やたらと質屋が多い小岩駅周辺。小岩の質屋特集 -小岩⑶

小岩駅周辺を1日探索していたのだが、特に気になったのは質屋の軒数。なぜか他の街と比べて多い。質屋の次に多く感じたのは銭湯の数。小岩は質屋と銭湯が多いという下町情緒?を感じる街だった。
小岩駅周辺で見かえた質屋についての特集記事。誰にとってメリットがあるのかわからないが、質屋が気になっている方の参考になれば嬉しい。
質屋が多いまち
質屋が多いまちについて調べると、日の出町、巣鴨、新宿、池袋といった街が上がっていた。
現代の人にとって質屋は馴染みが無いかもしれないが、質屋の需要が高まった戦後にはその店舗数は増えた。
戦後、遊技場や歓楽街で賑わったまちでは遊ぶ軍資金を得るために質屋通いをしたという。
私が調べている赤線があったまちにも質屋が多いイメージがある。『色街の社会と暮らし 玉の井』という本に質屋についての記述があったので引用する。
戦後からしばらくの間、市中の質屋は別名を「一六銀行(いちろくぎんこう)」と呼ばれていた(一+六=七、つまり「質)であることから)。当時も高利貸しは存在していたが、こちらは商店主や中小企業主などの事業者を相手にしており、工員やサラリーマンなどの一般庶民には貸さなかった。銀行や信用金庫では一般市民には小口で貸してくれず、サラ金業者は未だ発生する前であった。このため、一般市民が小口の金銭が必要となったときは、もっぱら質屋の御厄介にならざるを得なかった。質屋や庶民の金融機関と言えるものであった。
質屋は庶民にとってなくてはならない場所だったことがわかる。また、赤線で遊ぶために質屋に寄った男性も多いという。となると、小岩にも赤線が存在したのか?という話。
実は小岩駅から徒歩10分ほどの場所に「東京パレス」という巨大な赤線があったらしい。現在はその跡形もないが…もしかしたら質屋が多いのはその名残なのかもしれない。情報がないのでそれ以上はわからず。
わかり次第追記していきたいと思う。
①エチゴヤ質店
1軒目の質屋は小岩駅南口からサンロード商店街を進み、中央通り五番街の路地へ。

壁に赤と青で目立つ「質と買取 エチゴヤ」の文字。

看板からして昭和感を感じる。
エチゴヤの正面は意外にも一般の民家のようにも思う建物。入り口は狭く、自転車置き場となっている。

奥には看板の骨組みだけ見える。裏側に看板があるのかも。

看板の下には蔵のような3階建ての建物。よく見ると上部に細かいデザインが施されている。

②江戸川や質店
江戸川やは、商店街にも広告がよく貼ってあり目立つ。外観も2階建てのビルみたいだが、青い暖簾がかかっていた。

この近くにレトロ電柱を発見。
【レトロ電柱】小岩で見つけた2本のレトロ電柱(街灯)は質屋の近くに
③青木質店
3軒目の青木質店。サンロード商店街から青木質店の広告をなぞって住宅街に入っていくと見つかる。


青木質店の入り口を指す看板。とても丁寧だ。

こちらも入り口は狭く人目につかない場所にある。

蔵も併設しており、敷地面積はとても広そう。


④ツユキ質店
場所が変わってフラワーロード商店街を南に進み、南小岩6丁目にあるツユキ質店。他のお店はほとんど情報が無いが、ツユキ質店はホームページがあった。

創業70年あまりという老舗ではあるが、女性の方でも入りやすいお店を心がけているのだとか。
確かに今どきな看板でおしゃれだ。

⑤佐野屋質店
フラワーロード商店街の小岩駅寄りの路地にある佐野屋質店。

昭和8年創業という老舗。こちらもホームページが存在した。

またまたレトロ電柱も発見。質屋の近くに多いな~

⑥三幸質店
小岩駅北口、ホテルが並ぶ通りにある三幸質店。どうやら閉業した模様。

すべてのお店の創業年がわからなかったが、どのお店も古そうな雰囲気だった。もしかしたら小岩の赤線とも関係していたかもしれない?小岩の「東京パレス」と合わせて調べていきたい。
(訪問日:2020年9月)
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