流山広小路~諏訪道。商家が並んでいた街並みは、新しく生まれ変わって -流山⑴

流山。観光地としても有名な場所ですが、行ったことが無かったので今回初上陸です。
流山電鉄終点、流山駅から街道沿いの古い建物を探して散歩しました。
明治牛乳 三徳牛乳店
千葉県流山市流山1丁目。流山駅から北へ進むと広い通りに出る。もう少し進むと「流山市立博物館」があるけど、時間の関係でまた今度。
この通りは「諏訪道」と呼ばれているらしい。

私の好みな建物を発見!テンションが上がる~

明治牛乳 流山販売所 三徳牛乳店。既に廃業してからだいぶ経ってそうだけど…

明治牛乳のロゴマークが昭和…初めて見た。しかもしっかり綺麗に残っていて珍しい。

創業当初のマークは「アサヒマーク」というらしい。よく見たら、中央には「乳」の文字が入ってる。
マークは昭和61年まで使用されたそうだ。しかし、「サイコロキャラメル」にはマークが残っていたものの、平成28年に終売したという。明治のサイコロキャラメルが終売していたの、知らなかった!びっくり。
ロゴマーク、覚えている方も多いのかな?
追記:2025年1月
地元の方より、20年くらい前まで営業していたみたいです。もっと大昔には、周辺はみんな牧場だったみたいです。
万上通り
牛乳店の横道にも看板が。この通りは「万上通り(まんじょう)」。万上は、この場所で醸造が成功した「白みりん」のブランド名に由来しているらしい。

万上通りは、ずっと南へ続いており、流山キッコーマン工場まで伸びている。
裏道だが、呉服店が営業していた。

呉服店の奥には古そうな蔵も。いつから営業しているのだろう?

隣には「マキノ洋品店」。

万上通りは次の記事で詳しく紹介する。
諏訪道 広小路
先ほどの表通りに戻る。街灯に「しにせぞろいの広小路」と書いてある。

「幕末トラベラーズ」に流山広小路のことが書いてある。
流山広小路は旧流山街道に沿った一帯で、江戸期には河岸が整備され、東北・関東北部などからの物資の集散や江戸中期から発展した流山の味醂(みりん)の出荷などで賑わった。
北寄りの羽口の渡しから流山に進入した新政府軍は、ここ広小路三叉路で左右に分かれ、新選組を挟撃する陣形を取った。
広小路を中心に江戸時代から昭和40年代まで多くの商家が軒を連ねていたという。現在は建て替えられて住宅も多い。

中でも気になった看板。なんで時計屋さんの看板って心躍るものが多いのだろう?

老舗ぞろいと言うほど、古い建物が無いような…変わってしまったのかな。

大阪屋
看板に「大阪屋」と書いてある建物。史料等に出てくるというのだが、ネットには情報が少ない。

諏訪道
諏訪道は、分岐を北に進む。江戸川の加村河岸と利根川の布施河岸を結ぶ陸路である「諏訪道」。江戸時代から重要な物資として栄えたそうだ。

この時は気づかなかったが、左手、江戸川方面に行くと「矢河原の渡し跡」が残っているそうだ。

ましや呉服店
街道らしい道幅の狭い道が続いている。両側に個人商店が多そうだ。

手前にある「ましや呉服店」。

当店は「安政の大獄」、「横浜港開港」と日本が激動していた幕末・安政6年(1859年)、当地に呉服太物商「増屋」を創業致しました。
江戸・明治・大正・昭和・平成と各時代に、流山の近郷近在のみならず大勢のお得意様に支えられ、「柄自慢」をキャッチフレーズに「真心の商売」「本物の商品」をひたすらに追い続けて参りました。
ホームページが凄くカッコ良い!幕末に創業した老舗呉服店だ。

関東大震災以降、防災及び街路の拡幅のため看板建築様式に改造されたのだという。

土蔵は明治3年に建てられたもので、流山本町地区で現存する最古の土蔵の一つとされている。
先ほどの流山広小路についても説明書きが。蒸気船の寄港もあったのか~

呉服以前は、醸造業を営んでいたそうだ。旧街道に沿って並ぶ建物と土蔵は当初からあまり変わらない、貴重な建物だという。

現在は、「toronc(トロン)」というオシャレなカフェに。土蔵をリノベーションしたみたい。

あかり館@雑貨konocono
築80年の乾物屋の商店を改築し、雑貨屋「あかり館@雑貨konocono」に。和紙照明器具と雑貨、パンを扱っている。焼きたてパンが美味しいんだって!

住所表記のホーロー看板も!残っていて嬉しい。

流山はリノベーションされておしゃれなお店が多いな~

諏訪道の先
諏訪道は元乾物屋の隣の道を抜けて江戸川へ。ここから先は諏訪道ではないが、お店がポツポツ並んでいた。

中野屋豆腐店。昔ながらの豆腐屋さん。

こちらは「江戸屋うなぎ店」。うなぎ料理店。創業は70年以上前!かなり美味しい鰻みたいで一度食べたみたいな…

この先も良さそうな街並みだったけど、今回はここまで。また今度江戸川沿いに北上したいな。

高山せんべい店
さっきの雑貨屋の向かい側「高山せんべい店」。創業は70年以上前と、おばあちゃんから教えてもらった。レトロな外観に惹かれて、営業していたのでつい立ち寄った。

ひび10枚400円。

これ以外商品陳列されてなかったけど…

手焼きのせんべいは、早めに行かないと品切れするみたい。美味しい。

元斎藤病院・キッチン菜の花
諏訪道の分岐に戻ってきた。角には「元斎藤医院」。

和風な病院建築も、しっかりと看板が設置されていてわかりやすいな。

「キッチン菜の花」はお弁当屋さん。このお店もリノベーションされているみたい。

呉服新川屋店舗
立派な佇まいに思わず目が引かれる「呉服新川屋店舗」。

呉服新川屋は、1846年創業。建物は明治23年(1890)に建造された。国登録有形文化財に指定されている。

銀行だった頃の蔵もあるみたいで貴重。

電話15番!昔の電話の看板がそのまま残されていた。

土蔵造りの分厚い壁が特徴的な建物。

かつて繁栄を残す貴重な建築。これからも残ってほしいな。
笹屋商店
向かい側にあるのは創業万延元年(1860)の「笹屋商店」。寝具店として営業中。


コカ・コーラのベンチ。利根コカ・コーラ…と書いてある。

カフェ「灯環」
笹屋商店の奥にあるのが、蔵をリノベーションしたカフェ「灯環」。

明治31年(1898)に建造された土蔵でいただくランチ。

カフェの詳しい情報については次の記事で!
流山は、歴史、文化財を残そうという意思を感じる街並みだった。こういう街は探索していて情報がわかりやすいので助かりますね!
(訪問日:2020年11月)
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三徳牛乳さん、20年くらい前まではやってましたね。うちでも昔は牛乳配達を頼んでいました。
もっと大昔には、周辺はみんな牧場だったみたいです。流山博物館(図書館と同じ建物)に、明治時代のこのあたりを再現したジオラマがあります。10年くらい未確認なので現存しないかも知れませんが、大変参考になると思います。
なお流山(特に根郷・宿)の地域研究としては、6丁目にあるイワハシという老舗洋品店の方が運営している、こちらのブログが非常に参考になります。直接交流はないんですが僕の先輩なんですよ。
https://yagimitinomise.livedoor.blog/archives/1776508.html
情報教えてくださりありがとうございます!牧場だったのですね…想像できないくらいです。ジオラマ探しに行ってみます!