歴博で大正・昭和の世界観に浸ってきた!国立歴史民俗博物館 -佐倉⑴
「国立歴史民俗博物館」。通称「れきはく」と呼ばれる千葉県佐倉市にある国立博物館。
皆さんは行ったことがありますか?歴史好きな方なら一度は行ったことがあるかもしれません。かなり歴史的にも価値が高い資料が多く展示され、見応えのある巨大な博物館なのだが、どうも佐倉という千葉県の東側にあることで知名度は低い気がする…
こんなにもレトロ好き、ディープ好きを惹きつける良い展示があるというのに…
京成佐倉駅から歴博へ
国立歴史民俗博物館へは、京成佐倉駅が最寄りだろう。京成上野駅から京成本線に乗って約55分。徒歩で15分ほど。バスも利用できる。
私は京成佐倉駅から歩いて向かうことにした。
交差点を西へ進む。実は以前、成田街道を歩いた時に通ったことがある道。石碑が大事に保管されていたり。
お好み焼き「たか」は、営業しているのかわからない。歴博へ向かう道も、昔は栄えていたのだと思う。
道に貼ってある歴博の表示。かなり古い物なのか、劣化が激しい。
のどかな風景。商店らしき跡。
「ほてい屋美術店」。骨董品を扱っているお店だろう。佐倉の歴史について知っているかと思い、訪ねてみた。飲み屋が昔はたくさんあったという。
佐倉城址公園
真夏に歩いていたからか、ちょっと歴博まで距離を感じる。というのも、歴博は佐倉城址公園の敷地にあるから。なだらかな山の上に建っている。
佐倉城の遺構も楽しみながら、歴博へ向かうと面白い。
入り口付近の古い建物には、ホーロー看板も。
「臼杵(うすき)磨崖仏」の屋外展示がある。これは、大分県の臼杵磨崖仏のレプリカ。また、ここはかつての佐倉連隊施設の跡地、ダブルで歴史を堪能できる。
そして、坂を登れば国立歴史民俗博物館が見えてきた。
国立歴史民俗博物館の展示
国立歴史民俗博物館の常設展示はかなり広い。全部の展示を見ようと思ったら、1日では見切れないのではないか。
第1~第6展示室に古代から現代までの貴重な展示物が並んでいる。成田街道について調べていた中学生の時は、江戸時代の街並みの模型が展示されている第3展示室ばかり見ていた。
まずは自分の興味がある時代から見ていこう。館内は、広いので密にもなりにくい。自分のペースで見ることができる。
今回、私は大正~昭和にかけてのレトロなものに注目することにした。
第5展示室ー近代ー
第5展示室は19世紀後半から1920年代までの近代についての展示。文明開化、産業と開拓、都市の大衆の時代について3部構成です。
大人向け
ここからはちょっと大人向け?というか、今まで歴博を何度か訪れたことがあったけど、この展示の記憶が全くない。あまりにも内容がディープ過ぎて…
今は赤線や遊廓史について記事を書いているので、むしろ資料として見ることが出来て嬉しい限り。
一見するとおしゃれな婦人のポスターに見える。
サンガーのポスター。こういう広告って大々的に貼られていたのだな。
当時こうした文化を取り入れることができたのは都市の一部の女性のみで、「産児制限」は不謹慎とみなす動きもあったらしい。そのため、浸透するまでにも時間がかかったそうだ。
マッチ箱
壁一面に貼られたマッチ箱のデザイン。今まで気にしたことがなかったが、当時の流行、カフェーや喫茶店などを示す貴重な資料だ。
個性溢れるマッチ箱のデザイン。今見ても楽しい。
浅草の街並み大復元模型
さらに奥へ進むと、浅草の街並みを復元したコーナー。まるでタイムスリップしたかのような、レトロ好きにはたまらない一角になっている。
見慣れているはずの理容室がおしゃれ。
映画館が町中に存在した昔の風景は、こんな感じだったのだろうか。昭和の映画館について調べていると、路地裏に映画館が多いことがなんとなくわかった気がする。
映画館の展示
大正時代の娯楽の王様ともいわれた活動写真こと、無声映画。今回はコロナの影響でお休みのようだが、映画を普段は上映しているらしい。
無声映画:サイレント映画ともいう。音声・音響、俳優のセリフが入っていない映画。
丸いランプや、装飾が素敵だ。
「三夢館」という映画館のようだ。このような映画館は、博物館でしか見れなくなってしまった。少なくとも私の周辺では残っていない。
カフェー・うるとら
酒と喫茶、美人局「うるとら」。
映画館の向かい側には、浅草の猥雑な路地裏の雰囲気を再現したカフェーが。当時の浅草は、東京でも一番の盛り場だった。
私が普段から調査しているカフェーなどは、こういった雰囲気だったのか…
「コーヒー一杯でも朗らかに うるとら娘のハリキリサービスを」が気になる。
入場券はここで購入するのね。
薬局?
こちらは薬局のようだ。南京虫というのは、今でいうあれだろうか。南京という名前をつけるのが時代を表している。
わきがの薬って当時から存在していたのか…
タバコがホントにキライになる…本当か?
広くはない展示だが、とても楽しめた。
第6展示室ー現代ー
第6展示室は1930年代~1970年代。とても懐かしい展示になっている。戦争と平和、戦後の生活革命について。
日本住宅公団団地実物大再現
1962年(昭和37年)に建設された赤羽台団地のダイニングキッチンを実物大再現。
感染防止のため、入り口を覗くだけ。
しっかりベランダも再現されている。
キッチンには、珍しい家電も多い。
ゆでたまご器(左)。
ホットケーキミックスも時代を感じる。
団地の復元では、松戸の博物館が有名となっているが、歴博もぜひ見てほしい。
浮雲のセット
1955年(昭和30年)に制作された映画『浮雲』のセットが再現されていた。
ジュークボックスは初めて本物を見た。
どんな感じで使われていたのだろう。
2つの展示のみであったが、堪能できた。大人になってから訪れると、今まで見えてこなかった展示物が見えるようになり、楽しい。
国立歴史民俗博物館
開館時間:9時半~17時(3月~9月)、9時半~16時半(10月~2月)
休館日:月曜日
入館料:一般(600円)
大学生(250円)
小・中・高校生(無料)
実は、佐倉の遊郭について歴博でお話を伺っていたところ、タイミング良く企画展が開催されるとのこと。要チェックです。
(訪問日:2020年7月)
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