昭和初期築「旧真壁郵便局」がある「御陣屋前通り」、歴史的建造物の宝庫! -真壁⑵
104棟も文化財登録されている真壁町。今回は、その中心街である「御陣屋前通り」を探索。
レトロな郵便局など見どころ満載です!
潮田家住宅
前回の上宿通りと御陣屋前通りの交差点の角に佇む建物は「潮田家住宅」。

角には「真壁町道路元標」も。この辺りが真壁町の中心だったことを示す。

明治末期築の見世蔵、袖蔵。明治時代築の脇蔵、明治初期築の別荘(離れ)が国登録有形文化財。

呉服太物商の建物群。正面入り口は真壁で最も広い8間の全面開放で、長大な1本の梁材に圧倒される。

裏には煉瓦壁も。

また、タバコのホーロー看板も残っていた。旧字体のものは珍しい。

しかもこちらは木製の看板。
茨城県収入証紙売捌所。

このタイプの看板は初見だ…この日は定休日だったのかお店が閉まっていた。

全体的に新型コロナウイルスの影響で観光客の姿はなく、閑散としていた。
御陣屋前通り
今回歩いている「御陣屋前通り」の説明看板も設置されている。

関ケ原の合戦後、真壁氏に代わり真壁藩主となった浅野氏(後の赤穂藩主)は、真壁城下中央に五間堀りと土塁で囲まれた屋敷(御陣屋)を築いて新たた拠点とし、上宿、下宿、高上、仲町、新宿の五町内を基本に真壁の町を完成させた。
この時に築かれた町並みが400年経った現在も変わらないのは本当に凄い。

御陣屋の正面に五十間(90m)の長屋門を構えていたのが、御陣屋前通りである。
御陣屋は、現在の「真壁伝承館歴史資料館」辺りにあったとされ、長屋門などは残っていない。

左にあるのは衣料のデパート「タサキ洋品店」。定休日のようだ。

塚本茶舗
洋品店の向かいの蔵は、「塚本茶舗」。明治中期築の脇蔵が残っている。

呉服商の文庫蔵として建設されたもの。南側には観音開きの防火扉と土庇、通り2階にも土蔵造りの防火戸と付けた本格的な土蔵。

少し傷んでいる部分もあったが、重厚な観音開きの防火扉が印象的だった。

ひっそりと残るキリスト教看板も…

木村家住宅
御陣屋前通りをさらに北へ。

こちらは「木村家住宅」。江戸末期築の見世蔵・主屋と門が国登録有形文化財。

正面の見世蔵に、総2階の土蔵造の住居が接続する。関東大震災後、下屋庇が改修されているが、揚げ戸を備えた江戸時代の見世蔵。

表側の2階には小さな窓が一つ、ちょこんとあるのが印象的。

安達医院
そして文化財登録されていないけど魅惑的な病院建築を発見。

最近まで営業していたのだろうか。右側の建物は比較的新しい安達医院の建物である。
しかし、左手にも病院の建物は繋がっていて…「手術室」のプレートを発見!

隣の平屋の建物は手術室として使われていたのか…!

安達医院のガラス戸、良いな~
病院建築は、少し怖い雰囲気なのがまた惹かれてしまう…
国登録有形文化財の建物だけでなく昭和のこういう建物も残っていて嬉しかった。

入江家住宅
大正15年築の主屋が残る「入江家住宅」。

住居として建設されたものであるため、軒が高い。正面右の小さなショーウィンドウのような場所は、どのような商品が並んでいたのだろう。見ているだけでワクワクする。

向かいは文具店の「こうしん堂」。この日は休みのお店が多いな~…

交差点の角にあるのは食事処「つるや亭」。閉店してしまったのだろうか、暖簾などが無かった。

また、2014年のストリートビューと比べるとだいぶ改装?されてみたいで建築当時の状態にしたのかなと思った。

旧真壁郵便局
そして、御陣屋前通りで一番目立つ「旧真壁郵便局」の建物!

これが一目見たくて真壁へはるばる訪れたといっても過言ではないかも…

昭和2年築の「旧真壁郵便局」は、五十銀行真壁支店(現常陽銀行)として建設されたもの。鉄網コンクリート造2階建て、モルタル仕上げで洋風な外観に。

戦後は中央吹き抜け部に床を張り真壁郵便局として使用したそうだ。
正面の中央にうっすらと真壁郵便局の文字が残る看板。

中心街の角地にあるため、真壁町のランドマークとして親しまれてきたそうだ。

また、1階右奥に金庫室があるらしい。「町並み案内所まちづくり真壁本部」として現在は使われているが、コロナ禍のためか、休館中だった…

普段であれば建物内も見学できるみたいだが、タイミングが悪かったみたいだ。

扉からは、郵便局時代のままの受付が見えた。うわ~…見学してみたかった!

横の窓から撮影。郵便局だった建物は各地に残っているけど、このように綺麗に公開されている者は少ないと思う…またリベンジしよう。

また、昔は建物横から見た角にも赤い郵便マークが描かれていたらしいが、無くなっていた。

郵便局の建物に隣接した木造平屋の建物は博物館かな?今は閉まっていた。

再び御陣屋前通り
再び御陣屋前通りへ。右手にあるのは化粧品店。

2階の窓が素敵な建物は、三共石材工業有限会社の建物。

最近修理されたみたいで綺麗な姿になっていた。

向かいの建物は絶賛修理中。

2019年のストリートビューを見ると、震災の影響だろうか、かなりボロボロだ。
でも緑色のタイルが素敵!元美容院かな?

斜め向かいは「旅篭ふるかわ」。普段だったら見学できると思うのだけど、またしても休み…旅篭の建物見てみたかったな。

隣は「木村屋住宅」の建物。左側のガラスのショーケースが美しい!


川島書店
営業中の「川島書店」。

隣の見世蔵が江戸末期築の国登録有形文化財である。

生薬商の店舗として建設されたと伝える見世蔵で、かつて住居に接続していた奥の出入口には漆喰塗りの防火引戸が残されているとのこと。

御陣屋前通りはこの辺りで仲町通りへ。

あと、川島ストアの角に、ビタ明治牛乳のホーロー看板付ベンチがあって嬉しかった。

旧真壁郵便局、今回は見学できなかったのでまた落ち着いたら訪れよう…!皆さんも訪れるときは事前に確認してください!
(訪問日:2021年8月)
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