実籾本郷公園「旧鴇田家住宅」江戸時代の名主の家を移築した曲家を無料で見学 -実籾⑼

実籾本郷公園「旧鴇田家住宅」江戸時代の名主の家を移築した曲家を無料で見学 -実籾⑼

実籾駅周辺。なんと、2つも古民家が保存されている!

今回は、実籾本郷公園にある、約300年の歴史を持つ「旧鴇田家住宅」です。

実籾駅から、実籾本郷公園へ

旧鴇田家住宅は、実籾本郷公園にある。千葉県習志野市実籾2丁目。

京成本線「実籾駅」南口からは徒歩約10分ほど。駐車場もあるので、アクセスは良好だ。

実籾本郷公園

まず見えたのは「民話の広場」と呼ばれる広場。千葉県の民話を紹介する場所なのだが…

看板の状態が残念で、読めない。

看板が

右の千葉県の地図は読めるので、知らなかった民話が勉強になりました。

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旧鴇田家住宅を見学

「旧鴇田(ときた)家住宅」は公園の中心にある。新型コロナウイルスの対策のため、名前と住所を記入するが、観覧料は無料!有難い…

入り口

正面に、大きな茅葺屋根の主屋。門をくぐったら、タイムスリップしたみたいだ。

正面に現れたのは

旧鴇田家住宅の歴史

習志野市のホームページに詳細がまとめられているので引用する。

千葉県指定有形文化財(平成17年3月29日指定)
鴇田ときた家住宅は、享保きょうほう12年(1727)から翌13年にかけて東金(御成おなり)街道沿いに建築され、江戸時代に実籾村の名主なぬしをつとめた鴇田家の住居として、平成3年(1991)まで使用されていました。平成12年10月にほぼ建築当初の姿で移築復原され、同年11月に開館しました。

江戸時代に建てられた、鴇田家住宅。平成3年まで使用されていたことに驚いた。

その後、公園内に移築復元。現在も大事に保存されているのが嬉しい。

説明看板

L字型に曲がった主屋おもやは、かつて東北地方に多く分布していた「曲屋まがりやであり、南関東ではきわめて珍しい建築様式です。また、この住宅は、身分の高い人が来訪した時に使う「ゲンカン(玄関)」や、その供の者が待機した「トモマチベヤ(供待ち部屋)」、江戸時代の民家としては貴重な客便所など、名主の家にふさわしい特色を伝えています。

なんと、東北地方でよく見られる建築様式。なぜ、習志野市で取り入れられたのだろう?その経緯も気になる。名主の家だからこんなにも立派なお家なのですね。

曲家
建物の構造

ホームページに詳しい内容があるので、気になる方はぜひ見てください。

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ドマ

まずは土間から。広ーい土間の空間に圧倒される。

奥にあるのが土間

午前中は毎日、釜戸で火を焚いている。その煙によって、茅葺や木材をコーティング、防虫することができるそうだ。木が真っ黒になっているのは、日々の煙の効果。

燻している

普段、かまどで火を焚くのさえ見ることは少ないので貴重。燻す匂いは好き嫌いが分かれるようだけれど、私は好き。

釜戸

イタノマ

靴を脱いで、イタノマへ。

イタノマ

中央には囲炉裏がある。囲炉裏の説明があるので勉強になる。

囲炉裏

かか座、客座、横座。どこへ座ってみようかしら。

囲炉裏にて

ザシキ

イタノマの隣の部屋。木製の古い箪笥をよく見ると、徳川の葵の御紋!

葵の御紋が描かれたタンス

徳川と何か関係があったのかな?凄く不思議。

考えたら、東金街道沿いにあった名主の家。東金街道というのは、徳川家康が鷹狩の為に突貫工事で完成させた街道だ。そう考えると、徳川と何かしら関係性が深かったのも納得がいく。

仏間も立派だ。

仏間
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オクノマ

奥は畳の部屋。日本人に生まれて良かった~と感じる瞬間である。なぜかここに座っていると落ち着く。

風が抜ける部屋

縁側も広いので、腰を掛けて一休み。新型コロナウイルスの影響で、普段より人が多いようだが、以前訪れた時は高齢の方が一人で読書をしていた。

地域の憩いの場、隠れ家みたいな感じだ。

縁側

縁側を広角レンズで撮影してみた。どう?迫力があるでしょう?

広角レンズで撮影

奥には、客用の便所。和式だけど陶器のデザインが素敵。

便所

縁側に座っていると、「チリン、チリン」と聞こえる音。

水琴窟

「水琴窟」と呼ばれるもの。空洞の中に水滴を落下させて、その反響した音を楽しむもの。日本庭園などでよく見られる。

縁側で水琴窟の優雅な音に耳を澄ます休日…最高。

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改修工事

旧鴇田家住宅は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、建物内外で多くの被害を受けました。
主屋では、土壁に無数の亀裂が入り一部崩落しました。また、オクノマ(奥の間)にある床の間の部材やトモマチベヤ(供待ち部屋)の板戸が損壊し、落下しました。
敷地内では、地盤沈下と液状化が発生し、地割れが生じました。さらに、建物の基礎にも不具合が生じ建物自体が傾きました。
そのため、平成26年度から27年度にかけて災害復旧工事を実施しました。

東日本大震災でかなりの損傷を受けたそうだ。震災でそのまま取り壊しになった文化財の話なども聞くが、その後無事に復旧されて良かった…

被害の様子

工事の際は、建物を移動させて傾いた地盤の調整なども補修したようだ。かなり時間とお金がかかっているはず。

工事の様子

私たちは、こうした文化財がどのように保存、修理されているのかまで知ることが大切だと思う。見学は無料だが、こうした文化財を守っていくのは、これからの私たちだ。

平面図

震災の被害の写真が展示されていることで、よりリアルに文化財の維持の大変さを知ることができた。

桜並木が満開に

春になると、公園内の桜並木が綺麗だ。

桜並木

桜のトンネル!そんなに有名ではないので、撮影もしやすくて穴場かもしれない。

また、鳥を撮影しようとカメラを構えている人も多数いる。下の写真は、一眼レフではなかったのだが、青い鳥が綺麗に映った。

綺麗な鳥~

写真を撮るのが好きな方は、この公園内は被写体が多くあるので良いスポットだと思う。

ほたる野

実籾本郷公園はかなり広いので散歩にちょうど良い。

公園の案内図

奥には「ほたる野」という場所がある。習志野市自然保護指定地区で、習志野市最後の田んぼが残っている場所だ。

ほたる野

四季折々のイベントが開催されているようだ。田植えの体験、私も未経験なので挑戦してみたい…良い取り組みだなあ。

ほたる野の看板
大きなこいのぼり
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カフェ・ギャラリー「樹亭夢」

さらに、公園の南側にカフェがある。

公園の南側

看板が個性的!カフェ・ギャラリー「樹邸夢(ジュテーム)」。

樹邸夢(ジュテーム)

階段を上ると、民家のような建物が樹邸夢だそうだ。看板がとても目立っている。

階段の上に

こんな場所に!とびっくりしてしまう。営業しているのかよくわからなかったので、この日は諦めてしまったけど、どんなお店なのだろう?

勇気が出ず

でも、スリッパが用意されているので営業中だったかな…

鴇田家住宅以外にも、広大な自然が広がっている公園。駅からも歩いて行ける距離なのでぜひ~

 

(訪問日:2021年1月)

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