金ちゃんの紙芝居|田中利夫さんの紙芝居イベント「ハニーさんの一日」に参加

『金ちゃんの紙芝居』、戦後間もない頃の朝霧米軍基地の兵士たちと女性たちの交流を紙芝居で表現する田中利夫さんの紙芝居イベントに参加しました。
『金ちゃんの紙芝居』とは
『金ちゃんの紙芝居』は、埼玉県の朝霞(あさか)が舞台。
戦後、1950年頃の筆者の体験談を描いた紙芝居です。
2022年12月、知人の誘いでご本人が登壇する紙芝居のイベントに参加してきました。
田中利夫さん(1941年生まれ)がすべて描き下ろした『金ちゃんの紙芝居』、今までその作品は800枚にのぼるという。
ホームページに作品の詳細が書かれています。
洋裁講師の田中利夫さんは1941年朝霞生まれ朝霞育ち。朝霞にアメリカ軍の基地ができた1950年頃のお話です。基地と共に暮らしていた多くの人達が登場します。お話は朝霞駅前に住んでいた少年金ちゃんの目で綴られています。田中利夫さん(金ちゃん)は、多感な少年時代を基地の町で過ごしました。紙芝居は紙や布、時には包装紙に水彩絵具やパステルで彩色し、コラージュや刺繍などの様々なテクニックで描かれています。(https://asakacity.wordpress.com/kamishibai/)

田中利夫さん=金ちゃんのご実家は、朝霞駅前で「貸席(今でいうラブホテルのような場所)」を営んでおり、パンパンと呼ばれる米兵相手の女性たちが多く働いていました。
金ちゃんは、子供の頃に見た当時の朝霞の様子を紙芝居1枚に1つの物語を描いているのです。そして、今回のようにイベントを通して紙芝居の読み聞かせも行っており、歴史を風化させないように伝え続けています。
金ちゃんの紙芝居「ハニーさんの一日」
今回参加した紙芝居イベントの一部をお届けします。撮影許可済。
金ちゃんは、パンパン(米兵を相手にした街娼)と呼ばれた女性たちのことを「ハニーさん」と親しみを込めて呼び、「ハニーさんのいちにち」といった紙芝居にまとめていました。



私も地元の遊廓史、赤線を少し調べているので、今回の金ちゃんのハニーさんの一連のお話はとても勉強になりました。
当時の様子を文献から文字情報として得ることはできても、場面を想像するのは限界があります。金ちゃんの紙芝居が凄いのは、各場面を一枚の絵として、聞き手が追体験できるようなリアルさがあること。当時を全く知らない世代の20代の私でも、まるでその場にいるかのような臨場感のある紙芝居でした。
歴史を語り継ぐ手段としても興味深かったです。語り部ではなく、紙芝居という絵を使いながらのお話は老若男女問わず聞き入ってしまうのではないでしょうか。
お誘いいただきありがとうございました。
金ちゃんの紙芝居は本も発売されています↓
『金ちゃんの少年時代』 新書 – 2017/1/1
金ちゃんの紙芝居が本になりました。
戦後間もない頃、小学生だったボクは父と母と弟、それに赤犬のマルと朝霞の駅前に住んでいました。
ボクの家は今でいうラブホテルをしていて、アメリカ兵や娼婦達が大勢出入りしていました。
ボクは今、金ちゃんと呼ばれ、その頃のことを紙芝居にしています。
金ちゃんの紙芝居から生まれた「金ちゃんの少年時代」には朝霞の人々や町のことが、絵と文章でいきいきと映し出されてます。
あの頃の朝霞にタイムスリップしてみませんか?
横浜金町と町田忍の展示会
紙芝居終了後、当日お会いしたブログ「知の冒険」の丹治俊樹さんと、庶民文化研究家・町田忍さんの展示会「町田忍の江戸から昭和の銭湯ジオラマ展」へ行きました。
横浜市中区の「ギャラリー幸子」で開催のため、最寄り駅の「黄金町駅」にて下車。
黄金町…と言えばちょんの間のイメージがあったので現在はどうなっているのか通りがてら見てきましたが、警察の摘発により廃止され、間取りの狭い建物は残っているものの、静かな夜でした。
そして最後に町田忍さんの展示会へ。一度お会いしたいと思っていたので嬉しい。サイン本もいただきました!
(訪問日:2022年12月)
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