「成田山公園」の西洋庭園。昭和後期に建造、戦前の絵葉書と変わらない佇まい -成田24

成田山公園内に残る歴史を探して…今回は、西洋庭園に注目!手に入れた戦前の絵葉書と照らし合わせてみました。
その他、今まで着目していなかった玉垣や道路元標なども合せてご紹介します。
成田山公園「成田山霊光館」
千葉県成田市成田1。成田山新勝寺の境内にある広大な成田山公園。その大きさは、東京ドーム3.5個分にも及ぶという…!
実はこの公園も昭和3年(1928)に完成した歴史ある場所。松尾芭蕉や高浜虚子など著名な文人たちの句碑もある。

四季折々の美しい景色を楽しむことができるため観光客にも人気。私が訪問したのは1月だったので今度は秋の紅葉を見に行きたいな~

”諸商人の出店禁止”の看板が公園の裏手に。

公園の北側にあるのは、成田山霊光館。昭和22年に開館した、成田山の歴史の調査や研究を行っている施設。平和の大塔1階にて企画展が開催されているので興味がある方はぜひ。

霊光館前には石碑が。正面に「左 成田道」とあるので道標かな。元は違う場所にあって成田山新勝寺を指していたのだろうか。

西洋庭園&噴水広場の今昔
平和の大塔の下に広がる西洋庭園へ。平和の大塔は意外と新しく、1984年建立。元はこの場所に「千葉県物産陳列館」があったそうだ。

平和の大塔から眼下の西洋庭園を眺める。

今まで気にしたことがなかったが、昭和初期の庭園、趣深いな…

庭園を囲む石。階段や手すりはそのままだ。倒壊せずに現存していて嬉しい。

階段を降り、広場から壁を見ると「成田山永代御膳料」とある銘板を見かけた。

島根県松山市、東京市大森区など遠方の方の名前も。こういうの見て業種から想像するのが楽しい。
千葉県の方がいらっしゃらないかな~と思っていたら、千葉県野田町中野区の樽製造工場主の方の名前が!昭和6年とある。

現在は樽製造工場は残っていないように思うが、昭和初期頃は野田の和樽が全盛期だったことがうかがえる。
そして、手に入れた西洋庭園の昔の絵葉書。

平和の大塔から見下ろした構図。中央の噴水は現在ないが、全体の雰囲気は100年経った現在も変わっていない。まあ、昔の方が花壇があって華やかな雰囲気は否めないが…

成田山の絵葉書はたくさん発行されているので目にする方も多いだろう。


2022年1月 成田山散歩
その後は、周辺を気ままに散歩。奥山広場の雰囲気、好きです。

以前訪問した時よりも新年明けだからか賑わっていた。

以前の記事→【奥山広場】成田山新勝寺の裏、不思議な広場に日本随一の易断所(占い)-成田⑶

以前はシャッター通りになっていた階段にもずらっと売店が並ぶ。

そしてこちらは近くの玉垣。時間があるときに眺めていると新たな発見があって楽しい。(周囲の目は気になるが)。
下のは、茨城県石岡駅前の割烹食堂「櫻川」とある。

今は無いよな~と思い調べた現在も石岡駅前に「おふくろの味 櫻川」がある。今はビルの一角だが、老舗だとは知らなかった。
こちらは成田の中食旅館「扇屋」。

かつて西参道沿いに存在した旅館だが、今は跡形もなく住宅街になっている。→西参道三の宮通り。成田山新勝寺の西参道を辿ると埴生神社へ。花街も?-成田⑸

最後は、成田町道路元標。

観光客で賑わう表参道沿いにあるが、皆さんご存じですか?
成田は奥が深くて記事数がどんどん増えますね!
(訪問日:2022年1月)
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