佐久間商店に保存された貴重な煉瓦蔵。成田の煉瓦場が地名に残る -成田⒄

佐久間商店に保存された貴重な煉瓦蔵。成田の煉瓦場が地名に残る -成田⒄

成田に残る煉瓦蔵。その貴重な近代建築との出会いは、ひょんなことから入ったヤマザキショップから…

成田のレンガ場の存在を初めて知りました!

佐久間商店でヤマザキパンを頂く

千葉県成田市幸町。成田山新勝寺の表参道から西へ分岐した、西参道三の宮通りを探索中。

西参道三の宮通り

藤倉クリニックの隣にあるのは、佐久間商店のヤマザキショップ!この日のお昼をまだ食べれていなかったので、ヤマザキショップに立ち寄ることに。

ヤマザキショップ

前面が覆われているけど、店舗の主屋自体もかなり古そう。店内は昭和なコンビニエンスストア…

調理場併設

クック33!山崎製パンが提供する、店内厨房のシステム。手作りサンドウィッチを頂くことができる。名前は聞いた事があるけれど、実際に買うのは初めてだった。

クック33

流石ヤマザキショップ、パンの品数が豊富…表参道から一本裏道に、こんなに庶民的なパンが販売されているとは感動しました。

店内のパン

近くに通う学生だったら、お昼ご飯にぴったりだなと思ったり。店内には手作りパン以外にも、コンビニエンスストアとして商品が並んでいますよ!

幻のクリームパン…名前に惹かれてしまう。エビカツが評判らしいので購入!

幻のクリームパンとは

近くの公園で購入したパンとランチタイム♪
ギュッと中身が詰まったエビカツパン美味しかったな~幻のクリームパンは、人気のあまり幻の存在ってことかな?!

購入したパン
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成田に残る貴重な煉瓦蔵

パンを購入しながら、お店の歴史を伺うと、明治頃創業した老舗で元々は米屋だったそうな。その後、隣の病院に土地を売却したり、紆余曲折があって今に至るという。

そして、店舗の裏には…

煉瓦蔵!

成田に唯一?といっても過言ではない、レンガ造りの綺麗な蔵が残っていた。今回は特別に近くで見学させて頂きました。※普段は私有地なので見学できません。

曳家をし、保存したとか。蔵の内部は2部屋あり、現在は倉庫に。

蔵の入り口

昔は、成田山の木材を保管していたとか。

また、この店舗の近くにレンガ場(煉瓦の製造所)があり、そこで焼かれたレンガを使用して造られた煉瓦蔵だという。

イギリス積み

成田のレンガ場、初めて聞いたな…

伺ったお話と、近くにあった商店街マップから確認すると、成田市立成田小学校の北西に「幸町山車蔵レンガ場広場」と書いてある。レンガ場、その名残に違いない!

幸町山車蔵レンガ場広場

レンガ場だった場所は、他の場所よりも土地が低い。現在は雑草が生い茂っている。

以前紹介した、成田~宗吾霊堂を結ぶ「成宗電気軌道」の遺構でもあるレンガ造りのトンネルも、このレンガ場から造られたものらしい。【電車道】成田山新勝寺まで伸びた幻の「成宗電気軌道」の遺構を探索!-成田⑻

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成田歴史玉手箱より

今回のレンガ場を聞いて初めて思ったが、千葉県のレンガ場は他にもあるのか?今まであまり注目してこなかったな~と。

千葉県では、銚子の犬吠埼灯台の煉瓦は、旧下総町高岡(現成田市高岡)の煉瓦工場で焼かれた煉瓦が使用されていると聞いた事がある。成田はレンガ造りが盛んだったのかな?

「成田歴史玉手箱」に成田市内の煉瓦建築の歴史についてまとめられている。

大正12年9月1日の関東大地震によって耐震性が弱点となりその後需要が激減した煉瓦。しかし、明治時代末期、市内には煉瓦場という地名が成田小学校付近にあったり、利根川べりの安西地区には数軒の瓦や煉瓦を焼いていた家がありました。最盛期には十日川が利根川に流れ込む河口付近に煉瓦を積み出す河岸があったほどで、一世を風靡したものでした。

成田小学校の近くのレンガ場は、明治末期に存在したものだと分かった。そのほかに、安西地区には数軒も存在していたのですね!

現在も見ることができる煉瓦建築として、先ほど挙げたトンネル以外に、三里塚小学校の正門が明治期の煉瓦建築だという。今度行かなくては!

一方、現在その姿を見ることができない煉瓦建造物として、煉瓦舗装道(仲町)、火力発電所(東町・閉鎖後は製氷場として利用された)、旧若松本店(仲町)、旧成田図書館書庫(田町)、旧学習院初等科正堂の基礎部分(建物は房総のむらに移築)などが挙げられます。

そもそも中町は、道自体が煉瓦で舗装されていたとはなんてオシャレなんだろう。

 

またレンガ場については改めてまとめたい。

(訪問日:2021年11月)

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