久留里駅から酒蔵巡り|須藤本家・吉崎酒造・藤平酒造・洋館 -久留里⑻

久留里駅から酒蔵巡り|須藤本家・吉崎酒造・藤平酒造・洋館 -久留里⑻

久留里の酒蔵について。「須藤本家」「吉崎酒造」「藤平酒造」
現在も残る3軒の酒蔵を巡りながら、その歴史と建物、実際にお買物もしました~

 

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須藤本家 久留里の酒蔵⑴

千葉県君津市青柳16−10「須藤本家」
https://www.sudouhonke.co.jp/

JR久留里線「久留里駅」より北へ、久留里街道沿いに佇む酒蔵「須藤本家」へ。駅からは徒歩15分ほど。

須藤本家 久留里

駐車場は店舗前に。不定休だそうで、この日は閉まっていた。

清酒「天乃原」醸造元。

久留里駅方面を見る

創業は、明治18年(1885)。その歴史は須藤本家HPに詳しい。

当時は河川が重要な物流経路だったため、現在の酒蔵の場所から3kmほど離れた小櫃川の川沿いで酒造りをしていました。

明治の半ばになると現在の君津市の周辺で上総掘りの井戸が開発され、そこからくみ上げる水がおいしいと評判になりました。酒造りは仕込み水で味が決まるといわれており、当時4代目(現・当主の父)は良質な日本酒を造るため、よりよい水を求めて土地を探し歩いていました。そこで出会ったのが艶やかな水が湧き出る地、久留里の天乃原(てんのはら)です。地下500メートルから自噴する久留里の水は当主を魅了しました。手にすくい上げた水は真夏の灼熱の太陽の光を浴びてなお冷たく透き通っています。口に含むとまろやかな口当たりで、ミネラル感があり、すっきりした余韻続きます。「日本一の清酒を造るにはこの土地しかない」と当主は天乃原への移転を決意します。

移転した直後に関東大震災が発生しました。移転前の土地は水害で深刻な被害を受けましたが、その直前に麹を高台に位置する久留里に運び出していたため、奇跡的に酒造りを継続することができたといいます。こうして造られたお酒は滋味あふれる豊かな水のある土地の名前にちなみ「天乃原(あまのはら)」と名付けました。「天乃原」は全国的に高い評価を受け、全国新種鑑評会で金賞を受賞しました。

明治半ば、上総堀りによって久留里の銘水が評判になり、小櫃川沿いから現在の地へ移転。関東大震災の被害に遭わなかったのは奇跡的なタイミングでしたね…というか、久留里も震災によって水害があったとは知らなかったです。

工場の方を眺める

須藤本家の敷地内からも久留里の水は湧き出ており、仕込み水として現在も使用しているそう。

店舗の窓には昔使われていたであろう徳利の姿も。

また、須藤本家、聞き覚えるのある酒蔵だな~と思っていたら千葉県初の地ウイスキー「房総ウイスキー」で有名だった!!

県内で初めてのウイスキー製造免許を取得した2018年以後、台風被害やコロナの影響を乗り越えて完成された房総ウイスキー。久留里の水でつくられているとは知らなかった。クラフトウイスキー、気になる方はオンライン注文もできるみたいですよ!

 

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吉崎酒造 久留里の酒蔵⑵

千葉県君津市久留里市場102「吉崎酒造」
http://kichiju-gekka.com/

JR久留里線「久留里駅」から徒歩5分。商店街沿いにある「吉崎酒造」へ。

久留里街道沿いにて

創業は、寛永元年(1624)!千葉県では最も歴史がある酒蔵だそうだ。400年の歴史。

吉崎酒造店舗

酒蔵は明治時代に建てられたもの。昔ながらの道具も現役だそう。

清酒「吉寿」、大吟醸「月華」醸造元。

敷地左側にお酒を購入できる店舗がある。営業されていたのでお土産用にお買物へ。

店内の様子 吉崎酒造

店内には棚と冷蔵庫に沢山お酒が並ぶ。

「吉寿」、やさしい炭酸「吉寿発砲清酒」が販売されていたのが目に留まる。甘さ控えめでスッキリとしたのど越し、どんな料理とも合うとか。日本酒が苦手な方も飲みやすそう!

吉寿発砲清酒
自宅にて

久留里の地サイダー「久留里サイダー」も販売中。1本250円。

久留里サイダー

町おこしとして、NPO団体と協力して開発したものだそう。水が美味しい久留里の地サイダー、プレゼントにも良さそう!

 

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また、400年の歴史ある吉崎酒造は建物も凄い。店舗の奥に酒蔵と洋館が残っている。

歴史ある建物も

近代建築好きとして見逃せない、店舗裏の洋館。

スタッフの方に伺うと、明治中期頃の応接間ではという答えだった。会議室としても使われていたとか。

酒蔵に残る洋館

木造二階建てのモルタル仕上げ。縦長の窓枠も改装されておらず。建物内も気になる~!素敵。

 

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藤平酒造 久留里の酒蔵⑶

千葉県君津市久留里市場35「藤平酒造」
https://fukuiwai.com/about/

久留里街道から一本小櫃川方面へと裏道に入ると突き当たりにある「藤平酒造」工場。店舗は、吉崎酒造の近くの久留里街道沿いにある。

藤平酒造 工場

こちらも江戸時代、享保元年(1716年)創業。家族経営の小さな造り酒屋とのこと。

享保元年(1716年)創業。江戸時代中期より千葉上総は久留里の地で代々酒造りを営み、歴史を刻んで参りました。 銘柄「福祝」を考案したのは、先代の藤平富雄。
現在は亡き先代の想いを受け継ぎ、その子息である三兄弟が中心となって、日々研鑽を重ね、切り盛りしています。
仕込み全般を担うのは次男の藤平典久、麹造りと営業を担うのは三男の藤平淳三、事務全般を担うのは長男の藤平和也。 一本一本を丁寧に仕込み、量産では出せないうまさに誇りを持ち、その技術の粋を守り続けています。
私どもは、年間総生産約三百石の小さな造り酒屋です。

突き当たりに

「福祝」が有名。少量生産で一貫して手造りにこだわっているそう。

工場の入口から眺めたが門柱や塀、建物等も歴史を感じる。

 

煙突と酒蔵

藤平酒造のお酒を購入したい方は久留里街道沿いの店舗へ。吉崎酒造よりも広めの店内で何を購入するか迷ってしまう。福祝のおちょこも購入しました~

福祝

また、今回は足を運べなかったが、久留里駅から西方面に「飛鶴」の蔵元「森酒造店」がある。

明治初期創業。

徒歩だと45分かかるが、また近くに行った際に立ち寄りたい!

 

(訪問日:2022年8月)

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