浪花駅周辺の探索。煉瓦壁残る岩船八幡神社~浪花小学校へ
いすみ市、JR外房線「浪花駅」からの探索編つづき!次の電車が来る1時間以内に駅周辺の街並みや寺社仏閣を見学します。
岩船八幡神社(煉瓦建造物)
千葉県いすみ市小沢14。前回は伊南房州通往還沿いを北へ進んだが、時間がまだ余っていたので街道から南東方向にある岩船八幡神社へ。
伊南房州通往還から南へ伸びる細い道、現在は国道が中央を貫いているが、元々は神社へ向かう参道だったのかなと想像する。
こちらは平成16年に設置された「石井光楓」の碑。
洋画家、石井光楓 (いしい こうふう ) (1892~1975)。現 千葉県夷隅郡大原町(旧浪花村)出身だそうだ。先覚者の遺徳をたたえて碑を建てたと記載されていた。
碑のある隣が岩船八幡神社。まっすぐ伸びる石畳の参道が気持ち良い。社があるのは高台の上で急な階段が目の前に。雰囲気良い。
表参道沿い、左手に公民館のような平屋の建物。手前にあったコミュニティセンターの岩船区民センターの前身かな?
屋根を見ると漆喰の彫刻、鏝絵が見える。花と蔦のような模様で可愛らしい。
事前に知らなかったので鏝絵には驚いた。これは歴史があるものなのか、調べてもよく分からず。
そして階段を登った先にある岩船八幡神社の社殿。
岩船八幡神社の創建は、1200年代後半。
社殿は大正7年築。瓦は新しそう。
岩船八幡神社の歴史について、「千葉県寺社案内」には次の通り。
岩船八幡神社は、建治元年(1275)時の中納言藤原兼貞一行が東国遊航に際して台風に遭い岩船浦(釣師海岸)に漂着、陸後岩船・小沢・小池・大寺に七十五座の神々を祀ったうちの一社と伝えられます。七十五座の神事は現在も九月の例大祭で行われており、いすみ市無形民俗文化財に指定されています。
いすみ市無形民俗文化財の祭礼。岩船の地域は昔、漁業が盛んだったそうである。岩船港はさらに東側にあるがいつか訪問してみたい。
岩船は江戸期から昭和初期まで「あぐり漁」を主に漁業が盛んであったことから祭礼は勿論のこと神社護持に力を注ぎ、今にも残る境内の佇まいと財物を大切に、そして伝承と伝統を次世代に引き継いで行くことが氏子の心意気である。(大原の網元の多くは岩船の出身で、後背地が広く又交通至便な大原港が開かれるにつれ「あぐり漁」は小浜方面に発展してゆきました。そうした事から祭礼時に各地区・集落に地縁が多い「岩船八幡様」は、仲裁神輿としての存在でした。)
(いすみ市商工会 なびっぺより)
そして気になったのが社殿の周り。本殿を囲むようにレンガ建造物が存在する。
これは知らなかったのでテンションが爆上がり。近代建築…?
本殿を囲むように半周している。
そして上半分は透かしが入っているというかお洒落なレンガの組み合わせ。
大正期の社殿と同じ時期なのか?ネットで調べた中では分からず。地元の文献には載っていそうだが、古いものなのか…
神社で煉瓦建造物を見かけることはあまり無いので珍しい物が見れて良い収穫だった。
鳥居の西側、川に架かる宮本橋。
こちらは昭和35年竣工とプレートが残っていた。良い雰囲気。
親柱と擬宝珠。小さい橋ながらも立派で思わず自分と一緒に記念撮影をした。
宮本橋の傍には両側に旗幟台。
そして表参道から大通りにでる角には社号碑。
側面に「神國大日本」、裏面に「奉祝 皇紀二千六百年記念」と刻まれていた。
またしても遭遇した皇紀二千六百年記念品。比較的新しく見えるので再建かもしれないが、こちらでは社号碑が当時、昭和15年に設置されたことが分かる。各地で造られたものが違っていて面白い。
いすみ市立浪花小学校
岩船八幡神社の隣には「いすみ市立浪花小学校」。敷地内には「浪花中学校跡」の碑が建っていた。
裏門。現在も使われている門柱は古そう。
浪花小学校の歴史については、浪花小学校のホームページにまとまっている。
明治7年、小沢尋常小学校として始まり、3校を合併して浪花小学校と改称している。
こちらが浪花小学校の正門。さすが歴史ある学校、門柱の高さが想像を超えていた。左側に木製の看板が残っている。
そして正門から見えたのは、二宮金次郎像。
二宮金次郎像、こちらも絶滅危惧種?に値するので見かけたら記録するようにしている。いつか千葉県内のものをまとめたい。
さらに校庭の奥を見ると、大きな頌徳碑。拡大すると左側に「文部大臣 鳩山一郎」とある。鳩山一郎が文部大臣を務めたのは昭和初期、その頃の揮毫なのか。
気になる。
意外と情報量が多くて歩いていて楽しい。
浪花駅入り口の交差点。老舗感のある吉田商店。通称「やまこ」。
駐在所は国道から一本入った裏道に。
浪花駅へ戻ってきた。
浪花駅。駅の西側には今年5月に開業する古民家リノベーション施設「季舟庵」など気になる場所も。
「いすみ郷土ガストロミー」を コンセプトに、千葉県の地酒や野菜、果物、海産物、そしていすみで捕獲された新鮮なジビエをつかった本格フレンチベースの料理が楽しめるオーベルジュです。「季舟庵」から、千葉の食と文化を国内外へ発信していきます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000091446.html
今度は海沿いも探検してみたい。
(訪問日:2022年3月)
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