照の湯(小岩)|文化財級のタイル絵!老舗銭湯、閉店前最後の記録

照の湯(小岩)|文化財級のタイル絵!老舗銭湯、閉店前最後の記録

小岩6丁目にあった銭湯「照の湯」。

2022年秋、その長い歴史に幕を閉じました。閉業前に特別に記録撮影にお伺いしました。照の湯の脱衣所、浴室、素晴らしい意匠をこの記事に納めます。

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小岩「照の湯」 老舗銭湯の歴史

東京都江戸川区南小岩6丁目26−19「照の湯」

2022年11月25日(金)、小岩の銭湯照の湯が閉店。「ラブユー小岩」からのご縁で、閉店前に普段は撮影が出来ない銭湯内の撮影許可をいただきました。本記事は在りし日の照の湯の記録です。

JR小岩駅からフラワーロード商店街を徒歩5分ほど歩き、一本横の通りに入ったところにある銭湯「照の湯」。年月を経た木々とコインランドリー、その中央奥に銭湯の入り口があります。

照の湯 外観

創業から69年。かつてこの場所には横綱・羽黒山(昭和16~28年)が所属していた相撲部屋があり、その跡地に建てられたという。

かなり贅沢な造りで、入口や浴槽には金魚が泳ぐ水槽もあった。最近は使われていなかったが、水槽が稼働していた頃の風景を想像するだけでうっとり。

そんな照の湯も諸事情により閉店。

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照の湯 最後の記録撮影

今回、ご縁があり照の湯閉館前に撮影させていただけることになりました。有難い。

入口は道路から少し奥まっている。先ほど紹介した水槽が上の写真の入り口両側に見える。

男湯(脱衣所)

まずは男湯から失礼します。

番台も現役。全てが昔のまま。温かい女将さんと話すの楽しかったなあ。

広々とした格天井。窓からたっぷりと光が差し込む。

中央にある大きな鏡、桜の枝が一本丸ごと。資生堂化粧品のガラス看板も味わい深い。解体後に引き取りたいくらいだった…

中庭に面したガラス絵も美しい
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男湯(浴室)

男湯の浴室。ヨーロッパを感じるモザイクタイルが凄い…上部には華やかなマジョリカタイルも。

浴槽は半楕円形。壁にあるブルーの部分がかつての水槽。そして中央には女性像。

モザイクタイルと相まってローマ風な浴室。

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女湯(脱衣所)

照の湯女湯の脱衣所。

造りとしてはだいたい同じだが、パーテーションや木製のベビーベッドが並ぶ。

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女湯(浴室)

女湯は男湯とは全く違うタイル絵。

 

金沢の絵付けタイルの会社・鈴栄堂の印。九谷焼のタイル絵、この規模だと保存するのもの大変だそうで閉業後どうなったかな…残念。

鏡には小岩の店舗の広告入り。こちらはパチンコ屋の駅前会館。

実際入浴したときは、浴室には昭和歌謡のBGMが流れていて、熱々のお湯に浸かりながら常連さんの会話や懐かしい歌を聞いて癒されました。

小岩住ではない私にも気さくに話しかけてくださり、スカート可愛いね・小岩は銭湯が多い街なのよ~と初対面でも仲良くなれる銭湯の場が好きです。以前作成に関わったた『ラブユー小岩』の本も脱衣所に置かれていてなんだかうれしくなりました。

最後に照の湯さんへの寄せ書きに私も一筆。

 

せめて記録だけでも。照の湯さん、ありがとうございました。

好きな銭湯、建物、もし今気になっているものがあるのでしたら後悔しないように早く行った方が吉です。

2022年に発売した小岩に関する書籍の中でも、今は無い店舗がいくつか…
是非合わせてご覧ください↓

 

「ラブユー小岩レトロ」
単行本(ソフトカバー) – 2022/7/25

 

(訪問日:2022年11月)

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