【カフェー建築】リノベーションで復活した北千住のカフェー建築「奈か多”楼」

「カフェー建築」に惹かれて赤線地帯に興味を持っている方も少なからずいるのではないかと思うほど、当時の繁栄を今に伝えるカフェー建築は私たちを惹きつける。私もその一人なのだが、今回は赤線としての歴史も持つ北千住で見つけたカフェー建築「奈か多”楼」。なんとアトリエとしてリノベーションされ、現代に蘇った貴重なカフェー建築である。
北千住の赤線
木村聡著の『赤線跡を歩く』においても、
日光街道からやや奥まった
柳新地と呼ばれた里にも
色とりどりのカフェーができた
と紹介されているように、当時を知る人からするとかなり賑わった赤線地帯であった。
10年ほど前まではカフェー建築の名残も確認できたとのことだったが、現在はその姿を確認できるものはほんの少しになってしまった。当時の様子を知る寿司やの店主から詳しくお話を聞くことができたので、北千住柳町の赤線についてはまた別の記事でまとめよう。
カフェー建築のリノベーション?!
北千住には目立つようなカフェー建築は残っていないが、カフェー建築を再現した建物があると聞いた。
その場所は、柳町からは離れ、日光街道を少し入った路地に突如出現する建物。
辺りは一般的な民家が広がる細い路地に、タイルが輝いて見える。
柳が手前にあり、建物を少し隠しているが、カフェー建築の特徴が詰まった建物を見たらきっと興奮するに違いない。
一階部分は前面ピンクのタイル。なんてかわいいんだ!
現在残っている当時のカフェー建築も、ピンクだった頃はこのような色味だったのだろうか。これは目立つ。

インターホンの↓にもタイル。

赤い円柱。赤だけじゃなくて、ところどころに違うタイルが混ざっているのが良いね。

なんと、木のゴミ箱まで設置されている。しかも、その上にはスペイン瓦まで。豪華な組み合わせだな。

窓の下のタイルも良い。色々な色が混ざっている。
二階部分の曲線はカフェー建築の特徴。曲線×タイル×円柱のコラボがしっかりと表現されており、うっとりする。

鱗のようなデザインも素敵。

建物だけでなく、ランプや小物も当時の様子を感じさせる。
細部にまでこだわっていて飽きない。
広角レンズで撮影
狭い路地のため、全体像を掴むためには広角レンズがピッタリ。

アトリエとして利用
奈か多”楼は、建築家&イラストレーターである、なかだえり氏のアトリエとして2013年にリノベーションされた建物。築約50年のスナックを自らリノベーションしたとのこと。建築資材やインテリアも譲り受けたものを利用しているようだ。
ホームページには、外観だけでなく建物内の様子も見ることができる。内部もカフェー建築らしさ全開のオシャレな建物だ。いつか入ってみたい。
現在は、カフェー建築のような凝った建物を維持するのは大変だろう。そのため、無機質な利便性を重視した建物が多くなるのはしょうがないが、カフェー建築の魅力を知ってしまった私は、いつか自分の家にカフェー建築の特色を取り入れるのが夢である…
※近隣の迷惑になるため、カフェー建築以外の周辺の建物の撮影、インターネット、SNS掲載はご遠慮ください。
北千住の遊廓跡については↓
千住遊廓(柳新地)のカフェー建築を探して。千住遊廓の歴史-北千住⑴
吉原に現存するカフェー建築の記事
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(訪問日:2020年7月)
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