京成曳舟駅から、スカイツリーがある隅田の下町を散歩!見どころが多くて大ボリュームに…

京成曳舟駅。今日は赤線で有名な「鳩の街」を探索する前に、曳舟駅周辺に残るレトロ電柱を探すことに。レトロ電柱を探していたら、スカイツリーのお膝元であるにも関わらず、昭和の下町!がたっぷり残っていて、記事のネタがザクザク出てきました。
曳舟駅から鳩の街へと向かう旅路。昭和の名残を探索します。

京成曳舟駅から四ツ目通りに
京成曳舟駅は、駅も新しくなっており、駅前には大きなイトーヨーカドーもあるせいか、家族連れが多い印象。
まずは「墨田区立ひきふね図書館」へ鳩の街や玉ノ井に関する文献を探しに。郷土史のコーナーに関連書籍が多数ある。

京成曳舟駅を出て、「曳舟たから通り」を進むと、四ツ目通り(国道465号線)の交差点に出る。今日はここからスタート。目の前にはスカイツリーが出迎えてくれている。
「甲州屋」という店名も昔の屋号をそのまま引き継いでいるのかもしれない。お隣の看板建築もシンプルだが良い。

今にも倒れそうな…隅田の建物
四ツ目通りをスカイツリーの方向へ歩いていると、遠くからでも違和感を感じる薄い水色の建物を発見。明らかに隣の建物と傾きが違う。

正面から見てみると、こんな感じ。
写真で見ても右に傾いているのがよくわかるだろう。傾いている側に車が駐車してあるが、かなりの度胸だ。Twitterでもこの建物に対する反響が大きく、下町に潜む倒壊の危機を改めて感じた。

東武亀戸線の踏切。
深い緑色の電車も下町の雰囲気に似合っている。

四ツ目通りは、交通量が多い道路であるが、道路に面して多くの古い建物が残っている。下の写真の建物は、一見新しく見えるが後付けされた壁を取り払ったらかなりの年代物の気がする。

マンションの工事中…かと思いきや、4階部分まで丸見えの状態。道路を拡張するためだろうか?上階のベランダが浮いているみたいだ。

奥まった建物とタイル
手前が駐車場になっているが、奥にある建物が明らかに古い。手前が駐車場になることを予期しなかったかのような隠れ家のような建物だ。

ブルーシートの隙間に「ちくま味…」と書かれた黒いホーロー看板が。右読みのホーロー看板。ますます建物が気になる。


駐車場の脇道を進むと、椅子や酒のケースが所せましと置かれているスペースにぶち当たる。
どうやら、「野澤酒店」という酒屋らしい。バラックのような簡易的な建物だが、現在も使われているようだ。

左手にある民家には、美しいタイルの流し台が。よく使われている部分のタイルははがれてしまっているが、タイルの美しさを今に伝えている。

艶やかな花が特徴的なマジョリカタイル。かつてマジョリカタイルをはじめ、タイルで装飾をすることが流行っていたらしい。

四ツ目通りから住宅街へ少し入ってみた。古い建物が残っていそうな雰囲気を感じたからだ。

鬱蒼と木々に囲まれたアパートを発見。映画のワンシーンで出てきそうな、ある意味幻想的な風景。

スカイツリーが目の前に見えるというのに、木造建築は時代に取り残されたかのように静かに眠っている。

民家の敷地内に、大事に保管されている祠のようなもの。下町は信仰心が強い人も多いのだろう。

レトロ電柱を探して
本来の目的であるレトロ電柱がこのあたりにあるそうだ。「佃よし本店」の建物を右に曲がった道にあるらしい。

と、その前に寄り道。
佃よし本店の建物の向かい側にある建物に、レトロセンサーが反応した。

サカリカップの自動販売機!こういった自動販売機もレトロ好きにとってはたまらなく愛しい。

すでに朽ちかけている酒屋は「熊田酒屋」。看板が外れ、上から照らすライトが物寂しい。
これも一応看板建築の部類かも。

緑?とはまた違った漢字と、屋がぶら下がっている。
先ほどから「飛木稲荷講」の名前をよく見かけるのだが…玄関に貼っているところが多い。

日本酒が、おいしい季節です。
若者の酒離れも進んでいるため、こうした酒屋はさらに減っていくだろう。

下町らしいアパートも多数。こういった建物もあと何十年かしたら見れなくなるだろう。


レトロ電柱は、佃よし本店の隣をスカイツリーに向けて歩いた通り。2本存在するらしいのだが…

以下でまとめているので気になる方は合わせてぜひ。↓
【レトロ電柱】墨田区京島のレトロ電柱2本。鳩の街へと向かう途中で
「山口ガーデン通り」とプレートに書かれているのが気になるのだが、この通りに名前がついていたのだろうか?名称の由来が気になる。
押上クリニックとレトロ電柱
2か所目のレトロ電柱は、新あづま通りを京成押上線に向かって四ツ目通りを横断する道にある。

こちらにも変わらず古そうな建物がずらり。密集しているからこその美しさを感じる建物のつくり。
災害が起きる前に何とかしようと、再開発が急がれる気持ちもわかる。
押上クリニックの前に、レトロ電柱が残っている。ここは有名らしくSNSでも投稿している人が多い。

押上クリニックに近い沿線沿いには、もう一つレトロ電柱があるそうだが…下町がそのまま残っている墨田区では、レトロ電柱がまだまだありそうだ。
いよいよ高架下を通って、鳩の街の方面へと歩を進める。

高架下を抜けて、真っすぐの道を進めば鳩の街商店街へたどり着く。もうすぐなのだが、その途中にも目に留まるものが多い。

飛木稲荷神社
先ほどから、飛木稲荷講として多くの建物で発見したステッカーはどうやらこの場所のものらしい。

創建は1468年頃ではないかと言われており、江戸時代以前からこの場所で街の変遷を見守っている由緒正しい稲荷神社。
飛木稲荷神社で最も有名なのは、「身代わり飛木の焼けイチョウ」
説明看板にも書いてあるように、昭和20年の東京大空襲の際、ご神木であるイチョウの木が炎を食い止め、街の延焼を防いだという話が残っている。戦争の恐ろしさを現在に伝える木として、これからも大切に保管されてほしい。

写真だとわかりづらいが、太い幹の部分が真っ黒に焦げているのがわかる。これだけ焼けてもなお、耐える強い生命力に圧倒される。

おむすびが可愛い・高木神社
飛木稲荷神社からほど近い場所に、またしても神社が。高木神社と旗が出ている。

「山玉向島講社の碑」
かつて向島地域に存在した富士講(富士山を信仰する人々の団体)を示す貴重な文化財として、墨田区登録文化財に指定されている。
こういった富士講の石碑は各地で見かけるが、文化財として登録されている場所は珍しい。

威勢の良い手水の龍。金色の玉には令和の文字。

境内には若いカップルなども多く、そんなに人気の神社なのか…と思っていたところ、大きな「おむすび」の形をした石が…
室町時代に創建された高木神社では、御祭神が高皇産靈神(タカミムスビノカミ)だということからムスビにちなんだ御朱印やお守りが人気だそう。
最近ではアイドル好きの方にとっても聖地になっているとか?

高木神社のホームページにも、「ご縁を結ぶむすび石」として紹介されている。「人と人との繋がりを結び付けてくれる」…そんなおむすびに溢れた神社は、カップルにとっても縁起の良いデートスポットなのかもしれない。

「からかい上手の高木さん」と高木神社の相性はぴったりだろう。

小さな石にまでおむすびのイラストが…!!どこにむすびが潜んでいるのかを探しながら参拝するのも楽しそう。


高木神社を出て、再び鳩の街を目指します。

月2.2万から空室があるみたい。

小さくお菓子を書かれた看板は、店名すらも分からなくなってしまっている。駄菓子屋だったのかな?

レトロな山田屋酒店
道から少し左の方に外れた場所にあるちょっと有名な建物。SNSでもレトロ好きな人の投稿でたまに見かけます。

建物自体もとても綺麗に残っていて、一見の価値があり。

何がレトロかっていうと、この自動販売機!
遠目から見るといつものファミリープランかな?って思うけど、実はおつまみの自動販売機なんです!
ピーナッツ、柿ピー、さきいか…どれも美味しそう。酒屋の前に設置してあるのも納得。

2階の柵にある「ヤマダヤ」のデザイン。左右どちらから読んでも同じ読み方なのを活かしているみたい。

元居酒屋らしきつくりの建物もあり、かつては栄えていたのだろうと思わせる通り。

今は新しい住宅が建っている。ミントグリーンが爽やかな美容室「マロニエ」。

素敵な色が現代の利便性を重視したシンプルな新しい建物の中で、かえって目立っている。

大岩医院には、赤子を抱えた看護婦さんの石像。建物は新しいが、設立は古いのかもしれない。

割烹料理屋「大和田」は、鰻が美味しくて有名らしい。なぜ、こんな場所にポツンと割烹?と思ったが、現代風のビルに関係なく創建は古いのかもしれない。

「大和田」近くにある路地。迷い込むと帰ってこれなさそうなので、少しだけ。

商店だっただろうと思われる重厚なつくりの建物。隠してある手前の場所はたばこ屋とかかなあ?

スペイン瓦が色褪せずに残っている。
窓から漏れる光と紅葉のコラボレーションが美しい。

秋葉神社
割烹の近くにあるまるで森のような神社。入るまで気づかなかったが、かなり名所のようで…

歴史好きの方は、「秋葉神社」と聞いてピンと来る方もいるはず…
江戸の名所だった秋葉神社
1289年に創建された秋葉神社は、「火伏せの神」として江戸の名所だったそうだ。大名や庶民からも愛され、広大な敷地を有していたらしい。江戸時代の地図にはその様子が描かれており、一大観光地として近くには料理屋の様子も。先ほどの割烹「大和田」はその名残かもしれない。

歌川広重の「江戸名所図会」にも秋葉神社の紅葉は描かれ、その門前には料理屋で賑わっていた。
しかし、大正12年の関東大震災によって社殿は崩壊し、墨田川産の川魚を提供していた料理屋もなくなってしまった。現在は昭和41年に再建されたものとなっている。

境内にある石灯篭は、6基が墨田区登録文化財に指定されている。

当時からある常夜燈だろうか。上部はなくなっているものの、細長い常夜燈が残っているのが珍しい。

片隅には、まとめられて石碑も。

境内は縮小しているものの、当時の面影が残るものが多数存在し、見所がある。
昭和レトロな雰囲気が残る参道
鳥居から参道を見ると、かなり細い参道に昭和感が漂う。鳥居をくぐると、まるで江戸時代から昭和にタイムスリップするかのような雰囲気にとても心がワクワク。

木造2階建ての建物。
玄関はとてもきれいに整備されている。

張り紙を見ると、「民泊」と記載がある!ということは、この昭和レトロな建物に宿泊することができるのか…
平成31年に提出ということは、かなり最近の取り組みということになる。民泊として貴重な建物に宿泊できるのは有難いなあ。しかし、「スミレ ハウス」と検索したが、なかなかヒットしない。なんとか根性で探し当てた。
Vrvoに詳細があった。→日本の家を体験!スミレ

一泊36,133円。最低でも5泊からというのは外国人観光客向けだからだろうか。戦後に建てられた一軒家には家族5人が暮らしていたというが、その間取りは小さめのようで、定員が4人になっている。

右手が民泊の建物。左は新しく改装されているようだ。

民泊の建物の側面にある入り口は閉まっているようだ。内部がどのようなつくりなのか、一度泊まってみたい。
「お蝶」と看板が出ている居酒屋も入り口が板で封鎖されている。かつては参道も賑わったのだろうか。


江戸時代、一大観光名所となり、料理屋なども軒を連ねていた秋葉神社の参道は、今や昭和レトロな雰囲気が残る参道としてレトロ好きにとってはたまらない一角になっている。
民泊として新たに人生を歩み始めた建物もあり、これからどのように活用されるのか楽しみだ。
次回はいよいよ鳩の街。鳩の街へたどり着くまで長かった…
(訪問日:2020年7月)
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