銭湯「人参湯」で頂く”木更津やきそば”が絶品!銭湯好きにおススメ -木更津⒀
木更津には元銭湯を利用した焼きそば店がある!銭湯×焼きそば店ってどんな雰囲気なのだろう?
想像ができないワクワク感がたまらない「木更津やきそば」へ!昭和レトロ好きな方はぜひ!
蒸気河岸の「人参湯」
千葉県木更津市中央3丁目。JR内房線「木更津駅」西口から徒歩7分ほどの、南片町浜通りに面している元銭湯「人参湯」。
遠くからでもよく目立つ!
人参湯は2011年に閉業。隣にあった映画館は解体されているのに、歴史深い銭湯建築がそのまま保存されていることが感慨深い。
蒸気河岸の人参湯
木更津の片町には沢山の河岸がありましたが、南片町の河岸は蒸気船が発着したことから「蒸気河岸」と呼ばれるようになりました。南片町の河岸では昭和の初めに大相撲が行われたり、その後に造られた「木更津食品市場」でも「せり」が終わると演芸が行われたりと木更津の「娯楽の殿堂」としての役割も果たしていました。昭和4年の絵図に「実母散薬湯」と記されているのが「人参湯」の元の銭湯で、昭和24年に今の主人が引き継ぎ、昭和27年に現在の建物に建て替えられました。
「木更津食品市場」は現在は無いが、最近まで東映の映画館があった。そう考えると娯楽の地というのは受け継がれていたのかもしれない。
人参湯の建物が昭和27年(1952)建造ということが判明。半世紀以上経っているが果たして建物内はどうなっているのだろう…
「知の冒険」さんの記事によると、現在の建物は3代目とのこと。「知の冒険」さんは直接ご主人からお話を伺ったみたいで、とても貴重な場所も案内していただいているので興味ある方はぜひ見てください。
男湯&木更津やきそば
ピンク色の外観に見とれていると、チャイムが鳴った。入り口に近づくと木更津やきそばの人がわかるようにチャイムが鳴るみたい。
銭湯の入り口はそのまま残されている。焼きそば店は、男湯の方みたいだ。
うわ~綺麗なタイル!人参湯、入り口にも青いタイルがあったけど本当にハイカラだな~
下足は下駄箱に入れてスリッパを履く。
昭和の下駄箱がそのまま利用されている。木札を触る機会もほとんどないので、どういう仕組みなんだろう?と興味津々。
男湯の脱衣所を見学
男湯の風呂場が眺められる席に着席。
よく見るとギターなどの楽器が置かれているので、普段はライブスペースとして使われているのかな?
ストーブ1つとっても古い。360度すべてが琴線に刺さるものばかり。
都内ではリノベーションされた元銭湯のカフェとかが有名だけど、ここは銭湯の建物をそのまま利用していてリアル。
銭湯だから天井がとても高いのが良い。開放感がある。
左手にあるのは、巨大な熊手!こんなに大きな熊手を実際に見るのは初めてだ…
番台の上の棚には、シャンプーなどが並べられている。意外と新しい?閉店前に使われていたものかな~
歴史を感じる床。敢えて綺麗にリノベーションされていないのも大歓迎だったりする。
実は鏡を見るまでは、この銭湯が「人参湯」という名称だったことを知らなかった。
なんで“ニンジン”なのだろう?聞くのを忘れてしまった。
今見たら、鏡の隣にある温度計、下のところに「安室…」と書いてあるのが見える。もしかして、看板建築が有名な仲片町の「安室薬局」?
くすり、化粧品、カメラ…今は閉店しているのでとても貴重なものだと感じた。
木更津やきそば
男湯は「木更津やきそば」が営業中。銭湯の中に屋台があるってなんだか不思議だけどマッチしている。
木更津焼きそばは、2020年6月1日にこの場所へ移転してきたそうだ。以前は木更津駅東口で営業していたが、銭湯のオーナーがこの場所を提供してくれたと話していた。
メニューはこちら。
表と裏にびっしり焼きそばのメニューが書いてある。C級おやつシリーズも気になる…
「広島のお好み木更津焼きそば」を注文。
写真だとわかりづらいかもだけど、1人前にしては大きくない??お好み焼きの下にも焼きそばが隠れているのでダブルで楽しめる!
実は私、あまり焼きそばが好きではないのだけれど、このお店の焼きそばはとても美味しかった。味付けが食欲をそそる味。
「あさりの塩焼きそば」もあっさりとしていて美味しい!海鮮が好きな方におすすめ。
あまりの美味しさに衝撃。銭湯で食べるからとかではなく、木更津焼きそばが絶品だった。
他にも常連さんが数名来店していたのも納得する。
女湯は昭和レトロな展示室に!
木更津焼きそばの店主の人に、「レトロなものが好きなら、女湯の方も見ていって~」と言っていただいたので、見学することに!
こちらは銭湯のオーナーさん所有のレトロなものが展示されているみたい。
わああ!!思わず歓声を上げたのは、ホーロー看板の展示。
サフランソースって初めて見た!たばこもオレンジ色のホーロー看板はレアかも!
昭和33年のスタアカレンダー?中身がとても気になる。
今は閉店して無い木更津の映画館の名称がズラリ…これも貴重な資料だ。
360度、昭和の展示で見ていて飽きない。
レジスターもかなり年季が入っている…素晴らしい。
銭湯の決まり事。洗い場での洗濯…
実母散薬湯人参湯…人参湯の前の名称も合わせて記されているのはなぜだろう?
藤波牛乳店から寄贈された鏡なのかな、なんて素敵なデザインなのだろうか。
あわぶる。「手のひらでパチパチとはじいて、もう、気分はハリウッドスター!」なんて夢のあるお風呂なんだろう。
展示品の数が多くてすべてを紹介しきれないくらい。
女湯の方へ。ガラガラと扉を開ける…
富士山の絵が剥がれているのが気になったが、新たに描きたいと申し出ている人がいると書いてあったので今後新しくなるのかも。
浴室もそのまま残されている。なんだか服を着て見学するのは不思議な気分!
下の写真は広告ではないのかな?イラストのタッチがとても可愛い。
奥にお風呂がある。3種類ほどあるが、タイルも素敵!
本棚にも多数のレコード?が置かれていた。懐かしい方にとっては興奮物では…
小さなカバンに入っているレコードは、よく見たらビートルズと書いてある…すごい。
銭湯によくあるマッサージチェア。これってどれくらい効果あるんだろう?
「銭湯すたれば 人情もすたる」まさにその通りだなと感動した。
脱衣所。コカ・コーラの自動販売機もレアですね~
人参湯の昭和の写真
人参湯の昔の写真も展示されていた。昭和23年(1948)の写真。
現在の建物に建て替える前だろうか。「知の冒険」さんの記事では、昭和9年の写真と書いてあるが、どちらが正しいのかな。
男湯の文字が右読みなので、戦前の建物では?と言われている写真。
今は無い、丸い湯船の写真も。
こうして写真が展示されていることで、昔の姿を知ることができるので有難い。
富士山もとてもハッキリと映っている。素敵だなあ。
現在と同じ建物が写っているが、左には映画館の姿も。
前回紹介した「港町キネマ通り」の名残の建物。廃業してもなお、活用されていることが何より嬉しい。そして焼きそばがとても美味しいのでまた食べたいな!
(訪問日:2021年2月)
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