1964年”五輪マーク入り記念たばこ(Peace)”を拝見させて頂いた

1964年”五輪マーク入り記念たばこ(Peace)”を拝見させて頂いた

今回は、増尾共栄商店会へ。今はあまり活気が無い商店街ですが、なんと、1964年東京オリンピックの時の記念の煙草のコレクションを見学させていただきました。

素敵な出会いに感謝です!

増尾共栄商店会を歩く

千葉県柏市増尾台3丁目。前回のつづきで、増尾駅西口から歩いて南へ。

名糖牛乳のベンチ

ユニクロやライフなどチェーン店がある大通りを歩き、交差点で右折。

大通りにて

柏市立増尾西小学校の西側の通り、シンプルな街灯が並んでいるがここが今回の目的の商店街である。

柏市立増尾西小学校の西側

訪れた時は街灯に看板や表示が無く、本当に商店街なのか?と疑ってしまうほど静かな商店街だったが、2018年のストリートビューには商店街の名前が書いてあった。

現在の様子

「増尾共栄通り」なぜ看板が撤去されてしまったのだろうか。

それは過去のストリートビューを見ていたら分かった。かつて通り沿いに面していた商店が次々と新しい建物に建替えられており、商店街としての街並みも消滅しているからである…

さらに進むと和菓子屋「千葉家」があったが、営業しているお店はほとんど見かけなかった。本店が増尾駅前にあるらしい。

千葉家

ホームページにも手作り和菓子の老舗と紹介されているので、歴史がありそう。今回は見逃してしまった。

2008年頃は、和菓子店の隣に、増尾文具店、薬局など昭和のお店が並んでいたようだ。

特にますお文具店は、古本とも書いてあるので気になる…こういう個人経営の古本屋さんが昔は各地に存在したのだな…

Advertisement

東京オリンピック記念たばこ

商店街は面影も無いし、これで探索を終わりにするのは残念だな~と思っていたところ…

商店街から帰宅途中

ある建物のガラス越しに、見たことが無いカラフルなたばこが並んでいた。これは…?!

ガラス越しに

1964年、東京オリンピック記念たばこというもの!その探索の前日にちょうど、映画「地下鉄(メトロ)に乗って」を観ており、同じオリンピック記念たばこが登場していたのを思い出した。あまりにも偶然すぎて驚いた。

しかも本物、こんなに種類が揃っているなんて凄い!

記念たばこのコレクション

勇気を出してコレクションを撮影させていただけないか交渉することに。突然の訪問にも関わらず、快く承諾してくださいました。本当に感謝です。

Advertisement

五輪マーク入り記念たばこ(Peace)

1964年、東京オリンピック記念たばこ。銘柄はPeaceである。撮影しやすいように、わざわざ白い紙の上に並べてくださいました…

東京オリンピック記念たばこ

「たばこと塩の博物館」にも同じものが展示されており、ホームページに解説が掲載されている。

昭和39年(1964)
日本専売公社

昭和39年(1964)の東京オリンピックにちなみ、たばこは、「オリンピアス」や「とうきょう64」、デザインをオリンピックの各行事に変更した「ピース(五輪ピース)」が発売されました。

全競技種目をデザインした全20種類のたばこ。私が今回見たものは18個だったので、あと2つ足りないみたいだが、それにしてもこんなに揃っているのは凄いな~

60年近く前のもの

東京オリンピックは、戦後の日本の復興を世界に示すためにも国を挙げて取り組んだ行事でした。一つの行事に対し、これほど多くのたばこやポスターが作られた例は、東京オリンピック以外にはありません。国中が盛り上がっていた様子がよくわかります。

当時の成人男性の喫煙率は8割強。たばこが大会の機運を盛り上げていたとは、今の時代では考えられないくらいだな…

ちなみに空箱なので、中身は入っていない。潰さずに綺麗な状態のまま、60年近くも保存されていて本当に凄いなあ。

競技種目のイラストの裏には「第18回オリンピック東京大会記念」とある。

第18回オリンピック東京大会記念

横には「日本専売公社」。現在はJT。

日本専売公社

中を覗かせていただくと、金色の包み紙にも五輪マークが描かれていた。豪華…

金色の包み紙

また、オリンピック寄付金つきたばこ「オリンピアス」、外国人旅行者無化に記念してつくった「とうきょう64」なども発売されていたとか。覚えている方もいるでしょうか?

Advertisement

1964年東京オリンピックに関するグッズなど

また、たばこだけではなく、当時のパンフレットや非売品も展示されていた。対応してくださった奥さんが、当時選手村で働いていたらしく、選手村で実際に使われていたものを持ち帰り保存しているのだとか。

コレクションを見学
貴重なものも

パンフレットはオリンピックを観覧した際のもの。1964年10月17日に開催された陸上競技。前回の五輪は10月10日に開会。秋の開催だったのですね~

パンフレット
競技場案内
チケット袋

記念のメダルも綺麗に保存されていた。これは普通に販売されていたものなので、そんなに珍しいものではないと仰っていた。

記念メダル

珍しいのはこちらだという。何かわかりますか?

珍しいコレクション

選手村で配られていたお砂糖。大日本製糖株式会社による、小分けになった砂糖である。砂糖にまで五輪の熱い想いが伝わってくる。

私が訪問したのが、2021年7月末。ちょうど、東京2020夏季オリンピックの開会式が行われた数日後だった。なので60年近く前の五輪の記念品を見た時、こんなにも日本中が盛り上がっていたことに驚きを隠せなかった。戦後復興の象徴、それが今年ははコロナで静かなお祭りムードだった…

私が街歩きをしていて、という話をすると「良い趣味だね」と褒めてくださり、「また近くに来たら立ち寄ってね」と初対面なのに言ってくださったことがどれほど嬉しかったか…

コロナもあって複雑な気持ちで観ていたオリンピック、60年前のコレクションと出会って見方が少し変わった気がした。

 

(訪問日:2021年7月)

error: このコンテンツのコピーは禁止されています。