倉橋駅近くの「総武はな遊園」の現在。廃墟ゲートが残る遊園地跡 -旭市

千葉県に残る廃墟遊園地。その代表と言っても良いかもしれない遺構「総武はな遊園」が、現在もひっそりと佇んでいる。
旭市・総武本線「倉橋駅」
千葉県旭市倉橋(くらはし)。総武本線「倉橋駅」は昭和35年(1960)に開業。

無人駅で、降りる人もほぼいない。だが、今日の総武本線の探索最後は倉橋駅にどうしてもおりたかった。
平成20年(2008)に駅舎が改修され、紺色のコンテナのような駅舎。以前の駅舎も昭和30年代につくられたものなので、今とあまり変わらない形だったようだ。

昭和35年、という比較的遅い開業の倉橋駅。その謎は後から分かる。駅前にはかつて商店だったであろう建物。

現在は完全に閉まっており、倉橋駅周辺には店舗が無い…
どうして、ここに訪れたかったのかというと、倉橋駅近くに遊園地の跡が残っている!と総武本線を乗っていて気付いたため。
一度自分の目で確かめてみたかったのだ。
倉橋の「総武はな遊園跡」
目的地である「総武はな遊園跡」は倉橋駅の北側、目と鼻の先にある。
倉橋駅が開業したのも、このテーマパークのオープンに合わせてなのではないだろうか…と思ったが、1990年代以降の開業という見方もあるので違うかも。

県道71号から総武はな遊園跡までは一面芝生だが、門までの道が人が通った痕跡がある。

お城のようなゲートが現存。車窓からも見える。
駅からも近いので交通の便は良かったのでは。手前は駐車場だったのかもしれない。(駅から県道を渡るのに横断歩道は無いが…)

総武はな遊園については、検索するとネット上に情報が多数ある。特に「千葉の愛しきB級スポット達」の記事「File 091 総武はな遊園跡」が詳しい。私は入れなかった内部の写真も…
総武はな遊園の正式名称は「アグリミュージアム総武はな遊園」。

開業・閉業の情報は不明だそうだが、1990年代~2000年代にかけて営業していたと思われる。私は1999年生まれなので、全く記憶に無いが、覚えている方もいるだろうか。もし覚えている情報があったらコメント等で教えてください!
※立ち入り禁止です

メリーゴーランドや観覧車がある華やかな遊園地、というよりはバラ園などに近い広い公園といったところだろうか。
しかも、開園期間は花が見頃の4月~11月と短く、大人(中学生以上)700円と少しお高め。わずか10年、20年ほどで閉業になるのも分かる気がする…

私は裏手に回れなかったが、裏口もあり、売店の名残もあるらしい。
航空写真を見ると現在は池が枯れている様子だが、スワンボードが見えるので足漕ぎボートで遊べたのだろう。

※現在は私有地と思われるので、無理な探索はお控えください。
倉橋天神社
電車が来るのは1時間後なので周辺を探索。西側の高台にある天神社を目指した。

天然記念物に指定されている「天神様の森」。綺麗に整備されている。

鳥居の手前には倉橋天神社の縁起が描かれている説明看板も。

文字が薄くなって読みづらいのだが、倉橋の地は昔、鞍橋村として知られていた。
そして、平家の一門平時忠が義経を追って銚子まで来たが、義経はすでに奥州へ落ち延びていたので倉橋の地に引き返し、この地に住み、村人に学問などを教え、一生を終えたという。村人は生前の恩顧に報い、北野天満大自在天神と共に天神社を創立したという話。
鞍橋村の由来は、平時忠が外川から倉橋に来たが、海上川の源流の水があふれ、馬が進むことができず鞍をおろして橋を渡った、という故事に由来しているという。

今は静かな町だが、天神社、遊園地含め面白い歴史が眠っている。
(訪問日:2022年1月)
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廃墟跡ブームに便乗しないまとめ方に好感持てます。
そうです、無理な散策はお控え案件ですよね。
この様子から色々想像するのもまた楽し、ですよね。