【レンガの門】100周年を迎えた千葉大学園芸学部の旧正門に残るレンガ造りの門

千葉県松戸市にある千葉大学園芸学部。松戸キャンパスの裏手には旧正門として使われていた、レンガ造りの門が残っていた。松戸駅周辺には、レンガ造りの門や橋、蔵などが多数残っている。
現在は、住宅地に囲まれ、鬱蒼とした茂みがレンガ造りの門を隠しているが、100年もの間、この地で見守ってきた門は無言で私たちに語り掛ける。
千葉大学園芸学部の旧正門
千葉大学園芸学部へは、松戸駅から歩いて向かうのが良いだろう。多くの学生が松戸駅から大学へと向かっていた。しかし、正門は松戸駅とは真反対側にある国道6号線に面しているため、裏門から松戸キャンパスへと入っているようだ。
今回紹介するレンガ造りの門があるのは、千葉大学園芸学部キャンパスに隣接している戸定が丘歴史公園を、沿線沿いに南下したところにある旧正門だ。

駅からも遠いため、旧正門からキャンパスへと向かう人はほぼいないのではないかと思う。私が訪れた時も、門の前に駐車をして紫陽花の撮影に夢中になっている女性がいるのみだった。
なにより、旧正門を抜けて、急勾配の坂と両脇に生い茂る緑に、別世界のような場所に思える。夏に呑気に歩いていたら蚊の餌食になりそうだ。

旧正門のレンガ
旧正門のレンガは、林に埋もれるかのようにひっそりと両脇に構えていた。

「千葉大学園芸学部」と書かれた看板は新しめ。レンガは茶色ではなく、変色してオレンジ色になっている。
遠目から見ると、状態が良く残っているように見えるが、近くで観察すると傷みがひどそう。
レンガ造りの門に、ところどころ赤や白いコンクリートで埋められているのが気になる。
アメリカ軍や、レンガの供出から守るためにレンガを隠したなどと言われているが、真偽はどのようなものなのか。もう少しマシな対処は無かったのだろうか。100年近く保存されているレンガ造りの門、貴重だと思うのだけれど…

長手と小口が交互に重なったフランス積みのレンガの積み方のように思うが、どうだろう。
こちらは緑色が侵食している。
ひっそりと裏で陽も当たらずに佇むのは勿体ないような気もするレンガ造りの門。
あまり注目されている場所ではないが、一見の価値はあるだろう。
旧正門脇の茂み
旧正門の手前に、夏にしても茂りすぎではないかと思うほど無法地帯の場所があった。しかし、茂みを囲むように青い装飾のついた囲いが気になる。
そして近づいてみると、看板で案内が出ていた。
維新の志士、竹内啓先生の墓とある。
…こんなに茂っているのに墓と。どこに墓があるのだろう。埋もれているのか。
調べてみると、このあたりは松戸城の敷地らしい。松戸城から千葉大学園芸学部へ。その変遷も調べてみよう。
(訪問日:2020年6月)
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