【東参道】見ないと損!レトロ建築!成田山新勝寺の東、田町商店街。※大徳薬局は焼失 -成田⑺
成田山新勝寺の東参道を探索するシリーズ第二弾!成田山新勝寺の魅力は表参道だけではないということを伝えたいなと思い、こんなにディープな内容を発信している。
今まで西参道、東参道と歩いてきたが、比較的東参道は田町商店街の雰囲気も残り、名建築も多い。と勝手に思っている。今回は一見すると住宅街の中のようだが、その中に眠るレトロ好きにはたまらない名建築を紹介しよう。
桐之家旅館
まずは、前回の続きから。
東参道
交差点の分岐をさらに東側へと進む。
「あきや美容室」の建物に見とれていたら、なんと建物の傍にコンクリート製ゴミ箱が…気配を消していて、すっかり街並みに同化しているのが凄い。
その向かい側には「桐之家旅館」。
創業は明治37年とホームページに載っている。旅館のホームページによると、大名よろい・大名カゴ・大名ひばち・火なわ銃などの貴重な展示もあるのだとか。見てみたい!和室もかなり格式のあるお部屋。一人利用5千円~であるのが格安に思う。
看板には旅館、中食、きそば、長期・団体割引き…そしてローマ字表記。これは外国人観光客の方も安心だろう。
桐之家旅館の表には、welcomeの文字。ここまで外国人観光客を歓迎している旅館は成田ではあまり見かけない。成田山新勝寺からも少し距離があるため、現在も生き残っているのが尊敬…
桐之野旅館、いつか泊まってみたいなあ。定食だけでも今度来たら立ち寄りたい。
旅館を後にし、そのまま東参道へ。田町商店街はまだまだ続く。ほとんどのお店が営業をやめてしまい、静かな商店街だ。
「亀田のあられおせんべい」の看板が残っているのは、「神崎商店」。
洋館?
神崎商店の向かい側の道をふっと見たら、2軒目の建物がうっすらとピンク色であることに気が付いた。
2階建ての木造。全体はほんのりピンク色で、赤い屋根がアクセントになっている。
しかし、完全に洋館という風でもなく、当時としては珍しい和洋折衷の建物ではないだろうか。
下の写真、二階部分に扉がついているのが気になる…トマソン?
主屋は和風建築。そこから廊下で繋がっているのを見ると、接客の空間として使われていたのかもしれない。
窓も趣向が凝らされていて、かなり豪勢な建築だったのではないか。明らかにこの建物だけ周囲から浮いている。
一体どういう関係がある建物なのか。
調べて見ると、「浅野洋装店」を東参道に構えるお宅であった。看板にある「モード」というのは、昭和の流行なのだろう。当時の流行を発信していた浅野洋装店の邸宅が、洋館というのは自然な流れなのかもしれない。
何もないと思っていた田町商店街に、洋館が残っていて嬉しい。
田町商店街の先は、寺台商店街へ。
これも見逃せない!オロナインのホーロー看板!
実はこれ、ある大きな看板の裏にひっそりと隠れていて。
案外見つかりにくい場所。だからこんなに状態も良く残っているのかも。
森永牛乳
ここからは東参道とはお別れ。先ほどの桐之屋旅館の近くにある交差点から、南へ進み、東参道の一本南側の住宅街へ。
広い道路を歩いていると、一軒、とても目立つ建物が…
森永牛乳と大きく書かれた建物。しかも、銀色のエンゼルマーク。看板建築を紹介する本でも同じようなものが残っているのを見たことがあるが、成田にもこんなに良い建築が残っているとは…
詳細部分までわかるエンゼルマーク。これは出会えて良かった。昭和の遺産。
横から見ると、看板建築であることがわかる。昭和48年の住宅地図では「森永牛乳石川販売店」とある。昔はここで販売していたのか。
成田橋の近く
住宅街を向けると、国道51号線。その手前にはレトロな「ひがし食堂」。
この日は営業していないみたいだったが、コスパも良い美味しい食堂らしい。ネットに記事がいくつかある。東参道は名店も多そうだ。
ひがしやホテルも近い。
国道沿いということもあってか、新しめのホテルも多く並んでいる。表参道にある鰻の名店川豊の別館もこの辺りに。
ちょっと時代を感じる看板の「セガワールド」。
新参道
国道51号線から成田山新勝寺へと向かう道は「新参道」。
黄色い看板に赤い文字の「太陽」。「太陽占術養成協会」という場所らしい…?
青と白の組み合わせのスペインを思い出させるような「岩崎商店」。卸売食料品店。
新参道からちょっと道を外れると、昭和の建築が残っている。
ヤマザキショップの文字が、英語なのが珍しい。私が訪れた時は駄菓子を販売していた。小川商店の横には、「わたや旅館」があった。新参道も賑わっていた時があったんだなあ。
大徳薬局・大徳書店
大徳薬局・大徳書店の建物が並ぶこの通りは、見ないと損するくらい、昭和の廃墟がそのまま残っている。
小川商店の脇道を進んでみよう。
大徳薬局は看板建築だろう。隅々まで鑑賞したい建物。
ゼネックローヤル?見たことがない商品に興奮する。
反対側は、コインランドリーがポツンと残る駐車場。もしかしたら銭湯などがあったのかもと予想する。
追記:(2021年3月25日)
薬局の隣が八百屋、魚屋、お豆腐屋、向かいに銭湯、さらにおじいさんが七輪で焼いてるお煎餅屋が50年前にはあったという。たまたま調べていたら、SNSで書いている人がいた。
「廃業銭湯一覧」にも記載されていた。
成田市田町326「松の湯」
廃業:2003年
銭湯があったころは、商店街として賑わっていたのだろうな~
大成堂大徳薬局の文字も綺麗に残っていて、看板建築の見所であるファザードのデザイン性も感じれる。また、控えめな緑の蔦がさらに建物の美しさを際立てている。
自動販売機も時が止まったまま。
薬局の隣は本屋。個人経営の本屋はほとんど見かけなくなってしまったので、とても貴重。平屋の本屋に通ってみたかった。
大徳書店
ちょっと側面は、飛び出しているのもご愛嬌。
まるでタイムスリップしたかのような大徳薬局と書店。
成田山新勝寺の東側にこんな名建築が残っているとは。かなり歩いたけど、探索してよかった。
先へ進めば東参道へ戻る。
住宅街に紛れる名建築。
成田山新勝寺の周辺でかなり好きな道だった。時間がある方はぜひ散策して見てほしい。
追記:大徳薬局・書店、焼失(2021年2月17日)
残念なことに、最後に紹介した街並みはもう見ることができない。
コメントで今朝、焼失したと教えてくださった方がいた。本当にありがとうございます。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000207363.html
リンク先が消されているので、画像を貼っておきます。
看板建築の表だけが残っている様子が映っている。看板建築の火災への強さを感じた。成田で特に好きな場所だったのでショックすぎて何も手につかないな…
木造建築は本当にこれから危ないので、早めに撮影しなければと自戒を残しておこう。
焼け跡には放置された看板が。看板建築は真っ黒になり、跡形も無くなっていた。
(訪問日:2020年7月)
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本日、成田市田町の大徳薬局近隣で火災が発生し燃失してしまったようです。
ニュースでやっていました。
情報提供、ありがとうございます!!
知らなかったのでショックです…本当にありがとうございます。