「中嶋商店」レトロな駄菓子屋を辿ったら、今は無き小さな商店街「寿会」を発掘してしまった -三山⑷

有名な商店街じゃなくて、小さな商店街。でも地元の方にとっては思い出のある商店街だから。
私はそんな商店街を記録に残していきたい。
今回見つけた商店街は、既に商店街は無くなってしまっている。しかし、その名残は現在も駄菓子屋が残していた。
駄菓子屋「中嶋商店」
千葉県船橋市三山9丁目。商店街を辿る前に、駄菓子屋を住宅街の中に見つけた。地図を眺めていると怪しいお店が見つかったりするのだ。

しかし、駅は遠い。以前紹介した三山央町商店街から、東に進んだ住宅街の中にぽつんと佇んでいる。京成実籾駅から歩いて、飲み屋街を通っていくのも良いかも。↓
「稲荷通り商店街」飲食店街。カラフルな昭和感溢れる建物が並ぶ飲み屋街 -実籾⑵

駄菓子屋の外観はパーフェクト!レトロなガシャポンも。

外から店内をちらっと。おばあちゃんが一人で店番をしていた。

こうした駄菓子屋も一期一会。いつ閉店してもおかしくないので、勇気を出して入るしかない!
懐かしい駄菓子屋へ
店内には3つの棚にたくさんの駄菓子が販売されていた!品数が豊富でびっくり。

駄菓子屋の店内
瓶ジュースも。コーラは110円で、高校生くらいの子供が買いに訪れていた。

熊のシールかわいい。

綺麗に整頓されていて、買い物がしやすい。

最近、駄菓子屋に行くことが多いけど、子供の頃は自由に変えなかったから今は楽しい。

おばあちゃんはなんと、85歳!びっくりするほど若い方だった。商売をしている方は若くていつも驚かされるな…

50年前に始めた「中嶋商店」。元々は文房具屋らしい。確かに棚のつくりが文房具屋らしさがある。

この日も大量に購入してしまった。最近は子供が外で遊ばなくなったため、客足も激減したという。

そのため、高校生以上、大人の客も多いらしい。
レジスターもレトロ!普段あまり見かけない。

文房具屋の名残
糸を販売していた棚。中央のシールが素敵。

棚の横を見てみると、見たことが無いシール…
スプライトって書いてあるのだけれど、こんなキャラクターいたっけ?

と思ったら販促用ステッカーみたい。隣にあるのは電球のフィラメントが切れていないか確認してから売るものらしい。初めて見た!

ボーリングのピン?!と思ったら、貝印のツメキリと書いてある。中身はツメキリだ。どうやって取り出すのか疑問だ。

ポスターも年季が入ってる。

エスキモーアイスクリーム冷凍庫。エスキモーのタイプは珍しい気がする。

エスキモーは、2010年に31年の歴史に幕を閉じている。「MOW」「PARM」「ピノ」といった人気商品を展開していたが、「森永乳業」ブランドに変更したらしい。
という経緯があるので、今の若い世代は知らないかも。

コスモスのガチャガチャ、知らなかったので調べたら創業から倒産まで11年というかなり興味深い歴史を発見。

ガチャガチャ全盛期の頃のおもちゃを持っている方とかいるのかな。
雑誌や新聞なども販売していたらしい。

本棚の下の傘立て?

コカ・コーラのポスターは、サッカー選手のラモス?

商店街の証
レジの壁には2つ、立派な板が飾られていた。

おばあちゃんに聞くと、商店街のみんなで各店舗つくった看板だという。

「寿会」というのがこの周辺の商店街の名称。下には店舗名が描かれている。情報が少ないのでとてもありがたい。
中央の大入りのデザインが素敵。

現在は商店街だったことすらわからないくらいだが、大変賑わった場所だったんだなあ…しみじみ。

おばあちゃんから、商店街の情報を伺ったので早速探索に。中嶋商店のある通りから県道57号線まで。昔は車の交通量も多かったらしい。
寿会の現在
中嶋商店は商店街の中央辺り。ここから左右に伸びていたんだな。現在は閑静な住宅街。たぶん地元の人以外、ここが商店街だなんて気づかないと思う。私、良く見つけたな…

クリーニング寿屋の看板が目立つ。商店街の名残かな?

しかしどこにクリーニング寿屋があるのか…見当たらない。

アパートの隣、商店らしき建物は横に文房具屋で見るような棚が放置されていた。

通りを抜けると、新しいマルエツ船橋三山店。ここも元々は川崎重工の社宅だったそうで、多くの子供がいたのも納得。2013年に解体され、跡地の利用検討についての記事があった。

新築が並ぶ…

「みしば電気」は現在も営業中らしい。

奥が商店街。社宅から商店街へはすぐだ。

商店街を、実籾駅方面へ歩く。

理容「山ゆり」。レトロな外観がそのままで営業しているのが素敵。

その隣は花屋「花ぶき」。大きな店舗だがシャッターが閉まっている。

こちらは飲食店だろうと感じる佇まい。

ひたちすし、という寿司屋。

看板の名前も見えなくなっており、既に閉店した時間が経っている。残念。

木谷コーポは、1階に店舗が併設されているみたい。

県道57号線まで出てきた。角には花屋が営業中。

商店街を出た場所にあるしまむらは、元々製瓶工場→スーパー「サミット」だったらしく、地域の方にとって欠かせない場所だったようだ。

この周辺は「福寿台町会」と看板にも書いてある。

地元の方によると、福寿草がたくさん咲いていたことから名付けられたという。素敵な名前だな…
商店街も「寿会」って凄く縁起が良い。
地元の方の情報によると、魚屋、スナックのような飲食店、文房具屋、中華料理屋、編み物教室、食料品店が道沿いに並んでいたという。今の風景からは想像できないなあ。
看板が放置されている…
そしてさらに私は見つけてしまった…
県道57号線とは反対側の商店街の端。俗に言う「マラソン道路」という道にて。

ごみ捨て場に、商店街の店舗が書かれた大きな看板が放置されていた。

知らなかったら通り過ぎてしまいそうだが、私はここに商店街が存在したことを知っている。
貴重な店舗の看板。記事で紹介した、まこと屋酒米店、中嶋商店の名前も。

看板を見ると、どれほど店舗数があったのかがよくわかる。

日暮商店、そばや、中華料理屋は現存していないので看板から存在を知った。

裏面にも店名がびっちり。この看板はどこに存在したものなのだろう?アーチとかあったのかな?

現在は跡形もない商店街。

商店街近くにある、マラソン道路は演習鉄道路線跡地。この道を辿るのも面白い。
古そうな建物は一体なんだろう?

寿会、船橋市三山のこの商店街について言及している人は少ないだろう。
有名な商店街だけでなく、小さな商店街にも思い出があるはず。私は余所者だけど、こうした小さな知られていない商店街の情報をこれからも記録に残していきたい。
(訪問日:2020年11月)
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