「長生郡役所玄関」一部保存!茂原に残る近代建築/老舗旅館探索 -茂原⒇

「長生郡役所玄関」一部保存!茂原に残る近代建築/老舗旅館探索 -茂原⒇

茂原駅から商店街に残る近代建築を中心に記録。以前気づかなかった「長生郡役所玄関」が一部保存されているなど、何度歩いても楽しい茂原です。

JR茂原駅~裏道の料亭?

千葉県茂原市千代田町1丁目。JR外房線「茂原駅」へ。

2022年7月。ちょうど「茂原七夕まつり」の季節で駅構内にも飾りつけがあり華やかだった。

茂原駅にて

2022年は未開催だったが、2023年は4年振りに開催されたとのことだったので行きたかったが予定が合わず…!関東有数の七夕祭りで思い出深い方も多いのではないでしょうか。

西口方面

駅を抜ける爽やかな風に揺れる飾り。

改札前

茂原七夕まつりの歴史自体は昭和50年からとのこと。この後歩く、榎町通りが7月下旬七夕飾りで彩られる。また来年伺えたらと思います。

JR茂原駅西口から古き商店街が広がる西側を目指し歩く。今回は母と。母は茂原探索初なので茂原を案内したいという思いもあり。

千代田町一丁目から榎町通りへ。以前気づかなかったが、そのすぐ脇道に料亭風の建物があった。

裏道にて

2012年のストリートビューを見ても看板が撤去されているので営業していたのは随分前の話か… もしご存知の方がいたら教えてください。

看板は無く

上空写真を見ると表から想像できないほど奥に広く鬱蒼と茂る屋敷のような雰囲気。

歴史深そう

その後は榎町通りを西へ。かつてのアーケード屋根は撤去されている。

可愛いショーケース跡

以前の記事↓

https://deepland.blog/mobara-syoutengai-2/

「茂原榎町商店街」の現在。「まちの顔」だったアーケード商店街は… -茂原⑷

榎町通りから見えた茂原市立茂原小学校の校舎。窓枠の感じからして古そう~と思ったら、創立150周年を超える歴史ある学校だった。

茂原小学校

明治6年、藻原寺内に仮校舎として開校。茂原小学校ホームページの沿革に詳しい歴史が紹介されている。ちなみに二宮金次郎像は現存していないとのこと。

かつての一番街
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榎町商店街の元病院建築

引き続き榎町通り。個人的に好きな建築がこちら。

元歯科医院で現在は営業していないが、和風建築の病院…素晴らしい。

2階の様子が気になる

隣の「ヤリタ靴店」も木造建築で手前だけ改装されていて洋風な雰囲気が好き。しかも現在は「レモニズム Re.monism」というオシャレなカフェになっている!

旧ヤリタ靴店
取扱品が記載されている

榎町から伊南房州往還へ。

旧杉田屋本店

この辺りは、2007年頃の茂原の写真をまとめた記事があるので興味がある方は合わせてご覧ください。

https://deepland.blog/mobaraginza-2007/

【2007年】茂原の古写真。銀座通り商店街~高砂通りの看板建築

横から見ると奥に長い

まるで鰻の寝床のような細長い街道沿いの一軒。

元寝具店
裏道の方神神社
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本町通りの近代建築/武田屋旅館

国葬128号線沿いの本町通り。松本書店は歴史のある書店で、戦前には絵葉書も発行していたことが手持ちの絵葉書からわかる。

松本書店

現在は営業していなさそうだが一宮とか幅広く絵葉書の発行を行っていたようで、話を聞いてみたかった。

交差点から西へ。

国道沿い

鈴木金十郎商店の店舗も古そうだが、Googleマップでは閉業とのこと。

鈴木金十郎商店

その隣には茶葉販売店「白井園」。ホームページを見たら「慶長年間発祥の本町店」とのこと!慶長年間…安土桃山時代~江戸時代初期の創業とのことで、驚くほどの歴史があるが県内の茶葉販売店の中でもトップクラスの老舗では?

白井園
店舗の築年数も気になる

 

国道沿いに残る煉瓦壁。建物は新しくなっているが家を囲む壁は煉瓦のまま。凄い。

煉瓦造りでカッコ良い

この通りに「茂原庁南間人車軌道人車」が走っていた頃を彷彿とさせるよう。

隣の店舗奥には蔵も。現在は鍵専門店。

奥に蔵があった
持ち送りが

 

反対側にも煉瓦壁
国道沿いの旧商家

旧村田屋本店。茂原は先日の台風の浸水被害が心配…

昔の看板も

また、その近くの一本南側の裏通りには「旅館鈴木屋」。

旅館鈴木屋

創業100年以上と老舗旅館。トロン温泉が良いな~
建物は新しいがいつか泊まってみたい。

現在の鈴木屋

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長生郡役所玄関(市指定文化財)

旅館鈴木屋を見に来たら、向かいの保育所の隣に近代建築の欠片が!!知らなかった~

一角に

茂原市指定文化財の「千葉県長生郡役所玄関(車寄)」。

千葉県長生郡役所玄関(車寄)

茂原市ホームページによると、明治期の長生郡役所の玄関部分だけを保存したそう。

 長生郡役所は木造1階平屋建て、寄棟造(瓦葺)の建物で玄関に車寄があった。現存しているのは、車寄の部分である。

長生郡役所の前身は、長柄・埴生郡役所といい、明治11年(1878年)に郡区町村編制法により、東光院を仮庁舎として設立された。同13年(1880年)には、埴生郡が上埴生郡に改められ長柄・上埴生郡役所と改称、庁舎も茂原町南三原(現茂原市茂原)に新築移転、明治30年(1897年)には長柄郡と上埴生郡が合併して、長生郡となり、千葉県長生郡役所と改称、大正15年(1926年)に廃止されるまで、4町22村を管轄し、県と町村を繋ぐ行政機関として大きな役割を果した。

その後、土地と建物は千葉県から個人が払い下げを受け、昭和5年(1930年)に私立朝日の森保育園として再生した。平成4年(1992年)、茂原市に寄贈され、翌年に茂原市立朝日の森保育所と改称。同10年(1998年)、全面改築の際、郡役所の玄関(車寄)を歴史的遺構として保存した。

そしてここにある保育園は昭和5年~平成10年まで郡役所の建物を使っていたということか…それも凄い。

フェンスの中でさらに横向きに展示されているので近づいて見ることが出来ないが…一部分だけでも保存、展示されているのは嬉しい。

 

内部には何か写真が展示されているようだが…

拡大したらここの「朝日の森幼稚園」の歴史が展示されているようだった。絵葉書かな?戦前から続く老舗の幼稚園ってなかなか聞かないわ…

朝日の森幼稚園の歴史

そして国道沿いの「まるへい」も創業160周年とある。茂原は老舗が良く残ってるな~

まるへい

(訪問日:2022年7月)

 



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