【レトロ電柱沼】松戸で見つけたレトロ電柱14本~総集編~

平潟遊郭も存在した千葉県の松戸駅。平潟遊郭にもレトロ電柱が多く現存しているが、今回は平潟遊郭以外の場所で見つけたレトロ電柱を紹介する。
住宅地の中にひっそりと佇むレトロ電柱。レトロ電柱から見えるその土地の歴史を楽しんでみてはいかがでしょうか。
このサイトではレトロ電柱を2種類で分けている。花街で良く見られる花街タイプと、特徴がない至る所で見られるノーマルタイプ。また、木の電柱も合わせて紹介する。

花街タイプのレトロ電柱
1.松戸神社参道
松戸市の総鎮守である松戸神社の参道。旧水戸街道から潜瀧橋までの参道で発見した。

鳥居をくぐり、古い灯籠が視界に入る。左手に一本、まっすぐ空に伸びる電柱。

花街でよく見られる装飾がついているレトロ電柱だ。キューブのような四角い装飾と、丸い装飾。現在も街灯として使われているようで線が繋がっている。
平潟遊郭に現存しているレトロ電柱とほぼ同じ装飾のようだ。松戸はこのデザインが主流だったのだろうか。
松戸神社の参道を華やかにするレトロ電柱。当時はレトロ電柱が立ち並んでいたのだろう。
2.松戸神社の近くから移動
松戸神社から見える松屋京染店の方面の路地。
一見普通の住宅街であるが、民家の玄関口にレトロ電柱があった。

下部がオシャレなデザインになっているのが花街タイプのレトロ電柱。
プレートもしっかりと残っている。

銀色の塗料が剝がれたような痕跡があることから、元々はレトロ電柱の色が銀色だったのかもしれない。銀色のレトロ電柱、そして装飾が凝っているとはとてもハイカラだ。

あまりにも興奮して撮影をしていたためか、御主人が話しかけてくれた。このレトロ電柱は、松戸神社の近くにあったものだったが、区画整理の影響でこの場所に移動してきたものだという。当時は丸い電球がすぐ切れてしまうため、取り替えるのが一苦労。現在はとても便利になったと話してくれた。
終いには、「そんなに電柱好きなら持って帰っていいよ」と。
え、持って帰りたい…!!
でも、電車で担いで帰るわけにもいかず、持って帰ることは叶わないため、写真に納めることにした。

そしてレトロなファンと、旧伊勢丹の展望レストラン。この三つが同時に撮影できる美味しい場所だ。
3.灰色のレトロ電柱
旧水戸街道から江戸川の方面の松戸郵便局に近い路地へと向かう。
元々は漁師町であったというが、その名残はあまり見受けられず、新しい一軒家が並ぶ通りがある。その新しい一軒家の玄関の前に銀色のレトロ電柱がある。上から新しく銀色で塗られているようで、見た目はお洒落な普通の電柱に見える。



現存しているプレートには、江戸川区と書いてあるのが確認できる。江戸川区で製造されていたのか。
4.路地の奥
流山街道を南に進み、増長院という寺が見える。流山街道から増長院の方面へ気の向くままに路地を進むと、地図にも載っていないような住宅の路地がある。
木造の平屋と細い砂利の路地に、一瞬タイムスリップしたかのような感覚に陥る。その路地の途中に、レトロ電柱が立っている。
松戸神社からも平潟遊郭からもだいぶ離れたこの場所で、なぜ花街タイプがあるのかはわからないが、宿場町だった名残だろうか。
5.浅間神社境内
松戸駅からは少し離れるが、千葉大学松戸キャンパスの近くにある浅間神社の境内で発見した。

山岳信仰の神社のようで、下から見上げる階段にゾッとするが、レトロ電柱があるのは頂上だ。散策疲れの足にはかなり堪えるが、レトロ電柱のために乗り切ろう…

鬱蒼とした樹林の中、鳥居の後ろにぴたりとくっつくようにレトロ電柱があった。最初鳥居をくぐった時には気づかなかった。それくらい、薄暗く存在感を感じさせない。
電線がいくつも繋がっている。
下部は丸いカーブがかかり、一番下の土台も洒落たつくりになっている。他の場所では、一番下が道路に埋まっているものが多いため、一番下まで見ることが出来るのは貴重だ。
夏場は蚊が多いため、長居するのは躊躇われる。レトロ電柱の撮影も命懸けだった。
追記:6.ホーロー看板付き!
松戸駅周辺はかなり探索していたと思っていたら、何度も通った道にまだレトロ電柱があった…
場所は、松戸駅東口から聖徳大学3号館の近く、セブンイレブンの並びだ。

いつもと違う流れで歩いていたら、反対車線から赤い看板が見えた。

最初は普通にホーロー看板に目が行ったのだ。これは古い!と思ったら、よく見ると…

ホーロー看板がついているのは、レトロ電柱(コンクリート街灯)だったのだ!これは二度びっくり!

10か月払い、洋装・呉服・家具・百貨、北千住電車通
北千住電車通は今のどのあたりだろう?路面電車が通っていた道かな?店名は愛?謎が残る看板だが、解明したらとても楽しそうだ。
調べたら、「丸愛」という百貨店が、現在トヨタの店舗の1階と2階に入っていたらしい。→「北千住にあった大型スーパー百貨店」

株式会社丸愛グループは現在もある!typeの転職サイトに載っていた。
大正13年に北千住の地に月賦百貨店として創業した丸愛。歴史のある同社は、現在マルアイグループとして飲食店のフランチャイズ経営やカラオケやボウリングなどのオリジナル店舗を運営する企業へ。地元に根付いた企業として、地域の発展に貢献している。
84年もの歴史を持つ同社だからこそ、非常に安定した事業と時代の流れを汲み取る柔軟さ、経営のノウハウなどは充分に蓄積されている。【事業内容】
◇不動産、駐車場賃貸・管理
◇「TULLY’S COFFEE」「びっくりドンキー」など飲食店のフランチャイズ経営
◇「カラオケステーション」「マルアイボウリング」など直営のアミューズメント施設運営
大正13年(1924)創業の老舗企業!現在は百貨店ではないみたいだが、当時の貴重な広告を見ることができて感動する。
さらに調べたら、国道4号線が路面電車が走っていたため、「電車通り」と呼ばれていたらしい。
ああ、美しいホーロー看板…好きすぎて一緒にツーショットを撮ってもらった。
通りすがったカップルには「あの人何撮影しているんだろう?電柱古いよね~」と言われたが、好きなものは好きなので気にしない!!

個人的にこの細長いタイプのホーロー看板に初めて遭遇したのと、デザインが好みだった。
しかし、上部が見えない…飾りは果たして残っているのだろうか。

奇跡的に2009年のストリートビューが残っていた!隣の空き地にも最近まで民家があったようだ。
蔦が全くないので上部も見える!なんと綺麗に飾りが残っているではないか!!歓喜!
でもホーロー看板の向きが違うのが気になる。
松戸駅東口周辺では、この一本以外見つけていないので、他にもまだあるかも…ホーロー看板付きのレトロ電柱とか私得でしかないから最高に嬉しかった。無電柱化が進み始めているので、こうした記録も貴重なものになるかも。
ノーマルタイプ
1.民家の敷地内
はし本旅館を探していた時、民家から伸びる電柱が気になった。
庭側に傾くレトロ電柱。しかし、倒れないように庭側からひもでくくりつけられているようだ。
青と白の装飾、また丸いデザインも残っている。電球を取り付けたらそのまま使えそうなくらい保存状態が良い。
2.松戸学園
増長院の裏手に、松戸学園と書かれた新しめの看板と古そうな木造建築がある。

その松戸学園の隣にレトロ電柱が木の陰に隠れている。
松戸学園がどのような場所だったのかは定かではないが、当時から行きかう人々に灯りを届けていたのかもしれない。
3.根本眼科
装飾の精巧さを至る所で感じる根本眼科。

根本眼科の民家側の入り口に、レトロ電柱がしっかりと立っている。根本眼科の設立もかなり古いと聞いたが、変わらず電柱が残っていることに風情を感じる。
4.捨てられたレトロ電柱
松戸神社の裏手、小川が流れる沿線の脇に、ゴミ集積場がある。
ペットボトルの袋のすぐ下に、折れて電線がむき出しになっているレトロ電柱を見つけた。
上下とも折られているようで、全体の長さは3分の一ほどになっている。
しかも、持ち上げようとしても女性の力では持ち上げることもできない。一体どこから持ち運ばれたものなのか。
5.浅間神社
浅間神社には花街タイプのレトロ電柱があると書いたが、ノーマルタイプのレトロ電柱も参道で見ることができる。


6.浅間神社のゴミ集積場
浅間神社から去ろうとした時、近くの弁財天宮傍にあるゴミ集積場にもノーマルタイプのレトロ電柱があることに気づいた。
少し傾いて立っており、ゴミ集積場に放置されているものと思われる。
木の電柱
1.あなたも慶喜公気分の近く
徳川慶喜の気分になって撮影ができる…というスポットの近くに木の電柱を発見。
2.渋木燃料店の近く
流山街道に面した廃墟と化したガソリンスタンド。

その裏に元々燃料店だった建物と、木の電柱がある。

木の電柱にしては、上部の電球もしっかりと現存しており、状態が良い。
平潟遊郭に現存するレトロ電柱を知り、もしかしたら松戸駅周辺に他にも存在するかも…!
と始めたレトロ電柱の調査。路地をくまなく歩き、木の電柱を含めると15本発見した。花街タイプのレトロ電柱がある場所は、華やかな歴史があった場所であると想像される。
今はその面影もないが、レトロ電柱だけが当時の姿を教えてくれるだろう。
「平潟遊郭」のレトロ電柱10本と遊廓史。松戸平潟遊郭散歩②~総集編~【レトロ電柱沼】
(訪問日:2020年6月)
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