冑

現在の旅館を経営している息子さんよりも、お父様が千葉氏の歴史に詳しく、著書も多数販売されている有名な方。勝又清和さん。千葉日報にて毎週月曜日5年8ケ月に渡って連載していた『令和の新将門記』が発売に→新刊発売のお知らせ

著書
◎『令和の新将門記』
◎『千葉氏の衰亡記をめぐる二人』 ─地方文化の一つの原点─
◎『戦国の房総を語る』
◎『成田市周辺の城砦のあとを探る』
◎『千葉氏研究』 創刊号・2号・3号・4号・5号・6号・7号
◎『戦国末期における下総地方の在地動向』
◎『千葉家の北条派、反北条派の葛藤』
◎『房総の郷土史』
◎『千葉一族と其の時代』 ─本佐倉城跡を廻って─
◎『藤原鎌足子孫の親道・親盛・親政までの藤原氏と千葉氏及び源頼朝の動向』

YOUは何しに日本へ にも出演

多数ある展示品だが、これらもほんの一部で、以前発生した火災の際に焼失してしまったものも多いという。残念だ…と思ったが、元々どれだけ資料があったんだ…

手鏡 弓矢など

帳場の上には、井戸のつるべが。

シュールな光景
よろいびつ、あぶみ…

また、ご先祖がロサンゼルスオリンピックに出場?した際のメダルも。歴史があるだけでなく多彩な一族…凄いな。

戦前のオリンピックのメダル
軍盃 膨大な数…
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手作りの夕食&朝食

ご飯は1階の座敷でいただきました。

1階にて

手作りの料理が次々と運ばれてくる。

夕食
海老丸ごと…!

豚肉と、上の小鉢はアボカドの天ぷら。アボカドは好きだけど天ぷらは初!外はサクッ、中とろりで美味しい。

そしてお刺身に里芋…私の好みが把握されているの?!って驚くくらい好きなものが多かった。ご飯のおかわりもありました。

里芋と味噌

食後にはアイスクリームといちご。もう大満足です!!

食後のデザート
朝食

ホームページにはワーケーションについても記載があった。こういう温かい旅館で仕事が出来たら最高だなあ。駅からの送迎もある。

■ワーケーション
館内はFree Wifiが繋がりますのでゆっくり部屋で仕事ができます。
お食事処ではコーヒーも無料でお出しておりますのでお気軽にご利用下さい。
リフレッシュに成田山新勝寺や庭園を散歩してワーケーションをお楽しみ下さいませ。

宿泊時、偶然お孫さんがいて癒された。普段から旅館のお客さんと接しているからか、全く人見知りせず、愛嬌のある幼稚園生で、楽しいひと時だった。将来の若女将かな?

桐之家旅館がある東参道沿いには他に老舗旅館は今はない。最後の一軒。→成田、東参道の「寺台商店街」。かつての宿場、寺台城跡を訪ねる -成田⒀

東参道

表参道沿いにあった木造三階建て旅館「大野屋旅館」も解体に。2022年1月訪問時は、望楼が撤去されていた。記事を書いている現在、更地である。

大野屋旅館 2022年1月

成田に残る老舗旅館。しかもただの老舗ではなく、千葉氏のルーツがあり、お宝を見ることができるユニークな旅館だった。

成田山新勝寺周辺で一泊、考えている方はぜひ桐之家旅館に宿泊してみてくださいね~

 

(訪問日:2022年1月)

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