「中山法華経寺参道」昭和初期の原風景が残る参道を散歩する  -中山⑷

「中山法華経寺参道」昭和初期の原風景が残る参道を散歩する  -中山⑷

「中山法華経寺」。歴史を感じたいときにふらっと訪れたくなる場所。

昭和を超えて、大正時代の原風景が残っているような哀愁漂う参道を歩くと不思議な気分になります。

中山法華経寺の裏から

前回のつづきからなので、中山法華経寺裏手から!普段とは違ったルートもたまには面白いでしょ~

裏にある看板

裏にある駐車場から入っていこう。右手にいかにも時代を感じる2階建ての木造建築があってびっくり。

これは?

この建物はなんだろう。

中山法華経寺は、日蓮宗の大本山。開祖から800年が経つ歴史深い場所。京成本線「京成中山駅」からは徒歩5分、総武線「下総中山駅」からは徒歩10分。交通の便もよく、散歩にぴったりな文化的な街だ。

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法華経寺五重塔・絵馬堂

中山法華経寺境内の見所を紹介していこう。知っている人も多いだろうけど…

「法華経寺五重塔」は、大正5年に重要文化財に指定されている歴史ある五重塔。

説明看板

1622年に建てられた五重塔は、加賀藩主前田利光から援助を受けて建てたものだそうだ。

 落ち着いた和様の形式をもち、各層の大きさは方三間、初層から四層まで軒は二重繁垂木で、最上層の垂木だけを扇垂木としているのは江戸時代以前の傾向を示している。細部の装飾は少なく、蓑束と格子、窓の下の格狭間以外には彫刻なども見当たらず、外部全体は朱塗で仕上げられている。
東地方には江戸時代以前様式の五重塔は少なく、この塔を含めて東京都大田区の池上本門寺の五重塔など4基が残るだけである。

今から400年前に建てられた貴重な建物。

法華経寺五重塔

文化財として大切に保存されている。春になると桜との相性もバッチリ!

「絵馬堂」は撮影をするのを忘れてしまったけど、建物の中に大きな絵馬がたくさんあり見応えがある。

絵馬堂

中山法華経寺の紹介、キリがないので全部はしない…

ざくろの橋

参道にある赤い橋「龍渕橋」。丸い赤いものはなんだろう?と思ったら、「ざくろ」だそうだ。

龍渕橋

なんで、ざくろ?詳しく書いている方がいたので引用させていただく。

「法華経寺参道龍渕橋」

「欄干には擬宝珠のかわりに『ざくろ』が取付けられています。これは鬼子母神の象徴で、小松原の法難のとき鬼子母神が顕れて日蓮を救ったといい、後に若宮の館でその時の姿を彫り、常忍に守護神とするよう授けたところから鬼子母神が法華経寺の守り本尊となったものです。」

なんと、鬼子母神の象徴だとは。昭和20年(1945)に造られた橋は、新しく赤色に塗り替えられているが橋の下の部分は古いまま。

橋ひとつにも歴史があって面白い。

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ノスタルジックな参道

中山法華経寺の赤門へとつづく参道。ちょうど夕暮れで、参道がオレンジ色に染まっていた。とても綺麗!

参道の夕方

訪れたのは真冬。澄んだ空気に夕陽が刺す。

木造建築が並ぶ参道は、心のふるさとのように感じる。定期的に訪れたくなるのも、懐かしい原風景が残っているからだろう。

哀愁を感じる

どうやったら参道の美しさを伝えられるか…写真でうまく伝わるかな~

お休み処「田中家」

法華経寺から一番近い場所にある「田中家」。創業明治元年(1868)の歴史ある茶屋。

田中家

以前、あんみつを食べに立ち寄ったので次回の記事で詳しくまとめる。ここにある招き板が吉原遊廓などとも関係があって興味深い~

お休み処「田中家」吉原遊廓の人々が崇拝していた板招きが残る明治元年創業の茶屋 -中山⑸

お休み処「額堂」

お休み処「額堂」は、昭和13年(1938)建造の建物。戦前の建物?とても貴重だな。

額堂

ホームページには、「昭和初期へタイムスリップ 昭和13年築 なんとなく懐かしい ゆったりした時間をお過ごしください。」とある。

カナダドライの看板もレトロで良い!

カナダドライの看板

中山名物は「きぬかつぎ」という里芋をふかしたもの。平安時代、外出する貴婦人が顔を隠すため、小袖を頭からかぶった姿に由来するという。元々は、終戦直後に売るものがなく、近所の農家から集めて売ったのがきっかけらしい。

里いも、とても好きなので今度いただきたい!

 

さらに調べていると、中山法華経寺の絵馬堂の南側に茶屋があったが、昭和初期に移転されたということを知った。

絵馬を掲げておく堂のことを「額堂」と呼ぶが、同じ店名であることからして、上で紹介した額堂のことだろうか。

となると、昔は絵馬堂の方で茶屋として営業していたことになる。

参道沿いのお店

参道の建物も文化財レベル…規模は小さいけど、人通りもそんなに多い場所ではないので散策がしやすくて好き。

お土産屋もある

振り返ると五重塔とのコラボ。

五重塔と参道
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須永商店

赤門寄りにある「須永商店」。キリンビールの看板が光に透けていて美しい…

須永商店

看板の電話番号が2桁なので、相当古いお店だと見た。

美しい光や

昔のままの看板が残されているのがポイント高い。

ヤマサ醤油

たばこのショーケースも。扱っているのが酒類が多いので、店内には入らなかったが、気になる看板が多くあったので今度お話を伺いたいな。

TOBACCO

須永商店、よく見たら大本山法華経寺御用達と書いてある。

大本山法華経寺御用達

青年のビール!サントリービールのキャッチコピーが時代を反映している。

青年のビール!

赤門へ。参道は、春は桜並木が美しいのでぜひ。夜桜も綺麗だったけど撮影が難しい。

赤門

謹賀新年。年末に訪れたので飾られていた。気持ちが引き締まる。

謹賀新年

駅からも近い立地なのでちょっと散歩に出かけるのにぴったり。祖父が持っていた2002年の地図と見比べながら、文化的な街・中山を探索してみてはいかがでしょうか?

2002年

 

(訪問日:2020年12月)

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