「習志野駅前通り商店街」船橋市だけど”習志野駅”。個人商店が並ぶレトロな商店街に惹かれて-習志野駅⑴

「習志野駅」は船橋市にある。習志野市ではないの?といった疑問を持っている方もいるかもしれないが、歴史を知るとこの場所が真の”習志野”であることを納得するような…
そんな習志野駅前の商店街は、和菓子屋など古くからのお店が現在も営業しています!
新京成電鉄「習志野駅」
千葉県船橋市習志野台4丁目。新京成電鉄「習志野駅」に到着。どこか懐かしい小さな駅舎だ。

駅名の「習志野駅」は、「習志野原」が由来している。
明治天皇が、この辺りにあった陸軍習志野練兵場の演習を閲覧した際、総指揮官であった篠原国幹を褒めて「習え篠原」といったことがもとになっているともいわれる。現在も駅から近い薬円台公園に習志野発祥の地の石碑が建っている。
以前紹介した、「空挺館」も明治天皇ゆかりの洋館。ぜひ習志野駅から散策してみてほしい。
「空挺館(旧御馬見所)」船橋に眠る、白亜の明治近代建築。習志野の「迎賓館」
習志野の地名の由来となった「習志野原」は船橋市・習志野市・八千代市にまたがる地域のことを指していた。その中心地が、薬円台にあった騎兵学校、大久保の騎兵連隊とされている。詳しい歴史はまた違う記事でまとめたい。
だから、習志野駅が”習志野”と名乗ることはおかしいことではないのだ。

現在の習志野駅はとても静か。

千葉県立薬円台高校の最寄り駅となっているため、学生の姿をよく見かける。

駅の西側はセブンイレブンがある。歴史に詳しい方に話を伺うと、かつてこの場所に弾薬庫があったとか?

駅前によくある地図の看板。役に立つので撮影している。



踏切から新京成の車両を眺める。昔の茶色のレトロな車両、撮影したかったな~今年引退だとか。

踏切から東にずっと商店街がつづいている。歩道は狭いので注意。

街灯には「習志野駅前通り商店街」と表示がある。しかし、URLが消されているのが気になる…

昔はホームページとかがあったのかな。
駅前は大きな開発とかはない。2010年のストリートビューを見ると、角は薬局ではなく喫茶店だったことには驚いたが…

コーヒー&軽食「たんぽぽ」という可愛い外観。
もし今営業していたら入るのにな~学生の街なのに喫茶店が無いのは残念。
線路沿いの裏道へ
習志野駅前郵便局。その左手にもお店が並んでいるので進んでみる。


ビストロカフェとあるが、上の看板に婦人洋品 「三春」とあるので最近変わったのかな。

蕎麦屋もある。駅前だから電車の待ち時間とかに便利そう。

さらに奥にも細い道が続いている。本屋?

1冊50円とあるので、古本を販売しているのだろうか。こんな裏道に…

通ってよいのかわからないくらい細い道だ。抜け道かな。

錆び錆びな2階建ての建物。一体いつからこの場所にあるのだろう。

「習屋建設」。不動産会社?

駅から見ると古さがわかる。

裏道を抜けて建物の表へ出た。表は綺麗に見える。

隣にパブスナック「みつる」の看板が残っている。

骨組み剥き出しで営業していないと思われるが、裏から見た錆びた建物はこれだったのかな。

裏にあった本棚は福祉ショップのようだ。

地元の方によると、この辺りに10年以上前は書店などもあったそうだ。現在は綺麗なアパートなどになっている。

ワタナベストアー
今度は商店街の南側へ。「ワタナベストアー」という個人経営のレトロなスーパーが。

何やら行列ができている、と思ったらブルーチップの商品交換会の日だったみたい。ブルーチップ自体珍しいのにまさかの交換会に遭遇するとは!

集めたブルーチップを手に、商品と交換する地元の方々。貴重な現場に遭遇できた。


習志野の台所を支えて60年
老舗スーパー”ワタナベストアー”
ワタナベストアーのホームページに紹介されている。昭和33年(1958)創業とのこと。

60年以上も同じ場所で営業しているなんて凄い!さらに、自家製漬物、自家製野菜も販売しているとか…なんて温かいスーパーなんだろう。これからも頑張ってほしい!

鮮魚売り場も充実しており、対面販売も行っているので心強い。お菓子のコーナーもどこか懐かしい商品が多かった。ちなみに、薬円台の「田中豆腐店」の豆腐も販売しているとのこと。
向かい側にリサイクルショップの看板?気になるな~


和菓子屋「よし川本舗」
全国菓子大博覧会で金賞を受賞した「習志野太鼓」。どら焼きだそうだが、とても気になる!

習志野駅前には他にも和菓子屋があるが、2軒も和菓子屋が現役なのが凄い…ついつい買い物してしまう。

佇まいも素敵だ…この日は買い物をしなかったので、次回歴史を伺ってみよう。

商品も綺麗に並べられている。上生菓子、苺大福なども美味しそう~

でも名物のどら焼き「習志野太鼓」は一度食べてみたいな~
池田豆腐店
隣にあるのは豆腐店「池田豆腐店」。この辺りは看板建築のような建物が並んでいて商店街の良い雰囲気~

池田豆腐店で買い物
昔ながらの豆腐屋、今も営業を続けているお店は珍しい。

話を伺ってみたかったので買い物をすることに。豆腐屋で買い物をするのは初体験です。

定価表が豆腐一丁140円、と書いてある看板。

豆腐屋巡りしている方の記事に、池田豆腐店のことも書いてある。料金表に載っていない商品も多数あり、種類が豊富だった。今夜のおかずにいかがでしょうか。

豆乳(110円)が個人的に気になる。


豆腐屋の旗がひらひらと風に舞う。

昔は豆腐屋も各地にあったのだろうな。
温かい買い物体験だった。
追記:閉店
2021年3月23日をもって閉店したとの情報が…

記事を公開する前に閉店してしまった。とてもショック。
あの時は閉店するなんて思ってなかったな。
個人商店が並ぶ
豆腐屋の並びには個人商店が並ぶ。居酒屋、その隣は民家になっているが2010年のストリートビューでは「バーバーならしの」だった。

「花菜」は昔は「養老乃瀧」。
緑の屋根のお茶屋「大西園」。2010年のストリートビューでは元気に営業中だが、最近閉業してしまったようだ…

向かい側は店舗跡と習志野駅前接骨院。接骨院の角を曲がると、銭湯の方へ向かう。

反対側、右折するとリサイクルショップの看板が見えてきたが現在は営業していないようだ。

通りは綺麗に整備されているように見えるが、ちょっと裏路地へ行くと古い建物が残っている。

立派な門構えの家もあってびっくり。

ワタナベストアーの裏の道。今は民家となっている右手にも、北京料理屋「世界」など古い建物が数年前まであったようだ。


習志野駅前通り商店街、メイン通り
裏通りを進むと、以前紹介した和菓子屋「ふなよし」へ。船が目印だ。

習志野「菓匠 ふなよし」老舗和菓子屋の美しい和菓子と外観がお気に入り!
和菓子屋の隣にある「習志野ランドリー」の外観にも注目したい。昔ながらのクリーニング屋。現在も営業中。

錆びてしまっている看板は果たしてどんな情報が載っていたのか…

習志野駅前通り商店街は、車が通るとギリギリの狭さだが昔から変わらない道幅なのだろう。

クリーニング屋が多いのが気になるな~

パナソニックの店「フジサワ」。

パナソニックのキャラクターもクリスマス仕様になっていた。

目の前に見えてきた古い2階建ての建物は「習志野小売市場」。以前にも紹介したが昭和の雰囲気が色濃く残る。
「習志野小売市場」習志野駅前商店街の昭和レトロ空間が気になる…

奥は暗いが昔は精肉店、八百屋…など色々なお店が並んでいたと想像する。

この建物も現存しているのが不思議なくらい古いので今の内に撮影しておかなければ…
隣にあるのは酒屋「はしもと」。

ホームページに歴史が記されている。昭和51年に、千葉県内では数少ない地酒中心の店舗として開業。その後2代目が就任し、海外輸出を開始するなど精力的に活動されているみたい。

地下貯蔵庫完備というのが気になる。通信販売も行っているので気になる方はぜひ。
レトロな街灯を発見!
商店街がおわり、交差点を左折する。交通量が多いな~

周囲を注意しながら探索していると、古そうな建物が並んでいた。スナック「レトロ」名前からして良いな…

見逃してしまいそうになるが、電柱の横にレトロな街灯がポツンと立っているではないか!

家具かねたや、と書いてある。昔子の近くに家具屋があったようだ。なぜかこの街灯だけ残っているのが不思議だな~

街灯は現役なのかわからないが、丸い傘に照明がついている。

まさかこんなところにあるとは思わない、ところに意外と立っていたりする街灯。見つけるのが楽しい!

飲食店がちらほら
2階建てのアパートかと思ったが、手前は居酒屋のようだ。がこちゃん、可愛い。

並びには東京靴流通センターの大きな店舗など。

交差点。相変わらず交通量が多いが、踏切の方へ進むとこの通りにも飲食店が並んでいる。

スナック「サルビア」。渋い外観…

となりは「かつよし」とあるが現在は営業していなさそうだ。駐車場も少ないので地元の方向けのお店だろうか。


歩道がほとんどなく、歩くのも大変な道なのに飲食店などがあるのはなぜだろう。



習志野駅前通り商店街。
私が訪れたときからも変化している街並み。まさか閉店するとは思っていなかったので油断していた。
個人商店が並ぶ街並みがどんどんシャッター通りになってしまう…
(訪問日:2020年12月)
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ふなよしの東隣にある2本の柱か陸軍の教育隊の入口であることは有名な話ですが、個人的なエピソード。母の友人が子供の頃入営した父親の為に家で作った「ぼた餅」を届けに行ったところ門前で警備していた兵隊さんに入構を拒否され、仕方なく餅の入った箱を「父に渡して下さい」と言って預け、帰宅した後程なくして戦死の知らせが家に届いたとの事。「父さんぼた餅食べたのかな?」受け取りの手紙は家には届かなかったので、ずっと気にしていたと母が語ってくれました