「真間大門会」かつてのメインストリート。市川真間の商店街 -真間⑵
市川真間には市川市内で最も古い商店街が広がっている。全部で4つほどの商店街が入り混じっているのだが、今回はL字に伸びている「真間大門会」を探索。
真間大門会は、かつてのメインストリートだったらしく、老舗の和菓子屋の方にお話を伺った。
真間大門会
真間大門会は、前回の「真間大門会」の北、京成線の踏切を越えた先にある東西、南北にL字に伸びる商店街である。大正中期から栄え、国府台の軍隊相手の商人が牛車を引いて国分からも集まって賑わっていたとか。
踏み切りを越えた先から、継橋までと「真間本通り商店会」を越えた東まで伸びている。千葉県市川市真間商店街連合の「商店小史」に昔の地図が載っているので参考にする。
踏切の近くにある手作りおにぎりの旗に惹かれた。おにぎり処「くろさき」というお店。
店内に入ると、おにぎりとお惣菜が販売中だった。おにぎりセットは280円。おにぎり2個と唐揚げがついていて、絶対にお得…
米屋がつくるおにぎり処と書いてある通り、今まで食べたおにぎりの中で一番美味しく感じた。
弘法寺でおにぎりを頂く。ふっくらとしていて、お米本来の美味しさが詰まっているおにぎり。お米がとにかく美味しい…
くろさきの店舗は、昭和36年の地図には載っていないので移転してきたのかもしれない。市川真間駅からも近いのでぜひ立ち寄ってほしい。
商店街を進むと、交差点に。親切に地面に駅や名所の案内が書かれている。
真間大門会の分岐。さらに北へ進んでも、真間大門会。右に曲がっても真間大門会である。
真間大門会の赤い看板が目立つ。
看板に沿って、右折しよう。
和菓子「いろは」
真間大門会の交差点を右折。あれ?商店街?と思うほど、住宅地のような細い通り…
右手に「いろは」と書いてある和菓子屋を発見した。
ショーケースには和菓子が箱に詰められて販売されていた。手作り感がある大きな和菓子はとても安くて魅力的。
いくつか和菓子を購入。あとで休憩の時に食べよう。それにしても団子は90円、すあまも110円って安い。
店舗は最近改装したらしいが、和菓子屋いろはの創業は70年以上前とのこと。
購入した和菓子は、弘法寺で頂いた。
店内には赤飯も置いてあった。
現在は店内での飲食はできないそうだが、店内も老舗の佇まいがあり、思わず立ち寄りたくなる場所。
真間大門会の看板を見つけた。地元の方が、各店舗に合わせた看板を作成したものらしい。地元の方によって支えられている商店街の姿、とても素敵です。
真間大門会は、現在営業しているお店は少なくなってしまったが、かつてのメインストリート。南北に伸びる大門通り会よりもお店がずらーっと並び、賑わっていたらしい
。しかし、ここ10年ほどで商店は閉店、建替えが増えたという。
お店の奥には和室がある。とても気さくに昔のことを話してくださる方だった。
JR市川駅が開発され、若者や家族連れが駅の方へ流れるようになってしまってから商店街は衰退してしまったらしい。
駅だけでなく、近くにはニッケコルトンプラザという大きなショッピングモールもある。商店街を維持していくのは難しい問題なのかもしれない。
口コミでは串団子が、他では味わえない絶品とあるので次回頂きたい。
八百屋「八百重」
いかにも八百屋らしい「八百重」。
その向かい側にある店舗は「フレッシュマートあるが」。
2002年のインタビュー記事に写真が載っている。昭和2年に有賀重吉が「八百重」の屋号で八百屋を開業したとあるので、八百重は同じ経営者の店舗のようだ。
銭湯も近くにあったらしく、夜遅くまで人通りがあったようだ。フレッシュマートあるがは、現在のコンビニエンスストアのような品揃えで、商品数がとても多い様子がわかる。しかし現在はどうなのだろうか。
陶山クリーニング
私は普段、予備知識をあまり持たない状態で探索をする。そのため、建物から昔のお店を推測するのだが、この建物からわかる方はいるだろうか?
タイトルにもあるが「スヤマクリーニング商会」である。窓がとても大きいのと、左にある小さな煙突からクリーニング屋ではないかと推測できる人は凄い。
以前はクリーニングスヤマの看板があったらしいが、取り外されている。白いタイルが印象的。
クリーニング屋の手前にあった衣料品店「テーラー陶山」は現在も営業中。
近くには「趣味の染と織 ほていや」という看板も。昭和36年の住宅地図を見ると「ほていや染物店」とある。
真間川が近いので、染物屋があるのも納得できる。写真に撮っていない部分はほとんどが住宅になっており、商店の面影はない。真間大門会は、左手にある真間本通り商店会の先も続いている。
ショップライフいしい
先ほどの交差点に戻り、真間大門会の北側へ進む。
交差点にあるのはコンビニエンスストアのような「ショップライフいしい」。平成生まれの私にとっては、こうしたローカルなコンビニエンスストアは珍しく感じる。
市川にゅ~すというサイトで、「真間大門通り沿いのコンビニエンスストア「ショップ&ライフいしい店」が9/28をもって閉店、91年の歴史に幕」という記事を見つけた。
昭和3年に開業し、2019年9月28日をもって閉業とのこと。ああ、1年前に…
昭和36年の住宅地図では「石井乾物店」だった。91年の歴史に幕を閉じたようだが、こうした老舗のお店は真間大門会付近にはたくさんありそう。
神戸歯科医院は昭和36年の住宅地図にも載っており、老舗の医院だ。外観がとても西洋風でかわいい。
アパート?気になる建物
角にある市川真間郵便局も昔から同じ場所にあるが、郵便局の道を挟んだ向かい側にある建物が豪邸のようで気になった。この場所だけ大きな木が残っており、古いのではないかと思った。
昭和36年の住宅地図を見ると、かつては美容室があったようだが現在は駐車場に。そのおかげで裏手にある赤いアパートが丸見えだ。
アパートの奥行がとても広い。角からアパートまで同じ方の敷地らしい。
アパートの入り口も、これまた凄くて。トタン板で覆っているけど、かなり古い建物だと思われる。
入り口の扉や窓枠などは新しくなっているものの、垣間見える欄間などが風情を感じさせる。
扉の上にあるランプもとても古いものを発見。趣のある建物だな~
現在は住んでいる方がいないのか、無法地帯になっているのが残念。旅館だったのかな?というくらい広い敷地。
その向かい側にもアパートらしき建物。
染谷商店
灯油の看板が残る建物。
染谷商店は昭和36年の住宅地図では「染谷薪炭店」とある。昔から営業を続けているお店のようだ。
「市川食糧株式会社 第27営業所」とは一体?「水晶米の店」ともあるので、米の販売もしていたのだろう。米と灯油は一緒に販売されていたことが多かった。
真間大門会は、かつてのメインストリート。現在は時代の流れによってお店の数は減少しているものの、営業を続けているお店もある。老舗和菓子店だからこそ楽しめる美味しさもあり、毎年訪れたい場所だと感じた。
(訪問日:2020年9月)
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