大正13年開業の「小湊鉄道」の素晴らしい車窓の旅 -養老渓谷⑴

大正13年開業の「小湊鉄道」の素晴らしい車窓の旅 -養老渓谷⑴

小湊鉄道が開業したのは大正13年(1924年)。もうすぐ100周年を迎えるとても歴史のある鉄道だ。

現在は、紅葉の名所でもある「養老渓谷」へ向かうまでの交通機関としても観光客の人で賑わう小湊鉄道であるが、大人になってから初めて小湊鉄道に乗車。今までとは違った視点で、今回は改めて小湊鉄道の魅力を探ろうと思う。

五井駅

小湊鉄道へ乗車するためには、千葉県市原市にある五井駅から乗る。JR内房線の五井駅で小湊鉄道の切符を購入しよう。

日帰りで養老渓谷を利用する方は、1日乗車券が1,840円がお得である。

五井駅

切符を購入したら、階段を降りて小港鉄道へ。行楽シーズンの際は、五井駅でお弁当の販売もしているらしいが、この日は平日。コンビニなどは無いので、事前に購入して乗車しよう。

看板もレトロ

駅から見える車両。

レトロな車両

コロナ対策もあって、減便されているらしい。私も密を避けるため、午前7時過ぎの電車に乗車。

早朝から小港鉄道

養老渓谷の方面から、五井駅まで小港鉄道を利用して通勤している社会人の方が予想以上に多くて驚いた。毎日小港鉄道を利用しているのか…

Advertisement

小湊鉄道

小港鉄道は2両。それでも平日の朝から養老渓谷へ向かう客はほとんどいないため、貸し切り状態。

実は、私がまだ小さい頃は、家族で毎年養老渓谷へ行き、紅葉を楽しんでいたらしい。その時は小さかったため、小港鉄道の記憶はあまりないが、こんなにも素敵な電車だったなんて…

レトロな車内

オレンジ色の座席は、思ったよりも座り心地が深い。都内の電車では感じたことが無い、弾力を感じた。

扇風機もレトロ

上総村上駅~馬立駅

今回の目的地は養老渓谷だったため、養老渓谷駅以外は立ち寄らなかったが、電車内から写真を撮った。

まず、上総村上駅。奈良の薬師寺にも匹敵するという規模の「上総国分寺跡」が観光名所。最近復元されてらしく、ぜひ見てみたい。

上総村上駅

次は、木製電柱に目が留まった駅。

木製の電柱

「海士有木(あまありき)」という駅名は、2つの地名が1つになったため、こういった名称に。海士の集落、有木城が近辺にあったらしい。

あまありき

どこで見たのか忘れてしまったが、とにかくインパクト大。スーツケースの化石のようだ。

スーツケースが…

次は馬立駅。駅舎がレトロな雰囲気でついつい降りたくなる。しかし、一度降りると1時間に1本ほどしか電車が無いため、慎重な判断を…

馬立駅

上総牛久駅~月崎駅

上総牛久駅は、沿線で最も利用客の多い駅。牛久地区は江戸時代に開拓された集落らしい。

ホームもレトロ

上総川間駅は、無人駅。段々と、田園風景が広がっていきます。

上総川間駅
石碑、字が読みづらい

里見駅。里見と聞いて勘が良い方は気づくかも。豪族の里見氏から来た地名。「南総里見八犬伝」という物語にも登場する里見氏。

里見

私が町中で探している木製電柱も、小港鉄道の沿線にはたくさん。逆にありすぎて数えきれない…

木製電柱
貨車?

月崎駅。片方のホームは使われていないみたいで、無法地帯。昔は利用客も多かったのかな。

月崎駅

最近有名になった地球磁場逆転地層の「チバニアン」への最寄り駅とのこと。ハイキングコースもあり、観光地として紹介されている。気になる…

風鈴の音色に癒される
Advertisement

上総大久保駅

最も印象的だった上総大久保駅!みんな大好きなキャラクターのイラストがびっしり。

上総大久保駅

駅舎の内側に描かれたイラストは、近くの旧白鳥小学校の生徒さんたちが描いたものらしい。とても可愛い。

まっくろくろすけ

この場所で写真撮影をしたらインスタ映えになりそう。

名シーン

小港鉄道は、途中、トンネルの中や竹藪の中を颯爽と抜ける。夏場はその涼しい風にあたりながら風景を楽しめて最高だ。

養老渓谷駅

目的地・養老渓谷駅へ到着!長いようであっという間な1時間だった。

養老渓谷駅

小港鉄道も思う存分に撮影しよう。この日は晴天。

養老渓谷駅にて

開業当時の駅名は「朝生原」。その後、「養老渓谷駅」へと改名されたのは昭和29年(1954年)のこと。

観光地もないと謳っていた小湊鉄道だったが、千葉新聞社(千葉日報)が公募した房総十二景に、小湊鉄道が応募し養老川の風景を「養老八景」として名付けたのがきっかけ。昭和39年に県立養老渓谷奥清住自然公園に指定され、養老渓谷駅へと整備されることになった。

駅舎もレトロ

何もないと謳っていた状況から、公募に応募したのがきっかけで現在のように多くの人で賑わう観光地となったのは面白い歴史だ。

涼しい~

 

レトロな駅舎

キハチューというかわいらしいネズミの銅像。キハって確か、電車に関係する言葉よね…

キハチュー

養老渓谷駅は朝だからか、人も少なく、穏やかな時間が流れていた。

改札

時刻表はしっかりとメモしておこう。帰りの時間を誤ると帰宅するのが遅くなってしまう…

時刻表

昔は切符売り場で購入していたのかな。

切符売り場

改札の外へ

養老渓谷駅から、いよいよ探索へ。

駅が旧字体なのもよい

逆開発という看板が気になった。どうやら、10年後に樹木が茂る森に開発しようという計画。初めて見たけど、こういうのが広まると自然と共存する社会がつくれそう。

逆開発?

いつか自然豊かな駅前になることを夢見て。

養老渓谷駅前

ちなみに養老渓谷駅前には、観光案内所もあるのだが、午前8時の時点では開店しておらず…

養老渓谷駅前観光案内所

張り切って早く到着してしまうといつもに増して静かなお店が多いので注意。昭和レトロな小湊鉄道に揺られていつもとは違った旅をしてみてはいかがでしょうか。

 

(訪問日:2020年8月)

 

 

error: このコンテンツのコピーは禁止されています。