【松戸】大正ロマン?元病院らしき美しい魅惑な建物~根本眼科~

【松戸】大正ロマン?元病院らしき美しい魅惑な建物~根本眼科~

松戸の住宅街にひっそりと眠る建物。瓦もビニールシートで覆われており、人影もない建物は廃墟として認定されてしまうだろう。しかし、よく目を凝らしてみると、細部にまで行き渡ったデザインの美しさにうっとりしてしまう魅惑の建物がそこにある。

あいにく、雨が降りしきる日で画質は悪いが、それはそれで良い味を出しているのかもしれない。

 

春雨会の通りに眠る病院らしき建物…

そんな魅惑な建物が建っているのは、「春雨会」と呼ばれる通り。
千葉県、松戸駅を降り、旧水戸街道を南に向かって歩く。「春雨橋」と呼ばれる橋を渡ると和菓子屋 「栄泉堂」が見える。その次の江戸川の方面にある路地を覗くと、そこが春雨会と表示された通りだ。

 

「荒川美容室」のレトロな看板を目印、路地に入る。

 

左手が美容室

どこにでもありそうな住宅街が広がっているかと思いきや、古いアパートや民家がちらほらを見え、昭和で時が止まっているかのような雰囲気だ。

 

赤いアパートが目を引く

 

魅惑な建物とレトロ電柱

松戸印刷所の隣にあるうっそうとした建物が、元病院らしき魅惑の建物。

目の高さくらいまで、塀があり、さらに草木を生い茂っているため、建物の全体像は見にくい。

 

特に気になったのは、入り口部分。

入り口が素敵

入り口の上部には、薄紫色をしたランプが現存しているのだ。

このようなタイプのランプは初めて見た。銅のデザインと、丸い筒のランプから漏れるあかり…何とも言えない気分になる。ランプの後ろになる欄間(らんま)もランプの美しさを引き立てているようだ。

 

入り口を覗いてみると、さらに衝撃が走る…!

 

入り口を覗いてみた

ただの木の柱かと思っていたが、下部にはデザインされた白い柱が構えているではないか!こんなに精巧な柱のデザイン…放置されているのがもったいないくらいだ。

石膏?の柱。石だからか、状態も良い。

柱のふもとには、金庫のような緑のモノも見えた。

 

金庫のような?

木の柱部分には、「保健医療機関」のプレートも確認できた。病院であったことは間違いなさそうだ。

 

保健医療機関のプレート
電話番号?らしきプレートも

 

瓦は、自然災害の影響か崩れかけており、ビニールシートで一時的に補強がしてある。
が、それも剥がれており、無惨な姿に。

 

無惨な姿…

 

屋根の上には、まだまだ気になるモノが。丸い円筒みたいな素敵な装飾…

 

瓦の上の装飾が気になる

空の美しさとマッチして、独特な雰囲気を醸し出している。
どのような意味があるのか…

 

窓の冊子は、錆びれて茶色くなっているが、元は白く染められていたのだろうか。
また、ハートの形に見える窓の格子のデザインもお洒落だ。

 

冊子も何気にお洒落

そして、見逃してはいけないのが、玄関に立つレトロ電柱。
こちらは装飾も少し残っており、当時の姿を想像できる。

装飾も健在だ

レトロ電柱が放つあかりが、病院を照らす。何か物語が産まれそうな雰囲気である。

ランプ、窓の冊子、柱、塀…すべてが計算された美しさのようだ。

 

病院らしき建物は根本眼科…?

病院の歴史を調べるべく、松戸の鳥瞰図を開いた。
松井天山が昭和5年に描いた松戸の鳥瞰図を見ると…

 

昭和5年松井天山の鳥瞰図より抜粋

黄色く囲ったところが、「根本眼科医院」とあることから、眼科だったことが推測できる。隣には、松戸印刷所が確認できる。

根本眼科医院の向かいには、病院があったようだ。青く囲った、「山下医院」や「三浦医院」があったため、根本眼科は病院ではなく、眼科だったのだろう。それにしても、昭和5年(1930年)から同じ場所に立っている建物とは…貴重である。

隣の空き地

空き地

根本眼科の隣がぽっかりと空き地になっているのが気になった。しかも最近壊されたような…。帰宅してから調べてみると、グーグルアースでは建物の存在を確認できた。
「妙晃寺 松戸別院」と書かれている。妙晃寺のホームページを見ると、2019年の時点で老朽化で取り壊しになったとある。この場所から流山へと10年前に移転したのだが、別院として旧本堂が残っていたようだ。(惜しい…)

 

鳥瞰図と照らし合わせてみたが、昭和5年の地図に寺が確認できないことが納得できる。当時は「~亭」とあることから、料亭のような場所があったのだろうか。グーグルアースでは、アパートにしては異様な形の建物が確認できるが、更地になってしまった今、確認できる術はない。

根本眼科の建物も、時代の波に飲まれるのは時間の問題だろう。

 

訪問日:2020年6月