勝浦下本町~浜勝浦漁港。勝浦測候所の名残が残る星座モチーフの病院 -勝浦⑷

勝浦下本町~浜勝浦漁港。勝浦測候所の名残が残る星座モチーフの病院 -勝浦⑷

勝浦下本町から、漁港である浜勝浦漁港へ向かって探索。昔は「房総の江の島」と呼ばれるほどに賑わっていたという勝浦海水浴場があったり、今とは違った風景が広がっていたみたい。

鳥瞰図や住宅地図と照らし合わせながら、勝浦の漁港付近の歴史を調査します。

勝浦下本町

かつうらビッグひな祭りが開催される遠見岬神社(とおみ)から県道246号線(旧市役所通り)を南下する。左右に商店が並んでいる。市役所通り商店街と呼ばれているらしい。

「おけそば」と書かれた看板が気になる。昭和53年の住宅地図を見ると「桶そば」とある。

市役所通り商店街

調べてみると、超老舗の蕎麦屋らしく、中華そばとソース焼きそばも絶品だとか。今回私は入ることができなかったので、詳しくはこちらのページで。よく見ると建物の色が変わっているような。

その正面にあるのは「あまから…」看板が外れているが、「旧あまからや」の建物だそうだ。平成22年に旅館松の家の方へと移転したあまからやは、現在も営業中。ホームページを見ているだけでも美味しそう!

旧あまからや

味のある看板建築という感じの建物。周辺も歯抜けのように空き地が広がっているけど、昔はびっしりと建物が建ち並んでいたのだ。

あまから
勝浦下本町

2軒並ぶ古そうな建物。住宅地図で確認したがお店の名前は書いてなかった。個人宅にしては立派だな~

古そうな建物
欄間も綺麗

こちらは八百屋として営業している「鶴屋商店」。昭和53年の住宅地図では「鶴屋本店」とあるのでもしかしたら支店があったのかも。まるで旅館のような立派な佇まいが残っていて素敵。いつから営業しているのか気になる。

鶴屋商店

外観は新しくなっている「府川精肉店」。八百屋に肉屋、しっかりと残っていて商店街の雰囲気を楽しめる。

府川精肉店

旧勝浦中央海水浴場

ここで少し「房総の江の島」と言われた勝浦海水浴場の歴史について。

勝浦には漁港があるが、目立った海水浴場は無い。少し離れた場所にはあるが、現在は漁港が有名である。では、華々しい歴史のある勝浦中央海水浴場はどうなってしまったのか。

実は昭和30年頃の漁港修築工事により、海水の交換が悪くなり、海水浴場が消失してしまったのだ。いわば、漁港が整備されたことで海水浴場は姿を消してしまった。

昭和3年、松井天山が描いた鳥瞰図

中央海水浴場は大正、昭和の中頃まで海の家が立ち並び、夏ともなると海水浴場の賑わいは言語を絶するほどであったともいわれている。また、冬から春先にかけてはワカメの干場としても賑わった海岸だったそうだ。

カツオの水揚げ量日本一を誇る勝浦港は、そうした歴史があったのだ。現在の中央海水浴場は、勝浦ホテル三日月の近くにある。

浜勝浦漁港周辺

下本町の商店街から、西へ曲がった。

正面にある元禄地震の津波の看板が目に入った。元禄地震は元禄16年(1703年)12月31日に関東地方を襲った巨大地震だそうで、関東大震災を上回る被害という。その時の津波がここまで…しっかりと後世に教訓として伝えて欲しい。

元禄地震の津波

看板の前には旅館濱田屋。昭和3年の鳥瞰図にも載っている老舗だ。

旅館濱田屋

その並びには朝市新鮮広場。店頭では海産物の販売、お店の中ではイートインスペースがありマグロ丼などの海鮮丼を頂けるとのこと。

朝市新鮮広場

こちらも定休日が水曜日。営業時間は午前6時~12時まで。

水曜日定休日

近くにあった「日本で2番目に美味しいソフトクリーム」のお店。2番目という謙虚さがいいよね。夢てらす・みよまつも水曜日は営業していないみたい。

夢てらす・みよまつ

仲本町朝市通り

夢てらす・みよまつの角を曲がると、仲本町朝市通りへ。角も「いそもと」という民宿だったそうだ。

仲本町朝市通り

立派な木造建築は、「沢文夫商店」とある。平成4年の住宅地図では確認できる。

沢文夫商店

営業しているときを見てみたかった。

美しい引き戸

なぜか写真を撮っていないのだが、隣にある割烹中村とわかな寿司も老舗。そしてその2軒先には梅松旅館が昭和3年の鳥瞰図にも載っている。

平成4年の住宅地図でも確認できるのだが、現在は新しいお店に。

緑色の壁の建物も気になったが民家らしい。

民家にしては鮮やかな建物

ピンク色の手摺と緑色の組み合わせが素敵。

ピンク色の手摺
梅松旅館があったあたり

森永牛乳の建物を見つけた。と、その手前はほっともっとのお店になっているのだが、実は仲の湯という銭湯があったそうだ。昭和3年の鳥瞰図にも載っている。が、情報がないので詳細がわからず。

森永牛乳勝浦店

森永牛乳勝浦店の店頭では、懐かしいレトロな牛乳瓶が販売されていたので購入して休憩。入り口からタイルも見えた。

タイルがちらり
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墨名(とな)の交差点から

中央商店会を通って墨名の大多喜街道128号線の交差点に来た。中央商店会についてはまた次の記事で。

交差点

交差点、左側へ行くと旅館松の家がある方だ。角には元吉青果店。高級果実が気になる。

元吉青果店

元吉青果店の上にある釣船磯丸の看板が指す方向へ行くことにした。

釣船磯丸の看板

住宅街が広がっている。漁港が近いためか、ほのかに磯の香がする町だ。

住宅街

勝浦漁港付近

小家名橋にある産経新聞勝浦センター。

産経新聞勝浦センター

このあたりは民宿が多い。現在潮風公園になっている場所も、勝栄旅館という大きな旅館が平成4年の住宅地図では確認できる。

漁港の周辺をウロウロしていると、場所がどこだかわからないが緑の蔦に囲まれた建物があった。

 

緑の蔦に囲まれている

勝浦市による看板も出ているので危険な状態なのだろう。

危険

勝浦眼科医院の隣。

勝浦眼科医院の隣

勝浦測候所

128号線の北側の住宅地が高台に建っていたので気になり、探索することに。

高台

古い民家が建っていたがこれといって目立つものはない。

古い民家

と思っていたら、今は無き勝浦測候所がこの高台にあったそうだ。昭和3年の鳥瞰図に載っている。

昭和3年の鳥瞰図

平成4年の住宅地図では確認できるので最近まで存在したのかも。明治43年(1910年)に建てられた千葉県立勝浦測候所。現在その跡地をGoogleEarthで確認すると空き地になっているようだ。

標高11.9mの尾高い場所を登った先に、風力塔や測候所があったという。2007年の様子が千葉県の勝浦測候所の記事に載っている。

今はとても静か

越後貫病院

鳥が天空に。これは一体何の建物なのか?

不思議な建物があるなと思い近づいてみると、病院だった。越後貫病院という。

まさかの病院

越後貫病院は、建物がとても特徴的。病院とは思えないファンシーなデザインである。全体が雲のような波を打った形をしており、星座のような点が描かれている…

越後貫病院

壁にカラフルなタイルが散らばっていたり。とてもおしゃれだ。

カラフルなタイル

雲と星座を表しているかのような壁。撮影したときはとても不思議だったが、今やっとわかった。近くに観測所があったからこうしたデザインになったのではないか。あくまで推測に過ぎないけど、歴史がありそうな病院だ。

観測所と関係がありそう

まさか病院に観測所と関係する名残があるとは思わなかった。ただ探索していてもとても興味深い街並み。

 

 

(訪問日:2020年8月)