「丸山中央商店街通り」飛地・丸山で最も賑わっていた商店街。銭湯「大収湯」を中心に -丸山⑴

船橋市の丸山という場所は、「飛地」といわれる場所。飛地(とびち)は、市や町の一部分が、別の市の中に存在するというもの。
丸山は、船橋市に所属するが、周りが鎌ヶ谷市に囲まれているという。丸山の歴史と、賑わっていた「丸山中央商店街」について記事で紹介しよう。
船橋市・丸山の歴史
船橋市丸山が飛地であるということは、どれくらいの人が知っているのだろう。意外と歴史や地理を気にしていないと、地元でも「飛地」について詳しく知る機会って少なそうだ。
丸山1丁目~5丁目まで。
鎌ヶ谷市に完全に包囲されている。
「鎌ヶ谷船橋あたり」の記事でも、ほかの方の記事でも紹介されているので詳しくは割愛する。丸山は名前の通り、小高い山になっており、水はけが昔から悪かったそうだ。そのため、明治時代には水の利権争いが絶えず、鎌ヶ谷ではなく船橋に属すことにしたとか。
丸山に限らず、全国各地に飛地はあるので、他の場所も調べてみたいと思った。
丸山中央商店街通り
千葉県船橋市丸山3丁目。前回のつづきで、鎌ヶ谷市道野辺方面から丸山へ。

高低差が大きくて、歩いていてもちょっと疲れる…そのため、商店街にたどり着いた時は、ほっとした。

丸山中央商店街通りは、透明の街灯がつづいていた。とても綺麗。

丸山中央商店街通りが誕生したのは、昭和59年(1984)。

Myfuna「ぐるり船橋街めぐり/丸山第2踏切周辺」にて商店街のことが記載されている。
馬込沢駅から北へ向かって二番目にある踏切は「第二踏切」とよばれ「丸山中央商店会」が広がる。約60年前に銭湯ができたことをきっかけに次々と商店が開業し、近隣住民でにぎわった。本澤さんは「銭湯帰りに買い物をする客がいっぱいで、通りを車が通れないほどだった」とも。
馬込沢駅近くの踏切が今は無いため、「第一踏切商店会」の名前だけ残っている。
第三踏切の方は、あまり発展しなかったらしく、現在はほぼお店がないと駄菓子屋「みどりや」の店主からうかがった。
マルサス
商店街を一つ一つ見ていこう。歩道が狭いので注意。

赤い外観の大きな店舗は「マルサス」と書いてある。

新鮮をお届けする、と書いてあるので八百屋かな?調べたら「マルサストア」だった。文字が欠けている。

2010年の時点では営業していた。郵便マークの看板もかなり錆びているな…

2011年から丸山地域と馬込沢駅を結ぶ「丸山循環バス」が通るようになり、便利になった反面、商店街のお店は次第に潰れていった。
商店街の中心辺り
丸山中央商店街通りの中心辺り。明らかにシャッターが多い…寂しいなあ。

この日は、2020年12月末で駄菓子屋「みどりや」が閉店するというので急いで駆け付けた。周囲のお店は既に閉店しているので「みどりや」が閉店するとさらに商店街の人通は少なくなりそう。

右にあるのは鮮魚店「正強(まさご)」。荷物が外に置いてある。

赤い屋根は会社の事務所として使われているようだ。

あ、明るい家族計画。元は薬局かな?


丸山中央商店街のバス停。

銭湯「大収湯」
商店街が形成されたきっかけである銭湯「大収湯」は、駐車場になっていた。

銭湯があったことを知らなかったら、わからない。みどりやの店主に教えてもらって改めて納得した。
でも、各地の商店街を歩いていると、銭湯だったんだろうなと感じてしまう場所がある。ここではコインランドリーがちらっと残っていたから。
2010年のストリートビューでは、左奥の屋根の部分が「大収湯コインランドリー」だった。

銭湯はどのような建物だったのだろう、駐車場の大きさを見る限り、かなり広かったのではと想像する。

銭湯から商店街を立ち寄って。多くの人々が行き交って…
かつての賑わいは今は無い。
ローカルなコンビニ?
銭湯跡の横道にも行ってみる。フジノ電気商会。2010年にはミートショップ「丸正」も向かい側に。

こちらは「小野田洋品店」。

思ったよりも奥まで商店が続く。

そして最後。まさか営業しているとは思わなかった、コンビニエンスストア?

店先には、レトロなガチャガチャも。

「アルファみながわ」というお店らしい。看板も何もないが、商店街から離れた場所で営業が続いているのがびっくり。

しかし、店内は暗く、棚には商品が少なかった…入り口は全開。ちょっと勇気が出ずに入らなかったのを後悔している。

次行ったら閉店しているかもな…お話を伺えばよかったと思ったが、店員さんも見当たらなかった。
居酒屋なども多い
駄菓子屋の向かい側、居酒屋の看板も多い。建物の老朽化は大丈夫かな…

船橋市は都会に近いと思っていたけど、まだまだ昭和の商店街が残っているとは。閉店しているお店は多いけれど、街並みは2010年と変わらない。

「山田豆腐店」は営業中。だけど車でよく見えず。


第二踏切方面
第二踏切方面へ、なだらかな上り坂となっている。

酒屋の建物などは取り壊され、民家となっていた。
踏切近くにある、丸山中央商店街の看板。

現在、踏切前にはローソンがある。コンビニがあれば何でも揃ってしまう。
商店街はこれからどうなるのだろう。

丸山中央商店街の資料
年末で閉店した「みどりや」を取材した際に、商店街のことも教えていただいた。

銭湯の場所も記載されている貴重な地図。これで商店街の様子がよくわかる。


丸山中央商店街。
これぞ昔ながらの商店街!というモデルだった。今はバスも循環、みどりやも閉店して商店街は静かだ。
この場所に思い出のある方にとって響く記事となったら嬉しい。
(訪問日:2020年12月)
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