「興風会館」昭和4年に建造された国登録有形文化財・4階建ての洋風建築-野田⑾

「興風会館」昭和4年に建造された国登録有形文化財・4階建ての洋風建築-野田⑾

「興風会館(こうふうかいかん)」。昭和4年に設立された千葉県野田市を代表する近代文化遺産である。

国の登録有形文化財にも指定されている興風会館の歴史と外観をぜひ多くの方に見ていただきたい。

興風会館について

興風会館は昭和4年(1929年)に興風会によって建てられた4階建ての鉄筋コンクリート造。当時千葉県内では、千葉県庁に次ぐ規模の洋風建築といわれるほど、興風会館は目立っていた。設計は明治大学駿河台校舎などを手掛けた大森茂。興風会館にも装飾が豊かな独特な雰囲気がある。

500人以上を収容できる大講堂では、講演会、展覧会、映画上映などが行われ、地域に密着した施設として親しまれている。現在は公益財団法人興風会が管理運営を行っており、様々なイベントなどが行われている。

平成9年(1997年)に国の登録有形文化財に指定された。その後、平成13年に耐震構造に改築し、竣工御当時の外観が蘇った。野田市のホームページにはかつての姿が載っているので比較するのも面白いかも。

興風会と野田

野田といえばキッコーマンの醤油工場を連想させる方も多いのではないでしょうか?
キッコーマンの創業者である茂木、高梨両家が地域の文化レベル向上を目指して設立したのが「興風会」であった。昭和3年(1928年)に設立された団体は、経営者側の社会教育事業の一環として興風会館と建造し、従業員向けの福利厚生施設として利用されてきた。

その背景には、戦前最長の労働争議だった「野田大労働争議」などが関係しているといわれている。

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興風会館へ!

興風会館へは、東武野田線野田市駅から徒歩10分ほど。複雑な道でもないの迷うことはないと思う。市内を走るまめばすを利用して「キッコーマン前」で下車するのも近くて便利。

キッコーマン前

流山街道に面しているキッコーマン本社のお隣に、薄いピンク色の巨大な洋風建築が現れる。おしゃれなホテルではないかと思ってしまう外観。まさかこの建物が市のコミュニティセンターになっているとは思わない。

興風会館

壁には興風会館の歴史が書かれたプレートが貼ってある。

プレート

国の登録有形文化財のプレートと、近代化産業遺産のプレートが飾ってある。

登録有形文化財、近代化産業遺産

写真で見るよりも間近で見ると大きさに驚く。巨大な近代建築がここまで残っているとは、野田市凄い…

下から見上げる

興風会館を堪能

興風会館のファザード(正面)はルネサンス風の左右対称を意匠としており、正方形や丸窓など全体的に柔らかい印象を持つ外観だ。。

興風会館の文字も素敵

 

左右対称

夕方に訪れたのだが、夕焼けが反射して興風会館がほんのりピンク色になっているのが綺麗であった。

夕焼けが反射していた

そして注目して欲しいのが、レトロな街灯。

街灯

1本だけ建っていたのだが、もしかしたらガス灯かもしれない。

ガス灯

興風会館正面入り口はアーチが美しい。

正面

内部の見学をするには受付に声をかけるというのだが、実は17時までだったため、私は時間に間に合わず…

内部もすっごく素敵な様子を見ることができるので、早い時間に見学に行くことをおすすめしたい。残念。

地図

かつての近代建築が現在も地域のコミュニティセンターとして利用されているのは、とても凄いことである。野田市の文化財に対する保存意識にただただ驚くばかりであった。

 

(訪問日;2020年9月)